Web3の進化の先にメタバースがある
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは17日、ブログでメタバースに対するビジョンと同社の取り組みを発表。同氏は、現在はメタバースの基盤作りの時期にあたるとして、コインベースはユーザー自身によるアイデンティティ管理を支援することで、メタバースへのアクセスに貢献する予定だと述べた。
アームストロング氏は、メタバースに関する社内プレゼンを引用して、メタバースを以下のように定義している。
インターネットの未来。大規模で持続的であり、双方向性の相互運用可能なリアルタイムのプラットフォーム。人々が交流し、働き、取引し、遊び、創造することが可能な、相互接続された複数の仮想世界から構成されている。
メタバースは「オープンで分散化された環境下のデジタル所有権」を特徴とするWeb3の「遠い進化形」であると、アームストロング氏は述べている。最終的には、現実世界と同様のことがほとんど実現可能になると主張。単なるWeb3ではなく、ゲームやバーチャルリアリティでもなく、多くのメタバースが存在し相互に接続されることになると予想している。
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メタバースに欠かせないものとは
アームストロング氏は、メタバースで重要となるのは、仲介者を介さずに個々人が直接交流できること(=トラストレス)、また管理者や運営組織の承認を必要とせずに誰でも参加できること(=パーミッションレス)だと指摘した。
そのような特徴を持つメタバースを支えるためには、(1)複数の仮想空間にまたがりアイデンティティ(身分証明書)と所有権を転送するブロックチェーン、(2)その検証を行う認証方法、そして(3)分散型経済圏で人々が売買したり収入を得るのを可能にすることが必要になると解説している。
メタバースにおけるIDとコインベースの役割
アームストロング氏はメタバースで個人のアイデンティティを確立させる要素を五つ挙げている。
- 簡単なログイン方法
- ユーザー固有のID
- ユーザーのアバター
- ユーザー関連のメタデータ
- ユーザーの身元証明の認証
コインベースは、これらの要素を統合してメタバースへの基本的なアクセス構築を支援したいとのことだ。その取り組みの一例が、ウォレットと関連づけられた個別のユーザー名のNFTを作成することだが、イーサリアム・ネーム・サービス(ENS)との提携で可能になったと報告。最終的には異なるメタバース間でも同じIDを使うことができるようになるという。
ENS(Ethereum Name Service)とは
ENSは、より覚えやすく簡単な文字列を仮想通貨のアドレスとして利用できるようにするためのサービス。インターネットにおけるDNS(ドメインネームシステム)と同様の役割を果たす。例えば「coinpost.eth」のようにすぐに識別できるアドレスの作成が可能。
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またコインベースはアバターの購入や公開プロフィールの設定と維持など、信頼を確立するための技術や、さらにメタバース内のアプリを利用するためのサインイン機能の開発にも取り組んでいるという。
コインベースの目標は、誰もが簡単にIDを確立し、シンプルで信頼でき、かつ分散化された方法で、メタバースにアクセスできるようにすることだと、アームストロング氏は総括した。
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