CoinPostで今最も読まれています

DeFi(分散型金融)の詐欺や盗難損失額、2021年は1兆円規模に Ellipticレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2021年はこれまでに1兆円の損失

暗号資産(仮想通貨)データ分析企業Ellipticは18日、DeFi(分散型金融)の状況についてレポートを発表。DeFiへの資本流入が加速する中、盗難や詐欺によりユーザーが損失を被ることも増えており、2021年にはこれまで105億ドル(約1兆円)の損失が記録されていると報告した。

レポートによると、DeFiに預けられた資産総額は、過去1年間で17倍以上増加し、2,470億ドル(約28兆円)に達した。これに伴い、2020年には15億ドル(約1,700億円)だった損失額も、今年はすでにその7倍程度になっているという。Ellipticは次のように説明した。

DeFiの強みであるオープン性と革新性は、同時に新たなリスクももたらしている。基盤となる技術が、まだ比較的未成熟であることから、ハッカーがユーザーの資金を盗める場合がある。また、DeFiの流動性プールは、犯罪者が犯罪収益の資金洗浄を行うことを可能にしている。

DeFiとは

ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。

▶️仮想通貨用語集

Ellipticは、盗難による損失を二種類に分けた。まず、資産が盗まれたことでユーザーが被る直接的な損失だ。さらに、盗難が行われたことで、その資産の市場価値が下がることによってプロトコルが間接的に被る損失がある。

2020年からの二年間で、20億ドルの直接的な損失と、100億ドルの間接的な損失、あわせて120億ドル(約1.4兆円)が失われた。なお、直接的損失のうち7億2,100万ドル(約820億円)は、その後取り戻されたという。

上図を見ると、2021年に入ってから急激に流出額が増加していることが分かる。

コードやサービス設計のエラーを悪用

イーサリアム(ETH)がDeFiを構成する主流のブロックチェーンであるため、損失額の大部分を占める86億ドル(約9,800億円)がイーサリアムチェーンを利用したDappsで失われた。バイナンススマートチェーン(BSC)での損失額25億ドル(約2,900億円)がこれに続く。

また、不正流出の種類を見ると、DeFiプログラムのコードエラーなどを悪用したものが55億ドル(約6,300億円)、サービスの抜け穴を悪用したものが53億ドル(約6,000億円)であり、両方で大半を占めた。

後者は、サービス・システムの設計エラーを不正に使用するもので、特に無担保融資「フラッシュローン」の脆弱性を突いた攻撃が挙げられている。

昨年10月には、こうした攻撃により、イールドファーミングプロトコル「Harvest Finance」の流動性プールから25億円相当の仮想通貨が不正流出した事例があった。

関連DeFiプロトコルHarvest Finance、2400万ドル相当が不正流出

DeFiのタイプ別では、仮想通貨を貸し借りできるレンディングプロトコルからの流出が最も多く、34%を占めている。以降、分散型取引所(DEX)とその他がそれぞれ約17%、資産管理が16%と続いた。

Ellipticは、DEXや分散型ミキサー、クロスチェーンブリッジなどのDeFiが提供するサービスが、マネーロンダリングにも使用されていると指摘。DeFiに適合した顧客身元確認ルール(KYC)、マネロン対策(AML)、取引監視の手続きなどが必要であるとも述べている。

コメントしてBTCを貰おう
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/20 月曜日
20:00
バイナンス、Arbitrum(ARB)上場予定
仮想通貨取引所大手バイナンスは、イーサリアム(ETH)のL2「Arbitrum(アービトラム・ARB)」の新規上場予定を決定した。
14:47
DeFi情報サイト「DefiLlama」で内紛か プラットフォーム分岐へ
DeFi分析プラットフォーム「DefiLlama」の開発者は、新たに別のプラットフォームを立ち上げると発表した。トークン発行などをめぐり、同社の中で争いが起きている模様だ。
14:43
元コインベースCTOが米ドルのハイパーインフレに警鐘、ビットコイン100万ドル到達に賭ける
米大手仮想通貨取引所コインベースの元最高技術責任者のBalaji Srinvasan氏は、米国でハイパーインフレが起こる可能性を警告し、ビットコインが今後3ヶ月で1億3000万円に達するという信じ難い賭けを提示した。
12:47
ビットコイン一時28000ドル台に、世界的な金融不安受けゴールドも高騰
スイス投資銀大手UBSによるクレディ・スイスの巨額買収合意が伝わり、暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが28000ドル台前半まで続伸した。世界的な金融不安を受け、金(ゴールド)価格も高騰している。
10:20
スイス投資銀大手UBS、4200億円でクレディ・スイスの買収合意へ
投資銀行大手UBSは、クレディ・スイスを約4,300億円で買収することに合意したと発表した。また、米国の仮想通貨企業は新たな銀行パートナーとしてスイスの金融機関に接触していると伝えられる。
09:00
「GM Radio」 次回はデータの資産化を目指す「Ocean Protocol」が参加
グローバル版CoinPostによる第14回GM Radioは、3月22日の21:00からツイッタースペースで配信予定。ゲストにデータの資産化を目指すOcean Protocolを招待する。
03/19 日曜日
11:30
米銀救済でビットコイン反転上昇、インフレ高止まりには不透明感も
国内大手取引所bitbankのアナリストが、米大手シリコンバレー銀行破綻の金融危機懸念から反転上昇した今週のビットコインチャートを図解し今後の展望を読み解く。ビットコイン・オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米欧の金融不安に注目集まる
今週は、クレディ・スイスの経営不安に関するニュースが最も多く読まれた。このほか、OpenAIがGPT-4をリリースして仮想通貨のAI関連銘柄が全面高になったことなど、一週間分の情報をお届けする。
03/18 土曜日
13:55
ビットコイン・レイヤー2「Stacks」、年初来で約6倍に高騰
ビットコインにスマートコントラクトレイヤーを提供する「Stacks」の資産価格が急騰している。23年にビットコインのユースケースが見直される中、DeFiのプラットフォームとして利用されるStacksも注目を集めている。
13:00
中国大手建設機械XCMG、メタバースに進出 BAYCのNFTを活用へ
中国の大手建設機械グループXCMGはメタバースやWeb3の分野に進出することを発表。BAYCのNFTを活用し、独自のNFTコレクションもリリースする計画だ。
12:00
BlockSec、NFTレンディングParaspaceから2,900 ETHの盗難を阻止
セキュリティ企業BlockSecは、NFTレンディング「Paraspace」へのハッキングを先回りすることで、2,900 ETH(6.59億円)が悪意のあるアクターに渡る事態を防いだことを発表した。
11:15
スクエニ・「シンビオジェネシス」、「トレジャーハンティング」開催
スクウェア・エニックスは同社初となるNFTコレクティブルアートプロジェクト「SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)」の公式サイトを公開した。公式サイトの地図上で「メンバーカード」を探す「トレジャーハンティングキャンペーン」を期間限定で開催する。
10:20
SVBグループ、破産申請 真相究明のため公聴会開催へ
シリコンバレー銀行の親会社は破産申請を行った。当局の監督下で事業再建手続きを行っていく予定だ。SVBとシグネチャー銀行破綻をめぐる公聴会は3月29日に開催される。
09:20
米国株反落、ドル安に ビットコイン27,000ドル台に復帰
今日のビットコインや金は上昇。ニューヨークダウは大幅反落し−384ドルで取引を終えた。投資家心理が再び悪化し金融株主導で反落した格好だ。
07:40
コインベース、米国外にも仮想通貨の取引拠点を創設か
仮想通貨取引所コインベースは、米国外に取引拠点を創設することを検討していることがわかった。米国の規制が背景にあるとみられる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア