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米大手銀行BofA、エルサルバドルのビットコイン採用がもたらすメリットを説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

エルサルバドルに対するバンク・オブ・アメリカの見解

世界有数の金融機関である米バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、ビットコインの法定通貨採用が、エルサルバドルに様々な恩恵をもたらすと評価しているようだ。

エルサルバドル共和国のブケレ大統領は、同国経済に関するBofAの分析をツイッターで公開した。その中でBofAは、ビットコインの法定通貨化により「送金、金融のデジタル化、米国企業とのビジネス」に関するチャンスが見込まれると説明している。

エルサルバドルによるビットコイン採用については、これまで、ほとんどの国際機関が難色を示している。世界銀行は導入支援を拒否、国際通貨基金(IMF)と国際決済銀行(BIS)は懸念を表明した。また、米投資銀行JPモルガンは、債務が急増している同国とIMFとの関係性を危うくする恐れがあると分析している。

関連:世界銀行、エルサルバドルのビットコイン法導入に向けた技術支援を拒否

ビットコイン導入の恩恵は

BofAはエルサルバドル独自の金融事情が、ビットコイン導入のメリットを高めるとみているようだ。

まず、エルサルバドルには、GDPの24%という非常に大きな部分が、海外在住者からの家族への仕送りで占められるという背景がある。BISは海外からの銀行経由の送金の平均コストはは10%超と試算しており、少なくともGDPの2.4%相当が、送金手数料に消えていることになる。

ビットコインを国際送金に利用することで、このような手数料を削減できる可能性があるとBofAは指摘。送金者が現地通貨をビットコインに交換し、受取人が国内でビットコインをドルに戻すという作業を想定している。その際、懸念となるビットコインのボラティリティだが、送金サイドと受金サイドで法定通貨とビットコインの取引が自動的に行われることで、問題に対処できるとBofAは説明している。

実際、エルサルバドルのビットコイン導入を支援しているデジタルウォレット企業Strikeは、セカンドレイヤー技術のライトニングネットワーク利用により、ビットコインと法定通貨の即時決済を可能にしている。

ライトニングネットワークとは

ライトニングネットワークとは、ビットコインのトランザクション処理能力を解消するため、レイヤー2を利用したオフチェーン技術のこと

▶️仮想通貨用語集

なお、エルサルバドルは2001年に米ドルを法廷通貨と定め、現在は事実上ドルに一本化された金融体制となっている。(自国通貨エルサルバドル・コロンは現在流通停止)

金融の民主化

また、エルサルバドルでは成人人口の70%が銀行口座を所有しておらず、現金が決済の主体となっている。ビットコインによる電子決済が普及することで、これらの層の金融包摂にもつながると考えられている。さらに金融のデジタル化が促進されることにもつながるだろう。

消費者の選択肢とビジネスチャンス

BofAは、ビットコイン導入により、消費者の選択肢が広がるとともに、イノベーションを受け入れることで、米国企業とのビジネスチャンスも増えるだろうと予測している。

エルサルバドルのビットコイン法で、支払い手段としてビットコインの受け入れを義務化するという条項が批判されているが、BofAは企業が適切な技術インフラを持っている場合には、ビットコインの受け入れに強圧的な法的拘束力が生じるとは捉えていないと述べている。

海外からの投資

さらに、BofAはビットコイン関連で海外からエルサルバドルへの投資の流れが生まれる可能性を指摘した。

例えば、地熱エネルギーを利用したマイニングで注目されたアイスランドのように、火山活動が活発なエルサルバドルでも、クリーンエネルギーを利用したマイニング産業が誕生する可能性もある。

ブケレ大統領はすでに、国営の地熱発電会社LaGeo社に対し、マイニング施設に電力供給する計画を立てるよう指示したという。その後も、地熱発電マイニング施設建設の設計を開始すると発言するなど、政府の迅速な対応が注目を集めている。

関連:火山熱をビットコイン採掘に活用 エルサルバドル政府が事業支援へ

また、仮想通貨企業の同国への誘致を奨励するための活動も活発に行っており、企業を設立する海外起業家には即時に永住権を付与するという。

関連:エルサルバドルの「ビットコインビーチ」で商談、海外経営者など30人招致へ

国民にビットコインを無料配布

エルサルバドルでビットコインが正式に法定通貨として利用開始されるのは9月7日だ。ビットコインの利用はあくまでも任意であり、これまで通り、米ドルも法定通貨であることには変わりはない。

一方、ブケレ大統領は国民によるビットコイン利用を促進するため、全国民に一人当たり30ドル相当のビットコインを配布すると発表。ビットコインを受け取るために無償の仮想通貨ウォレット「Chivo」を提供する。また、国内には1,500台のビットコインATMを設置するとのことだ。

エルサルバドルではビットコインは法定通貨となるため、キャピタルゲイン税は課せられない。

関連:エルサルバドル、全国民に30ドル相当のビットコインを無料配布へ

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