はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

中国大手マイナー代表が語る「仮想通貨市場の見通し」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ViaBTC CEOの市場見解

中国の大手ビットコインマイニングプールViaBTCのCEOであり、暗号資産(仮想通貨)取引所CoinExの創設者でもある楊海坡氏は、直近の仮想通貨市場について、幅広く自身の見解を披露した。中国政府の方針でマーケットへの影響に不透明性が残る中で、貴重な見解となる。

ViaBTCはビットコインハッシュレートの11.42%を占めており、プールランキング4位に位置する大手マイニングプールだ。

今回、楊氏は中国の仮想通貨ブログ「鏈捕手」のインタビューで、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)および全体相場、DeFi(分散型金融)セクターなどのテーマでさまざまな意見を語っていた。本記事はその一部の内容を抜粋し、紹介する。

全体の相場感

楊氏は5月19日の大暴落後の仮想通貨市場の位置付けについて、「今はブル相場の前半にあり、ゆっくりと回復しつつある」として、「特に海外では、仮想通貨取引所の新規ユーザー数及び資金運用規模もそれほど減っていないので、『ブル相場がすでに終わった』などという見方は時期尚早だ」と話した。

また、イーロン・マスク氏のビットコイン・ドージコインに関するSNS上の発言について、「マスク氏は今回のブル相場における最も物議を醸している人物で、彼の起業家としての経歴から理想主義者であることは明らかだ」、「また、彼はバーチャル世界に関しては感覚が鋭い人で、仮想通貨市場にとって彼の世界的な影響力は普及に大きな役割を果たしている」と語り、「しかし、仮想通貨の価値は市場参加者のコンセンサスによって生じるもので、ミームコイン(DOGEやSHIBなど)への熱狂はマスク氏とは無関係だと思う。初期のビットコイナーが他の銘柄に対する『偏見』を持っているように、マスク氏に対しても偏見を持っているだろう」とした。

関連物議を醸す、イーロン・マスクの仮想通貨関連ツイートまとめ

イーサリアムに将来性を見る

イーサリアムのエコシステム拡大・ETH2.0への進捗や、年初来の上昇率から、イーサリアムのコミュニティや投資企業ではいずれビットコインの時価総額を超えるといった予測が見られている。

楊氏はBTC・ETHの競争についても見解を披露した。

長期的に見れば、ETHがBTCを超えるのは必然的と言えるだろう。

両者のコミュニティの位置づけや活発度などは全く違う。ビットコインの価値は、「信仰的」なものから生じており、現在はすでに一つの「宗教」になっている。実際の用途はあまりないが、投機観点では多くの利益を初期ユーザーにもたらしていた。

ドージコインも宗教になりつつあるが、ビットコインよりもコミュニティはアクティブだ。

一方、イーサリアムの価値は実用から生まれたもの。ビットコインも以前にはイーサリアムのようにスケーラビリティなどを実装する選択肢はあったが、そうはならなかった。仮に実装されていれば、すでに世界最大の決済手段になっていたかもしれない。

イーサリアムでは、L2やETH2.0など、さまざまなソリューションの導入がよりオープンになっている。多少躓いてはいるが、解決はできるはずだ。

BSCエコシステムについて

イーサリアムの送金速度やガス代問題で、ライバルになっているBSC(バイナンススマートチェーン)のエコシステムについて、楊氏はBSCがイーサリアムの競争力を弱体化するポテンシャルがあると指摘。

「BSCはすでに利用価値があり、アクティブユーザー数や出来高もビットコインを超えている。今後アップグレードされてより多くのユーザーが移っていけば、イーサリアムの市場シェアをある程度奪えるかもしれない」と見解を示した。

また、BSCで多発している資金流出の事件については、「資金が盗まれたわけでなく、ハッカーがコードの規則を合理的に利用していたまでだ。あるいは、そのハッカーがプロジェクト側の人間かもしれない」と指摘し、「現在BSCの最大の問題は、未熟な開発者にある。彼らはTVL(資産運用金額)を引き上げることしか考えておらず、セキュリティを疎かにしている」と述べた。

DeFi市場について

さらに、DeFi市場の進化について、楊氏は自身の見解を披露した。

DeFiセクターは昨年の夏から大幅にユーザーベースを拡大させ、UniswapやCompound、Curveなどの主要プロトコルにおける資産運用金額も大幅に増加しており、CEX(中央集権的取引)のライバルになりつつある。

そんな中で、DeFi上のデリバティブ取引は次のDeFi「フロンティア」と呼ばれているが、楊氏はこのようにDeFiデリバティブに懐疑的な姿勢を示す。

DEXの特徴とは、CEXに容易に上場できない(難易度の高い)銘柄でも無許可で上場できることで、いわゆる「ロングテール資産(上場機会の少ない資産)」の現物取引を行う場だ。

しかし、デリバティブ取引では、基本出来高の高いビットコインやイーサリアムなどの上位銘柄に需要は多くあるが、ロングテール資産のほうは現物の出来高が少なく、DEX上の取引速度も遅いため、DeFiデリバティブで取引されるメリットは少ないと思う。

また、DeFiは現在バブル景気になりつつある段階にあると指摘しながらも、その利用価値が高く、DEXそしてレンディング市場の利用率は高まっており、CEXのほうがすでに優勢を失っているとした。

一方、NFTブームについては、最大の問題はブロックチェーンを利用しなくてもいいことだと指摘し、NFT所有権を証明するのは最終的に中央集権的な組織にあると説明した。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:25
エリック・トランプ氏「仮想通貨事業参入のきっかけは不当な銀行口座閉鎖」
トランプ大統領の次男エリック氏は、大手銀行による突然の口座閉鎖が仮想通貨事業参入のきっかけとなったと明かした。同氏は、ブロックチェーン技術により今後10年で金融や銀行の在り方は大きく変わると予想している。
12:56
メタプラネット、ビットコイン追加購入で累計4,206BTCに
メタプラネットが4月2日に仮想通貨ビットコインを160BTC、約20億円分追加購入し、累計4,206BTCに保有量を伸ばした。2025年末1万BTC・2026年末2万1,000BTCを目指し、独自財務戦略を進める。
12:05
ビットバンク、村上信五さん起用の新CM放映開始へ
国内暗号資産取引所の大手ビットバンク株式会社は4月2日、バラエティ番組の司会などで活躍する村上信五さんを起用した新CM「Everybody bitbank」シリーズの放映を4月3日から開始すると発表した
11:44
米グレースケール、バスケット型仮想通貨ETF申請 XRP・ソラナ・ADA含む5銘柄で
米グレースケールがビットコイン他複数の仮想通貨に投資する「デジタル・ラージキャップ・ファンド」のETF転換をSECに申請した。承認されれば一般投資家にも開放される見込みだ。
11:00
「決済用ステーブルコインは利子提供不可」米ヒル議員が強調 コインベースらの嘆願却下
米下院金融委員長が決済用ステーブルコインの利子提供は認められない計画だと強調。コインベースなど仮想通貨業界からの要望を却下した。法案にも禁止条項が盛り込まれている。
10:30
国内上場のenish、1億円相当のビットコイン購入へ Web3事業強化で
株式会社エニッシュが1億円相当のビットコインを4月1日から4日にかけて取得すると発表。ブロックチェーンゲーム開発を手がけながら、Web3領域での事業展開強化と財務戦略の一環としてビットコインを活用へ。
10:15
バックパック、FTX EUの顧客へのユーロ返還手続きを開始
仮想通貨取引所バックパックは、FTX EUの顧客にユーロを返還するための手続きを開始。FTX自体は現金での返還をすでに開始しており、仮想通貨の買い圧につながるのではないかとの見方も上がっている。
08:20
バリュークリエーション、2度目の1億円分のビットコイン購入を実施
東証グロース上場のバリュークリエーション株式会社が3月31日、1億円で7.8BTCの追加購入を発表。3月17日の初回購入から2週間で2回目の投資を実施した。
08:15
ビットコイン一時50万円上昇、米経済指標とトランプ関税政策が影響|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時50万円の上昇となった。現在、市場の最大の注目材料はトランプ大統領による関税政策であり、ビットコインはリスク資産である米国株価指数との相関性が非常に高くなっている。
07:50
『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も
ビットコイン政策研究所が「ビットボンド」提案を発表。米国債の金利負担軽減と仮想通貨ビットコイン保有増加を同時実現する戦略で、2兆ドル規模で導入した場合、年間700億ドルの節約効果と推算。
07:20
ビットコイン購入準備のゲームストップ、2200億円調達済み
米ゲーム小売大手ゲームストップが15億ドルの無利子転換社債発行を完了し、ビットコイン購入計画を進行。マイクロストラテジーの戦略に類似する企業の仮想通貨投資の新たな展開に。
06:55
三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発
三井住友FGは、ステーブルコインの開発を行うことがわかった。仮想通貨アバランチを開発するAva Labsら3社と協業し、26年度を目処にした発行を検討している。
06:35
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画
トランプ家支援のAmerican Data CentersとビットコインマイナーHut 8が設立した合弁会社American Bitcoinが上場計画を発表。エネルギー・インフラとマイニング事業を二社統合モデルで展開していく。
06:12
ブラックロック、英で仮想通貨事業者認可を取得、ビットコインETF提供へ
世界最大の資産運用会社ブラックロックが英国金融行動監視機構から仮想通貨事業者として認可を取得。資産12兆ドルの投資巨人が欧州向けのビットコインETFを英国拠点から運営へ。
05:50
AI関連株と仮想通貨が反発、OpenAI過去最大の6兆円調達受け
OpenAIが史上最大の400億ドル資金調達を実施し企業価値3,000億ドルを達成。週間ユーザー数は5億人に拡大し、年間売上高は127億ドルを見込む。これを受けてCoreWeaveが38%上昇、AI関連仮想通貨も5%以上上昇した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧