IOHK、DeFi分野にも注力
暗号資産(仮想通貨)カルダノ(ADA)を開発するIOHKは21日、家族が会話するクリスマスシーズンを前にして改めてユーザーにプロジェクトの概要を説明した。
これから特に重点を置く項目としてDeFi(分散型金融)を挙げ、金融包摂を目指す「RealFi」というコンセプトについても説明した。
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— Input Output (@InputOutputHK) December 23, 2021
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IOHKは、銀行など中央管理機関が存在する従来型金融に対して、個人が意思決定できるDeFi(分散型金融)に言及、カルダノもその一部であるとした。「RealFi」というコンセプトを提唱している。
DeFi(分散型金融)とは
ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
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「RealFi」とは?
RealFiは、金融包摂を目指し、デジタルIDを用いて新たな信用の形式を生み出そうとするものだ。カルダノ創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は、次のように述べた。
RealFiの目的は、現実世界の人々すべてに現実的な金融サービスを提供することであり、それによってイノベーションを起こし、面白い試みを可能にすることだ。
公式ブログによると、特に新興国の人々の金融アクセスを支援することが念頭に置かれている。先進国では、ローンなど信用提供を行う際、借り手の行動(消費額や収入など)を把握することでリスクを軽減している。
しかし、新興国ではこうしたクレジット・スコアを算出するシステムが発展していないため、借り手に関するデータの不足から、銀行が与信や融資を拒否することも多いという。
IOHKは、これに対する解決策を提案。例えば公共料金や、携帯電話会社への支払い状況などのデータを、ブロックチェーンとデジタルIDプラットフォームを活用して、一つのIDに結びつけることで、信用の裏付けにすることを挙げた。そのデータを、地元の銀行やマイクロファイナンス、さらにカルダノコミュニティの分散型資本プールなどに提供して、そこからの借り入れを可能にすることにも言及している。
IOHKは、こうした金融包摂を可能にする仕組みをRealFiと呼んでおり、次のように説明した。
RealFiは、金融への新しいアクセス方法を本当に必要としている人々を対象としたリアルな金融であり、DeFiにしばしば欠けている、リアル(現実的)な価値を創出するものだ。
RealFiは、仮想通貨保有者には魅力的な利回りを提供し、現実世界の人々には安価なローンや金融商品を提供するもので、仮想通貨の流動性と現実世界の経済活動の間の摩擦を取り除くエコシステムとなる。
アフリカでデジタルID活用プロジェクト始動
具体的には、エチオピアやタンザニアでのプロジェクトをRealFiの嚆矢だとした。
カルダノのブロックチェーン上には、「Atala PRISM」という、デジタルIDや証明書を発行し、ユーザーがそれらを簡単に所有・管理、共有できるシステムが構築されている。
IOHKは、エチオピア政府と提携し、このシステムを用いて、学習達成度記録システムを構築しているところだ。また、タンザニアでも、加入者が「Atala PRISM」をデジタルバンキング、医療、教育などのサービスに活用できる通信ネットワークを提供していく見込みである。
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