はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米FRB理事、規制当局のステーブルコイン規制案に異議

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコイン規制案の一部に反論

米連邦準備制度理事会(FRB)のクリストファー・ウォーラー理事は17日、オハイオ州の金融政策カンファレンスで講演を行い、米財務省が主導したステーブルコイン規制案の一部に異議を唱えた。

関連初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

ステーブルコインとは

ビットコイン(BTC)などの一般的な銘柄と違って、価値が常に安定している(=stable)仮想通貨を指す。米ドルと1:1の価値になるように運用されるものなど、複数の種類のステーブルコインがある。

▶️仮想通貨用語集

ウォーラー氏は、財務省が主導する金融規制当局のグループ「President’s Working Group(以下、PWG)」が最近発表した、ステーブルコインに関する報告書の中心となる考え方を説明、その主張の一部に反論している。

「発行者を銀行に限定すべきではない」

PWGは、決済システムの障害や、大規模事業者による独占など、ステーブルコインの様々なリスクを挙げていた。

さらに、そうしたリスクを抑えて、ステーブルコインを有効活用するための方法として、決済に用いられるステーブルコインの発行を、従来型銀行など、保険に加入している預託機関に限定することを提案している。ウォレット・プロバイダーやその他のノンバンクの仲介者には、厳しい制限を課すという考え方だ。

ウォーラー理事は、発行者を銀行に限定すると競争が減り、結果的に決済の効率が悪くなるとして、PWGに異議を唱えている。ウォーラー理事は、次のように述べた。

私は、銀行だけがステーブルコインの発行を行うことができる、あるいは行うべきであるという考え方には同意しない。慣れ親しんだ古い仕組みの中に、新しい商品を押し込むことに魅力を感じるのは理解できる。

しかし、そのようなアプローチや考え方では、ステーブルコイン導入の重要な利点を失うことになる。すなわち、ステーブルコインは、決済プロバイダーという側面で、従来の銀行に対する有効な競争相手として働くが、その利点がなくなってしまうのだ。

「イノベーションには公平な競争の場が必要」

ウォーラー理事は、FRBはこれまでにも「民間部門のイノベーションにより、活気に満ちた多様な決済システムが誕生し得ることを認識してきた」が、「そうしたイノベーションは銀行セクター以外の商業的な文脈から生まれることもある」と続けた。「イノベーションが生まれた場合、明確かつ公平な場で競争する機会を与えるべき」だとしている。

ウォーラー理事によると、決済用ステーブルコインの規制・監督の枠組みは必要だが、それは、ステーブルコインのリスクに直接的に対処するものでなければならないという。

例えば、ステーブルコインの準備資産が適切に維持されていることを保証するための措置など、その機能にセーフガードを設けることが求められるが、一方で完全な銀行規則を課すことは不適当だと主張する格好だ。銀行規則は決済だけでなく融資活動なども念頭に置いている。

 

ウォーラー理事は、もしステーブルコインに関わる企業が、顧客に融資を行っておらず、そのトークンを非常に安全な資産でのみ担保しており、ステーブルコインの仕組み全体について監督を受けているならば、そうしたことで十分システムが保証されると論じた。

ステーブルコインの時価総額は過去一年で5倍に増加しており、2021年10月時点で全ステーブルコインの時価総額は約14.3兆円に到達した。それにともなって議論も活発になっている。ウォーラー理事が反論したPWGのレポートは、1日に発表されたものだ。

関連米バイデン政権、ステーブルコインの政策提言レポートを公開

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/17 木曜日
16:03
アークインベストのキャシー・ウッドCEO、トランプ関税を「ショック療法」と評価
アークインベストのキャシー・ウッドCEOがトランプ関税政策を"ショック療法"と評価。アート・ラッファー博士の最新論文に言及し、一見逆進的な増税が自由貿易への道筋となる可能性を示唆した。
15:39
カルビー、ブロックチェーン活用のIP管理「かるれっと」でWeb3展開を加速
カルビーがブロックチェーン技術を活用したIP管理プラットフォーム「かるれっと」を発表。DIDと生体認証を組み合わせた認証システムで契約の透明性を確保し、クリエイターとの協業を促進。過去2年間のNFTキャンペーンやWeb3ゲームとのコラボ経験を活かした新戦略で、食品メーカーによるWeb3活用の先進事例として注目される。
13:50
米SECの第三回円卓会議、仮想通貨カストディがテーマに 25日開催予定
米SECが仮想通貨カストディをテーマとした第三回円卓会議を4月25日に開催。Kraken、Fidelity Digital Asset Services、Fireblocksなどが参加し規制枠組みを議論。パース委員は「仮想通貨規制で最も困難な課題」と位置付け。
13:05
仮想通貨リスク(LSK)、Web3企業Binary Holdingsと提携 東南アジアでdApps普及へ
仮想通貨Lisk(リスク)が東南アジアのWeb3企業Binary Holdingsと提携。通信事業者経由で分散型アプリを大規模ユーザー層に向けて提供予定だ。
11:52
様子見基調のビットコイン、市場シェアは右肩上がりで2021年来の高水準
CoinGeckoの四半期レポートでは暗号資産(仮想通貨)市場の総時価総額が18.6%減の2.8兆ドルに縮小し、ビットコインドミナンスが59.1%に上昇した。イーサリアムは市場占有率が3.9%ポイント減の7.9%まで下落。マクロ経済と仮想通貨市場の最新動向を解説。
11:25
ビットコイン、回復力向上でイーサリアムをアウトパフォーム|Wintermuteレポート分析
仮想通貨マーケットメーカーWintermuteは、ビットコインは市場下落局面で回復力を示していると指摘した。好材料がなければイーサリアムをアウトパフォームし続けると述べている。
10:45
バイナンス第二回上場廃止投票、FTTが最多票 JASMYやZECも上位に
仮想通貨取引所バイナンスが第二回上場廃止投票結果を発表した。FTTが11.1%で最多票を獲得し、ZEC、JASMY(共に8.6%)、GPS(8.2%)、PDA(7.6%)が上位に。
10:22
パナマシティ、ビットコインやイーサリアムによる公共料金支払い方法を導入へ
中米パナマの市議会が仮想通貨による公共サービス料金の支払いを可決。税金、罰金、許可証発行料などがビットコイン、イーサリアム、USDC、USDTで支払い可能に。
10:10
米SECゲンスラー前委員長「BTCなどの仮想通貨は長期的に生き残る可能性」
米SECのゲーリー・ゲンスラー前委員長は、仮想通貨は投資資産として選別が進むとの見方を示した。ビットコインなど一部の銘柄は長期にわたって生き残る可能性があると主張している。
09:20
米VanEck、仮想通貨エコノミーに投資する新ETF『NODE』を5月上場へ
大手運用会社VanEckが新ETF『NODE』を発表した。仮想通貨取引所、マイナー、データセンターなどデジタル資産エコノミー関連企業30〜60銘柄に投資。
08:10
コインベース「仮想通貨は弱気相場入りの可能性」
コインベースのアナリストはレポートを公開し、仮想通貨は弱気相場入りした可能性があるとの見方を示した。見方の根拠を説明し、今後の市況も分析している。
08:00
ビットコイン下落、利下げ慎重発言と半導体市況悪化で売り加速|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは17日、パウエル米連邦準備制度理事会議長が早期の利下げに慎重な姿勢を示したことを受けて下落した。
06:59
金価格3300ドル突破、ビットコインの強気と弱気相場の分岐点は? Glassnodeの市場展望
不確実な世界経済環境の中、金は3300ドルの史上最高値を記録し、ビットコインは調整後も8万ドル台を維持。投資家動向と今後の市場展望をGlassnodeが分析。
06:25
中国、押収仮想通貨の処分ルール整備へ 報道
中国で押収された仮想通貨の処分方法をめぐり規制整備の議論が活発化。地方政府による民間企業を通じた換金が横行する中、犯罪資金は前年比10倍急増している。
05:55
和解に向けて最終調整へ 裁判所がSECとリップルの控訴審理を一時停止
米控訴裁判所が仮想通貨XRPをめぐるSECとリップルの訴訟控訴を一時停止。両者の原則合意を受け、最終和解に向けた調整が進行中。6月9日までにSECが進捗報告書を提出予定である。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧