Enjinの技術を採用
NFT特化型プラットフォームとブロックチェーンゲーム開発で知られ、国内取引所にも上場しているEnjin(エンジン)が、ブロックチェーン・メタバースを開発する韓国の「Dvision Network」との提携を7月29日に発表した。
Dvision Networkは今後、Enjinが開発中のパブリックチェーン「Efinity」、また取引手数料のかからず、カーボンネガティブを謳う同社のイーサリアムブリッジ「JumpNet」も統合する予定だ。
マルチチェーンプラットフォームとして拡大中のDvision Networkは、イーサリアムやPolkadotなどの5つのブロックチェーンで動作する最初のメタバースとなることを目指す。
Dvision Networkとは
Dvision Networkは、ブロックチェーンベースのVRゲームやNFTなどのメタバース・プラットフォームを開発する、急成長中の韓国企業だ。エコシステム内のユティリティ・トークンである「DVI」は海外仮想通貨取引所に上場している。
今回の提携により、Dvision NetworkはEnjinのブリッジネットワークであるJumpNetを利用し、異なるチェーン間でNFTをシームレスに相互移動できるようになる。
またEnjinのプラットフォームとAPIを利用し、アバターや不動産、装飾品をNFTとして発行し、家具や装飾品を作成・設置したり、それらをメタバースのキャラクターやワールドクリエイターに統合したりすることも可能となる。
ユーザーはDvision Networkのキャラクター作成機能を使い、アバターとなるNFTをデザインし、それを好みのブロックチェーンで発行することが可能。
また、NFTクリエイターやコレクターが、独自のNFT作品を発行・取引できるマルチチェーン・マーケットプレイスを構築し、ブロックチェーン・エコシステムの相互運用性をさらに促進させるとのことだ。
Dvision Network CEOのJung Hyun Eom氏は、今回の提携に関してこうコメントしている。
私たちは、NFTの利便性を向上させる必要があると認識しています。イーサリアムベースのNFTでは、アイテムの作成や所持に大きなコストがかかり、ゲーム内の単純な取引に莫大な金額を支払わなければならないという問題がありました。
Enjinの協力を得て、ユーザーが無料でNFTを作成できるようにし、負担となるガス代をかけずに、マーケットに価格を決めてもらうことができます。
今年6月以降、Enjin技術を採用する「Enjin公式アダプター」と呼ばれるゲーム関連企業や開発会社はDvision Networkを含め計6社となっている。また、Tronをベースに開発されたゲームネットワーク「Tron Game Center」が、「Pandemic Multiverse」として、Enjinのエコシステムに移行することを発表している。
Enjinは、Microsoft、Samsung、エイベックス・テクノロジーズなどのパートナーを含め、55以上のプロジェクトとも連携しており、Enjin技術を採用する企業の数は拡大中だ。
Enjinの直近の動き
Enjinは直近で、Product Hunt、Microsoft、CoinMarketCap、SwissBorgなどのパートナーと協力してNFTに関連するキャンペーンやプロジェクトを実施している。
Enjinは、イーサリアムと互換性を持ち、環境に配慮したブロックチェーンであるJumpNetを4月にリリースしており、また2021年内のローンチに向け、パブリックチェーン「Efinity」の開発を行なっている。
今年中のEfinityローンチに向け、Uniqly、Dvision、Unbound Finance、DropsなどのEnjinパートナー企業はEfinityの統合予定を発表している。
関連:Enjin、業界イニシアチブ参加で「脱炭素化」に向けて取り組み