仮想通貨市況
週明け27日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比1.4%高の580万円(50,850ドル)で推移している。
下落トレンドラインの脱出に成功したことからローソク足推移は悪くないが、年末年始に向けたポジションの手仕舞いや薄商いの影響で上値が重くなるとの予測もある中、52,000〜53,000ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)を抜けられるかどうか。
新型コロナウイルスの変異種オミクロンが世界経済に及ぼす影響の不確実性を含め、様子見している投資家も少ないないものとみられ、税金確定売りなど新年リセットされた後の買い意欲が問われるところだ。
オンチェーンデータ分析
イーサリアムのオンチェーンデータに興味深い数値が表れている。まず、正味未実現利益/損失(NUPL)を確認すると、今年の最高値は21年1月に記録した「0.77」だった。市場の過熱がピークに達したことを示している。
Net Unrealized Profit/Loss:NUPLは、価格の推移と損失を抱えるトレーダー比率を比較する、未実現損益に関する指標。「降伏(赤色)」、「希望/恐怖(オレンジ)」、「楽観/不安(黄色)」、「信念/否定(緑)」、「過熱感(青)」に分類される。
過去の歴史に基づけば、閾値0.5を下回ると、強気相場から(中・長期)弱気相場に転換する兆候とみなされる。
しかし、今年の相場はそう一筋縄ではいかないようだ。0.5の閾値を2度に渡って下回るも、その後強気トレンドへと回帰した。
伝統金融市場を押し上げた金融緩和マネーをはじめ、イーサリアム経済圏を中心に発展したDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)の市場規模拡大などの影響が考えられる。
次にMVRVを確認したい。金融商品などの本質的価値を示す「フェアバリュー(公正価値,適正価格)」を試算するもの。MV(市場時価総額)を独自指標のRVで割ることで算出される。
資産にアクセスできる「秘密鍵」紛失などの影響で失われたビットコインが供給量の約15%を占めるとされるなか、時価総額を指標として用いることは適切ではないとの指摘がある。その点において、実際の流通数と価格を乗算することで導かれる「RV(実現時価総額)」を推す声もある。
直近のイーサリアム(ETH)は、1.9がサポートライン(下値支持線)として機能しており、21年12月現在はこれに近い水準にある。一時的に割り込むも直近で一回跳ね返していることから、トレンド継続を見越して押し目とみるか判断が分かれそうな局面だ。
アルトコイン市場の動向
テラ(LUNA)が過去最高値を更新。100ドルの節目を超えた。11月にトークンメカニズムの変更があり、DeFiアプリケーションのアクティビティ増加も寄与したものとみられる。
24日には、LUNAトークンを裏付け資産として発行する米ドルペッグのアルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」がバイナンスに上場した。Columbus 5の実装後は、シニョリッジ(通貨発行益)としてTerraUSD(UST)が鋳造される度にLUNAがバーン(焼却)される。
コスモスネットワークに対応する分散型決済ネットワークのテラは、ステーブルコインおよび合成資産の発行ができるブロックチェーンで、ネイティブトークンがLUNA。
仮想通貨インサイトプラットフォームのDeFiLlamaによると、テラのエコシステムにおける「Total Value Locked(TVL)」は、210億ドル規模に達し、バイナンススマートチェーンの172億ドル、ソラナの(124億ドル)、アバランチの(122億ドル)を上回った。ステーキングプロトコルのAnchorや分散型取引所(DEX)のTerraswapが牽引した。
ビットコインやアルトコインの多くが前月比マイナス圏に沈む中、大幅プラスとなったTOP20アルトは、テラ(LUNA)とポリゴン(MATIC)のみ。
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