仮想通貨市況
14-15日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、米連邦準備理事会(FRB)はテーパリング(量的緩和縮小)について、2022年末までに0.25%ポイントずつ3回の利上げする方針を示した。
利上げの目的は、主にインフレーションを抑制することにある。金融政策の早期正常化を目指し、中央銀行は米国債など資産買い入れの漸減ペースを速めることになる。
経済回復による需要急増と経済下支えのため米ドルを大量増刷の結果、11月の米国のインフレ率(米消費者物価指数)は、過去最高の前年比+6.8%に達した。これは1982年6月以来、約40年ぶりの水準だ。
一方で、景気動向に直結する新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて「米経済の回復ペース次第」と含みを持たせた。パウエル議長は、新型コロナウイルスの変異種「オミクロン型」の感染拡大をめぐる不確実性にも言及した。
米ニューヨーク株式市場では、ダウ平均が3営業日ぶりに反発。前日比383ドル(1.1%)高となった。
FOMCへの警戒感から下落基調にあった金融市場であったが、今回のテーパリング加速(金融引き締め)方針は想定の範囲内としてすでに織り込んでおり、FOMC通過の安心感が優ったと言える。
ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)市場もこれに追従。BTC価格は、前日比+2.6%の560万円(49,030ドル)まで反発した。
今後の展望
Crypto ₿ULL God(@CryptoBullGod)氏は、今年9月のプライスアクションに類似していると指摘。相場のアク抜けと共に、この後の反転を見込む。
一方、Bluntz(@SmartContracter)氏は、当面の下落トレンド継続を予想。今年6月の底値である約3万ドルを割り込むおそれもあるとした。ただし中・長期視点では、最高値更新を展望する。
なお、市場心理を示すCrypto Fear & Greed Indexは、前週から引き続き「恐怖(悲観)」水準の29前後を推移している。強気トレンドの最中にあった1ヶ月前は、貪欲(楽観)を示す71だった。
アーケーン・リサーチ(Arcane Research)の週次レポートによれば、BTCの週間平均取引量は、ここ最近大幅に減少している。
FOMCへの警戒感のほか、2021年は相場高騰が続いた年であったことから利益確定(納税分確保)による手仕舞い売りが先行した可能性が考えられる。休場となる株式市場を筆頭に年末年始は例年薄商いとなりやすく、12月末に向け出来高が萎む傾向にある。
アルトコイン市場
ビットコイン(BTC)反発に伴い、主要アルトも買われた。
Coinmarketcap(CMC)時価総額5位のソラナ(SOL)が前日比10.8%となったほか、同10位のアバランチ(AVAX)が前日比17%となり、前週比でも上位銘柄の平均騰落率を大きくアウトパフォームした。
ソラナ(SOL)については15日、米大手仮想通貨投資企業Galaxy Digitalが投資信託ローンチを発表した。
16日には、バスケの神様と呼ばれる「マイケル・ジョーダン」氏が、ソラナ基盤のソーシャルプラットフォームのローンチ計画が明かし、市場に好感された。
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アバランチ(AVAX)に関しては、ステーブルコインUSDCが、アバランチでローンチされた(利用可能になった)ことなどが材料視されたものとみられる。USDC発行に携わるサークル社は、「USDCへの対応により、アバランチのDeFi(分散型金融)エコシステムの強化につながる」ことに言及している。
❄️ Just in time for the winter holidays, Avalanche USDC has arrived! Starting today, businesses and users can now transact native #USDC near-instantly across @avalancheavax's fast, low-cost, and eco-friendly blockchain.https://t.co/GL6hcWG5vt
— Circle (@circlepay) December 14, 2021
AVAXのDeFiプロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は、前年比30倍以上の成長を遂げた。1億8000万ドル規模の流動性マイニングインセンティブプログラム「AvalancheRush」を導入したほか、11月には四大会計事務所のDeloitteが、災害復旧用のプラットフォームの開発に、アバランチブロックチェーンを活用することが分かった。
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