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FATF、仮想通貨業界を含めた対日相互審査の結果を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨業界を含めた相互審査

金融活動作業部会(FATF)は30日、暗号資産(仮想通貨)領域を含めた第4次対日相互審査報告書を公表した。

日本に対する総合的な評価は実質的な不合格だった。FATFは、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)について、仮想通貨を含めたリスクの高い分野に対処しようとしていると評価したが、日本の政策と戦略は、AMLやCFTの活動に特化したものではないなどと説明し、全体的にまだ改善の余地があると指摘している。

FATFは、AML・CFTの国際基準(FATF勧告)を策定し、その履行状況について相互審査を行う組織。審査は仮想通貨に特化したものではなく、対象国全体のAML・CFTを評価するものだ。仮想通貨業界では「トラベル・ルール」を提唱した組織としてよく知られている。

トラベル・ルールとは

仮想通貨取引について、サービスプロバイダー(VASP)に送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することを求めるルール。対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

▶️仮想通貨用語集

日本が前回、FATFの第3次対日相互審査を受けたのは2008年。その時は、銀行を含む金融機関全体のAML・CFTで、49項目中25項目で要改善という評価を受けるなど、他の国と比較しても厳しい結果だった。仮想通貨は今回、初めて正式に審査対象となっている。

関連:FATF、対日審査スケジュールが10月28日~11月15日正式決定|仮想通貨市場にも大きな影響

今回の審査

今回の第4次対日相互審査は、2019年秋に開始。FATFのレポートは「2021年8月版」と記載されており、その内容が昨日公表された。

上述した内容以外では、日本は仮想通貨交換業者に対し、対象を絞って適時な法令を定め、監督対応を実行して、不備のある交換業者に対して迅速かつ強固な対応をしてきたことは認めた。しかし、マネロン・テロ資金供与リスクに基づく監督上の措置は改善する必要があるとしている。

仮想通貨交換業者については、取引に関連する犯罪リスクについて一般的な知識を持ち、基本的なAML・CFTに関する義務を遂行していると評価。疑わしい取引の届出の実績も良いと指摘している。

しかし、仮想通貨に限らず日本を全体的に見て、疑わしい取引の届出は、基本的な類型や参考事例を参照して提出されている傾向があるとの見方を示した。

今後取り組むべき具体的な優先課題としてFATFは、継続的な顧客管理、取引のモニタリング、資産凍結措置の実施などを挙げている。継続的な顧客管理とは、アカウントや口座の開設時に本人確認を行なった後、本当に本人が使い続けているか等を継続的にチェックすることを指す。

今回の審査報告を受け、財務省は大臣の談話を発表。「FATFには、日本は国際協力などで良い結果を示しており、対策の成果が上がっていると評価された。しかし同時に、金融機関等に対する監督や、マネロン・テロ資金供与に係る捜査・訴追などに優先的に取り組むべきだと指摘されている」と述べ、今後について以下のように説明した。

 

報告書の公表をきかっけにして、政府一体となって強力に対策を進める。

 

警察庁・財務省を共同議長とする「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議」を設置し、今後3年間の行動計画を策定した。これから行動計画を踏まえ、取り組みの進捗状況を定期的にフォローアップしていく。

他国の評価

今回の評価で日本は、実質的に不合格とされる「重点フォローアップ国」と判断された。より評価の低い「観察対象国」の評価は免れたが、今後5年間で改善状況をFATFに3回報告する必要がある。

現時点で「重点フォローアップ国」の評価を受けたのは米国や中国、韓国、スイスなど19カ国で、実質的に合格とされる「通常フォローアップ国」は英国、イタリア、スペイン、ロシアなど8カ国。そして、アイスランドとトルコが「観察対象国」だという。

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