はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米SECクリプト・ママ、ゲンズラー委員長の年間規制アジェンダに「失望」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

二人のコミッショナーが声明

米証券取引委員会(SEC)の執行委員(コミッショナー)であるHester Peirce氏とElad Roisman氏は、先週発表されたSECの年間規制アジェンダを批判し、ゲンスラー委員長(Gary Gensler)にその一部の再考を促す声明を発表した。

「前進か、後退か?」と題された声明で、両氏は「デジタル資産の明確化、ギグワーカーへの株式報酬の許可」など、いくつかの重要な規則の制定が含まれていないと指摘。その要因として、ゲンスラー委員長が下した「残念な決定」、つまり「SECが承認したばかりの数々の規則を取り消すために、ただでさえ十分ではない人力を費やす」選択をしたことがあると批判した。

「クリプト・ママ」の愛称で親しまれるPeirce氏は、仮想通貨をはじめとする金融イノベーション肯定派として知られ、業界からも信頼が厚い。一方、Roisman氏は前Jay Clayton委員長の退任後、ゲンスラー委員長の就任まで委員長代理を務めた経緯がある。

指摘された規則の見直しは必要なのか

このアジェンダには、この1年以内に承認された下記のような規則を修正する提案が含まれている。

  • 機関投資家が株主提案に投票する際のアドバイスを提供する企業への規制
  • 資源採掘企業による外国政府への支払い開示義務(ドッド・フランク法)
  • 民間企業の不正行為をSECに通報した内部告発者への支払い制限

SECの規則はパブリックコメント募集など、長期的に厳格なプロセスを経て、はじめて制定されるものだと両氏は強調。SECが「完成したばかりの規則の再検討に、貴重な資源を費やすことには失望している」と批判した。また、規制当局による性急な規則の見直しは、民間企業に対し規制の不確実性を示すことに繋がり、経済活動を阻害する恐れがあるとした。

「このような規則がアジェンダに含まれていることは、SECの堅実な規制手腕に対する評価を損なうものだ。」

さらに「政権が変われば政策も変わる」ため、アジェンダに新たな規則制定が盛り込まれることは、当然のことだとしながらも、「再検討を正当化する新たな証拠」なしに、完了したばかりの規則制定の見直しを行うのは、「通常の慣行」ではないと訴えた。

「過去の委員会では大抵、自分たちの規則書でシーソーゲームを行うような行為は慎んでいた。」

規則制定リストにあるのは

今年の規則制定に注力する分野として、SECが発表したリストには、気候変動、企業の労働政策や取締役の多様性に関する情報開示が含まれている。

また、株式や短期国債市場などの構造近代化、自社株買いや空売りの情報開示に関する透明性の確保、個人投資の「ゲーミフィケーション」などが挙げられている。

一方、仮想通貨分野への言及はなかった。ただし、ゲーミフィケーション関連から、ロビンフッドなどのプラットフォーム上における仮想通貨取引に焦点が当たる可能性はあるかもしれない。

ゲンスラー委員長への期待

ゲンスラー委員長は、マサチューセッツ工科大学(MIT)でビットコインやブロックチェーンの教鞭を執った経験もあり、仮想通貨に精通した人物として知られている。

Peirce氏も、4月のゲンスラー氏の就任前には、今後数年間、SECが「非常に生産的になるだろう」との見解を示し、投資家保護と明確な規制の枠組みづくりの推進に期待を寄せていた。

しかし、今回の規制アジェンダで Peirce氏の期待は実らなかったようだ。

関連:米SEC「クリプトママ」、新長官が仮想通貨規制に与える影響を語る

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入がETF上回る、2025年上半期24万超BTC取得で4倍以上増
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧