ヴィタリック氏、70億円規模の寄付
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が複数の慈善団体に総額6,000万ドル(66億円)の寄付を行った。SHIBAやAKITA、ELONなどの「ミームトークン」の大量売却で得た収益を寄付に回したという。
ミームトークンの台頭
先日時価総額4位まで急進したドージコイン(DOGE)をはじめ、最近ではいわゆる「ミーム銘柄」が話題を集めている。今週10日には、「ドージコイン・キラー」を謳うSHIBA INU(SHIBA)トークンが時価総額15位まで上昇したほか、日本の犬種にちなんだAKITA INU(AKITA)トークンや、DOGE好きなイーロン・マスク氏をもじったDogelon Mars(ELON)などが投機的な関心を集めた。
いずれも犬をモチーフしている点に加え、トークン供給量のシステムでも独特の「バーン」システムを採用している。
筆頭格のShiba Inuは総発行量の50%をユニスワップにロック、残りの50%はイーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏のアドレスに送信される仕組みだ。AKITAトークンやELONトークンも同じトークン分配を行っている。
ヴィタリック・ブテリン氏のETHアドレスは公開されており、1,000億円以上に相当する30万ETHを保有していたが、ヴィタリック氏は13日に入りミーム銘柄を相次いで売却し始めた。6,600億SHIBと1,400億AKITA、そして430億ELONをイーサリアムと取引し、70億円に相当する15,719ETHに替えたという。
ヴィタリック氏の大量売却を受け、上記銘柄は急騰の反動で軒並み急落している。
SHIBA INU(SHIBA)
Akita Inu(AKITA)
Dogelon(DOGE)
寄付の内訳
ヴィタリック氏が売却益として手に入れた70億円相当のETHは、以下の団体に寄付したものとみられる。
- Givewell:13,292ETH
- Methuselah財団:1,000ETHと4,300億ELON
- Machine Intelligence Research Institute(MIRI):1,050ETH
- Crypto Covid:500ETHと50.6兆SHIB
- Gitcoinのコミュニティ・マルチシグ:49兆AKITA
- チャーター都市研究所:500ETH
寄付した団体で最も多くの寄付を受け取ったのはNPO団体のGivewellだ。Givewellは慈善団体の査定を行う非営利の独立機関で、寄付金の影響を最大化させることを目的として掲げている。
また、寿命の延長を目的とする医療慈善団体のMethuselah財団、人工知能(AI)の研究を行うMachine Intelligence Research Institute、インドの新型コロナウイルス感染者用の救援基金などにも寄付を行った。他にもオープンソースの開発者プラットフォームGitcoinなどにも寄付した。
ヴィタリック氏は、過去に自身が注目している分野として、仮想通貨、寿命延長、ソーシャルテック、オンライン教育、都市開発、貧困撲滅、宇宙などを挙げていた。
Things I'm excited about (incomplete list)
— vitalik.eth (@VitalikButerin) June 18, 2020
* Cryptography+blockchains esp @ethereum family
* Life extension @SENSResearchFou
* New governance/"social tech" @RadxChange
* Better online education of all types
* Building cities @CCIdotCity
* Ongoing global poverty reduction
* Space