はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン法定通貨化の問題点は? JPモルガンが指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

流通上の問題が生じると懸念

米メガバンクJPモルガンが、エルサルバドルが法定通貨として暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を採用することについて、通貨流通上の問題が生じる可能性があると指摘した。Bloombergが報道した。

JPモルガンのアナリストは「ビットコインの取引量は通常、1日あたり400億ドル(約4.4兆円)から500億ドル(約5.5兆円)を超えているが、そのほとんどが大手取引所の中で行われている」と述べている。

ビットコインの大部分はリクイディティ(流動性)の低い場所に預けられており、その90%以上が1年以上取引されておらず「取引量の少ないウォレットに保有されている割合がかなり高い」という。

リクイディティ

流動性のこと。リクイディティが低い相場や取引所では、注文が約定しにくくスプレッドが開きやすい。売りたい値段で売れないなどのデメリットがある。

▶️仮想通貨用語集

一方で、JPモルガンはエルサルバドルにおける1日の決済活動は「最近のチェーン上のビットコイン取引量の約4%」、また「過去1年間にウォレット間で交換されたビットコイン総額の1%以上に相当するだろう」と分析。

予想される取引量の多さに対して、流動性が低いために、エルサルバドルで広く取引が行われるようになれば、ビットコインの「交換手段としての可能性を大きく制限する可能性がある」とする格好だ。

米ドルとの兼ね合いも問題

さらに、エルサルバドルが不安定だった自国通貨コロンの流通を停止して、2001年より米ドルを法定通貨として導入していることも事態の複雑さを増すという。エルサルバドルではビットコインの使用は任意となり、米ドルとビットコインが両方とも法定通貨として使われるシステムが採用される見込みだ。

エルサルバドルは、国外からの送金に大きく依存しており、世界銀行によると2020年には、エルサルバドルのGDPの約24%が送金によるものだった。そして多くの場合は米ドルで送金されていた。

エルサルバドル政府は、国営銀行に1億5,000万ドル(約165億円)を準備して、ビットコインとドルとの交換性を保証するとしている。

だがJPモルガンは、政府のプラットフォーム上でビットコインと米ドルの交換需要の不均衡が続いた場合には「エルサルバドル国内の米ドル流動性も損ない」、最終的に財政や国際収支のリスクを引き起こしかねないと指摘した。

世論調査では否定的意見も

またJPモルガンは、エルサルバドル人の中でも、ビットコインを法定通貨にすることに批判的な意見が多いとした調査結果にも言及している。

調査会社Disruptivaが7月1日から4日にかけてエルサルバドル全土で1,233人を対象として行った世論調査によると、回答者の約54%がビットコインの採用を「まったく正しくない」と見なし、24%が「正しい面も少しだけある」と答えていた。

ビットコインのボラティリティ(価格変動)は、世界的な市場により決定するために、エルサルバドルがコントロールできるものではなく、人々の日常的な決済手段として普及するかどうかは不透明な状況だ。

ビットコインは、9月初旬よりエルサルバドルの法定通貨になる予定である。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/02 木曜日
18:50
日本の暗号資産投資家67%が長期保有を選択ーBinance Japan調査
Binance Japanが実施した1,076名への調査で、日本の暗号資産投資家の67.1%が長期保有を選択していることが判明。収益性を最重視し、XRPが人気1位に。税制の影響で短期売買より長期投資が有利な日本独自の投資傾向を詳しく解説。
17:48
ブロックチェーンゲーム開発のDJT、魁 三国志大戦など2作品のサービス終了と事業転換を発表
double jump.tokyoが創業以来の主力事業だったブロックチェーンゲーム開発からの事業転換を表明した。新規流入が伸び悩んだ際に崩壊するトークン経済圏の限界が露呈する中、OASトークンを軸としたトレジャリー事業とN Suite事業に注力し、Web3の基盤整備企業への転身を目指す。
17:00
Baseトークンのエアドロップ対策をわかりやすく
コインベース支援のL2「Base」が独自トークン発行を検討。エアドロップの可能性、想定される配布条件、メタマスクでのブリッジ方法からDeFi活用まで解説。価格目安やリスク対策も網羅。
13:55
PUMPトークン30%急騰、アークインベストが「新クリエーター経済」と評価
米アークインベストがミームコイン発行プラットフォームPump.funを高く評価した。再導入されたストリーミング機能が「新たなクリエーター経済を構築」と指摘し、PUMPトークンは24時間で30%以上急騰した。
13:35
ポケモンカードなどのトークン化資産が次のビッグトレンドとなる可能性=バイナンス
仮想通貨取引所バイナンスがポケモンなどトレーディングカードのトークン化市場のポテンシャルを指摘する記事を公開した。新市場として注目を集める背景を解説している。
13:18
SBIホールディングス子会社のマイニング企業「SBI Crypto」から仮想通貨が不正流出
SBIホールディングス傘下のマイニング事業である「SBIクリプト」から約2100万ドル相当の仮想通貨が不正流出した。ブロックチェーン調査員が9月24日に疑わしい資金移動を報告し、北朝鮮による攻撃との類似点を指摘。SBIは連結業績への影響は軽微とコメント。
13:10
スウェーデン野党議員、ビットコイン準備金創設の動議を議会に提出
2名のスウェーデン民主党議員が国家によるビットコイン準備金創設を求める動議を議会に提出した。押収したビットコインを中央銀行に移管する予算中立的なアプローチを提案し、10月15日から財務委員会で審議される予定だ。
12:01
ビットコイン上昇で12万ドル台回復も視野、政府閉鎖の影響でETF承認プロセスは一時凍結へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが12万ドル台回復を目指す中、米政府閉鎖でSECが仮想通貨ETF承認を一時凍結している。100件超の申請が停止し、10月の承認ラッシュは延期へ。一方でゴールドマン・サックスは世界株式に強気の見通しを示している。
11:10
今年最後の3ヶ月間、仮想通貨市場の好材料とリスクは? グレースケール分析
グレースケールは、これからビットコインなどの仮想通貨相場は最高値を更新する可能性があるとの見方を示した。25年4Qの展望を述べ、投資家が注意すべきリスクも指摘している。
11:03
SBIがグループ総合力で切り拓く金融新時代──ステーブルコインを武器に先陣を担うSBI VCトレードの戦略とは
SBI VCトレード代表取締役社長の近藤智彦氏への独占インタビュー。国内唯一のステーブルコイン取扱業者として、USDC、RLUSDの展開戦略や円建てステーブルコイン、ビットコイン・トレジャリー支援など、SBIグループの総合力を活かした取り組みを語る。
10:35
ステーブルコイン配ったら生活は変わるのか? コインベースが低所得者に180万円相当USDCを給付開始
ニューヨーク市で、18歳から30歳の低所得者160人にステーブルコインUSDCで5カ月間合計1万2000ドルを配布するコインベースの支援プログラムが始まった。
09:45
ビットコイン、価格上昇に有利な状況で16万ドルから20万ドルへ向かう可能性=CryptoQuant
CryptoQuantが最新レポートで、仮想通貨ビットコインが16万〜20万ドルに向かう可能性があると分析した。クジラとETFの需要拡大など、価格上昇を支える要因を解説している。
08:50
米共和党議員「政府による強力なビットコイン投資も必要」
ベギッチ下院議員がワシントンD.C.のカンファレンスで、国家バランスシートの多様化にビットコインが必要だと述べた。ルミス上院議員と共同提出した法案では、5年間で100万BTCを取得する計画が示されている。
08:10
サムザップ、ドージハッシュに250万ドル融資 Dogecoinマイニング能力拡大へ
米上場のサムザップ・メディアがドージハッシュ・テクノロジーズに250万ドルの融資を実行した。買収完了前の資金提供で500台以上のASICマイナー追加を支援し、年内に総数4000台超の稼働を目指す。
07:50
英当局、1兆円相当のビットコインを押収
ロンドン警視庁は、仮想通貨ビットコインに関連する大規模な詐欺を巡り、中国籍の被告に有罪判決が言い渡されたことを発表。今回の捜査では1兆円相当のビットコインが押収されている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧