はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

IMF、ステーブルコインが金融安定性にもたらすリスクを分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインなどが抱えるリスクを説明

国際通貨基金(IMF)は、2021年10月度の「グローバル金融安定性レポート」を発表。その中でステーブルコインを含む暗号資産(仮想通貨)が金融システムに与えうるリスクについて論じた。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

IMFは「仮想通貨のエコシステムは急速な成長を続けており」新たな機会と課題の両方をもたらしていると捉えた。その上で「ほとんどの国で運用・規制の枠組みが不十分であることから、リスクを注意深く監視する必要がある」と続けている。

ステーブルコイン準備資産の問題

ステーブルコインについては特に、情報開示が不足していることを問題視しており、具体的にはUSDT(テザー)を発行するテザー社の状況にも言及した。

テザー社は、少額の手数料で米ドルと即時の1対1の交換を可能にしている。しかし、「その準備金のうち現金や財務省証券などの安全資産に裏付けられているのは3分の1に過ぎず」コマーシャルペーパー(企業が無担保で発行する短期の約束手形)に投資されている割合が多いことを指摘した。

関連テザー社「USDTの裏付け資産に中国恒大集団のコマーシャルペーパーは含まれていない」

関連米Centre、ステーブルコインUSDCの裏付け資産を現金と米短期国債のみに変更へ

このように、準備資産が万全ではない状況で、何かのきっかけによりステーブルコインの裏付けとなる資産が大量売却された場合には、大手銀行などにも影響を及ぼすリスクがあるという。また、世界的な仮想通貨取引所を通して、ある国での投資家の暴走が国境を越えて波及する可能性や、準備資産となっているコマーシャルペーパーが大幅に売られて暴落する懸念にも触れている。

IMFは「こうしたリスクは現在はテザーに限られるものかもしれないが、将来的には他のステーブルコインでも発生する可能性がある」としている。

関連テザー社、ブルームバーグの「数千億円ローン」調査に反論

発展途上国と仮想通貨

また、IMFは新興国で仮想通貨が普及するリスクも論じた。

発展途上国では、自国の法定通貨が不安定であることや、決済システムが不便であることから、人々が仮想通貨に注目している場合も多い。しかしIMFによると、米ドルと結び付いたステーブルコインの普及によりドル化が加速した場合、既存の為替規制などの効果が薄れることがあるという。

また、こうした国のユーザーによる仮想通貨取引量の増加により、同国の資本の流れが不安定になるリスクも存在。そこで、このようなリスクに直面している国は、経済政策を強化するために、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行するメリットも検討すべきだと主張している。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。CBDCとは「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

その他一般的なリスク

その他にも、IMFは仮想通貨セクターの一般的なリスクを挙げた。

例えば「エコシステムの急速な成長に伴い、新たな事業が参入してきたが、その中には運営面やサイバーリスク管理、ガバナンスの枠組みが不十分なものもある」とした。

さらに、仮想通貨取引所のシステム障害による一時的な取引停止や、取引所プラットフォームへのハッキング攻撃、詐欺、トークンの発行に関する透明性の低さなども列挙している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/16 火曜日
11:36
FOMC控え様子見基調の仮想通貨相場、デリバティブ市場は強気傾向
明日のFOMC会合を控え、市場の95.9%が25bp利下げを織り込む中、ビットコインは115,206ドルで小幅上昇。デリバティブ市場ではコール優勢の展開が続き、ETF流入も好調。利下げサイクル開始への期待が暗号資産(仮想通貨)市場の追い風となるか注目が集まる。
10:56
ロビンフッドが非上場企業投資ファンド「RVI」を計画 個人投資家の参加機会拡大へ
仮想通貨・株式取引のロビンフッドが米国で未上場企業への投資機会を個人投資家に提供するファンドの設立を計画している。SECに登録届出書を提出し、NYSE上場を目指している。
10:30
クレディセゾンのベンチャー部門、70億円超のWeb3ファンドをローンチ
クレディセゾンのベンチャー部門は、ブロックチェーンのスタートアップ対象のファンドOnigiri Capitalのローンチを発表した。トークン化RWAのソリューションを開発する企業に投資する。
10:12
コインベース支援のL2「Base」、独自トークンの発行検討を開始
仮想通貨取引所コインベース支援のL2「Base」は、ネットワークトークンの発行検討を開始。これまではガス代にイーサリアムを使用し、独自トークンの発行予定はないとしてきた。
09/15 月曜日
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのBTC年内20万ドル到達予測やDOGEのETF上場計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週FOMCの焦点は? テクニカル的な買いがビットコイン相場を押し上げる可能性|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による今週のビットコイン週次レポート。米雇用統計の大幅下振れとインフレ鈍化を受けFRB利下げ期待が高まり、BTC円は8月23日ぶりに1700万円を回復した。来週のFOMCでは年内3回の利下げ織り込みと政策金利見通し下方修正が焦点。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|新経連の仮想通貨税制改正提言に高い関心
今週は、トークン化されたポケモンカードのブーム、ナスダックのトークン化株式の取引承認申請、一般社団法人新経済連盟の仮想通貨税制改正提言に関する記事が最も関心を集めた。
09/13 土曜日
15:00
日本のRWAトークン化の最前線、市場の特徴や展望は?|WebX2025
日本のRWAトークン化市場についてWebXでディスカッションが行われた。最前線にいるプレイヤーを招き、市場の特徴や展望、制度上の課題などについて話してもらった。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年9月最新】
2025年9月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧