米OCC長官代理、ステーブルコインに銀行規制の適用を提案

ステーブルコイン規制と省庁間連携を呼びかけ

米通貨監督庁(OCC)のMichael Hsu長官代理は13日、大西洋金融フォーラムで講演を行い、暗号資産(仮想通貨)規制の必要性を訴えた。特に、ステーブルコインのリスクに対処することと、当局間の連携を呼びかけている。

Hsu氏は、仮想通貨全体の時価総額が現在2兆ドル(約230兆円)を超えており、NFT(非代替性トークン)によりアートや、メタバースにおける資産を購入できるようになっていることに言及。また、クレジットカード発行会社が、仮想通貨決済を扱うようになったこと、テスラなど上場企業の一部が、財務資産をビットコイン(BTC)で持つようになったことなど、最近の状況を振り返った。

このように仮想通貨の主流化が進む中で、規制当局にとっても課題が浮上しているという。

OCCとは

米財務省に所属する独立機関の一つ。米国で連邦法によりライセンスを受けて営業する国法銀行などを監督している。

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ステーブルコインへの銀行規制適用を提案

Hsu氏は、特にステーブルコインのリスクに着目し、次のように述べた。

仮想通貨ユーザーは、最大手のステーブルコインが安定しており、法定通貨と同等であると考えている。つまり、米ドル建てステーブルコインの保有者は、いつでも額面通りに米ドルと交換できると信じている。この信頼は、預金者が銀行からいつでも必要な時に、お金を引き出せるという信頼と同様のものだ。

Hsu氏は、この信頼が失われた時には、ステーブルコインから米ドルへと資金を償還しようとするユーザーが殺到するリスクがあり、「準備金の管理方法が不十分あるいは不透明なステーブルコイン」については、その傾向が強いと指摘。

さらに、仮想通貨セクターが成長していることにより、こうしたリスクはステーブルコインに直接投資していないユーザーにも影響を与えかねないと続けた。

Hsu氏は、リスクを軽減するための方策として、ステーブルコインに銀行規制を適用することを提案。

Hsu氏は様々なステーブルコインが台頭する現状を、南北戦争下で多数の独自通貨が普及した19世紀の米国に擬え、米政府が米ドルを法定通貨に定めたことで経済が安定化したと指摘。ステーブルコインの規制強化がむしろイノベーションの促進につながると説明した。

ステーブルコインの発行者を、銀行として規制することで、仮想通貨の技術革新(イノベーション)が進み、その技術革新がより強固なものになる可能性もある。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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省庁間の連携

Hsu氏は、仮想通貨について規制当局が効果的に対応していくためには、省庁間の協力と協調が必要だとも話した。特に、グローバルに活動を展開する大規模な仮想通貨取引所に関して重要になるとして、次のように説明する。

現在、最大の仮想通貨事業者は、数千万人のユーザーを抱え、毎月数千億ドル(数十兆円)の取引を処理している。しかし、単一の当局による、包括的な監督の対象となってはいない。大規模な仮想通貨仲介業者は、複数の子会社を持っており、それらは異なる規制当局の管轄下にあるかもしれない。

一つの規制当局だけでは、事業者全体の運営方法、リスク、安全性、健全性、公正な方法で運営されているかどうか等を理解することができない。

さらに、こうした大規模事業者が、「従来の金融システムとの相互接続を深めるにつれて、包括的な監督体制が欠如していることによるリスクは増加する」ので、省庁間の協力の必要性も高まっていくとしている。

21年5月に米通貨監督庁の長官代理に就任したHsu氏は以前から米政府内の省庁間連携を強調していた人物。連邦準備理事会(FRB)、通貨監督庁(OCC)そして連邦預金保険公社(FDIC)の省庁間の連携する「デジタルアセット・スプリント・イニシアチブ」の設立に尽力した経緯がある。

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