焼き肉店でHT決済
国内暗号資産(仮想通貨)取引所フォビジャパンは15日、独自仮想通貨フォビトークン(HT)の実需決済を開始したことを発表した。
東京・六本木の焼き肉店において、期間限定でHTでの決済を行うことができるようになったという。
実需決済開始の経緯
フォビジャパンは、仮想通貨での実需決済サービスの提供を期間限定で行うことにより、決済業務の効率化および迅速化の検証を行うとした。
HTの実需決済開始の経緯については以下のように説明している。
暗号資産の魅力の1つでもある価格変動が、指定されている法定通貨との交換の障壁になっておりました。
そこで今回、価格変動に応じてサービスを一部変更することにより、試験的に実需決済を導入することにいたしました。
決済には、フォビジャパンのグループ会社Huobi Global Limitedによって発行された、Ethereumブロックチェーン上の分散型独自暗号資産HTを用いて、価格変動に応じたサービスの提供を行います。
実需決済サービスの内容は、HTの保有者が六本木に店舗を展開している「六本木焼肉MASU」で、対象コースをHTで支払うことができるというもの。当日のHTの価格によって対象コースの内容が決まり、客に提供される。サービス期間は10月4日(月)~10月31日(日)。
今回の試験的な導入により得られた知見や課題をいかし、飲食業界にかぎらず実店舗での仮想通貨の活用を広めていく活動を継続していく方針であるという。
フォビトークン(HT)とは
HTは、フォビジャパンのグループ会社 Huobi Global Limitedがイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で発行する、「ERC-20」規格の独自仮想通貨。国内仮想通貨取引所ではフォビジャパンでのみ取り扱われている。
HTは主に、Huobi運営の取引所および後述のHecoチェーンで、以下のような用途で使用されている。
- 取引手数料割引:取引所での取引手数料をHTで支払うことにより、HT保有量等に応じて取引手数料が割引される。
- Huobi Globalのイベント参加資格:「Huobi Prime」や「Huobi FastTrack」と呼ばれるHTを利用した仮想通貨銘柄の新規上場投票に参加できる。
- ガバナンス投票:Huobi Globalに提出されたHTの運用についての意見を、HT保有者の投票により決定することができる。
- HTを使った仮想通貨関連サービス:HTをロックアップし独自トークンHPTを受け取れるサービスなどがある。
- アプリケーションでの利用:旅行サイト「Travela.com」などでの決済利用が可能。
- NPOへの寄付:Project HOPEという人道支援団体にHTで寄付できる。
- 仮想通貨や法定通貨の借り入れ:HTは担保として法定通貨の借り入れができるサービスがある。
関連:国外におけるフォビトークン(HT)ユースケース解説|フォビジャパン寄稿