はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米NY連銀「ステーブルコインが最良の決済手段とは考えにくい」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインよりも預金トークン化を提案

米ニューヨーク連邦準備銀行の研究者らは7日、ステーブルコインについて論じる記事を発表。ステーブルコインは分散型台帳技術(DLT)により展開できる最良の決済手段とは考えにくいと表明した。代わりに、預金のトークン化を提案している。

研究者らはまず、ビットコイン(BTC)なども含め暗号資産(仮想通貨)を流通させる技術であるDLTについて、既存の取引システムを改善する可能性があるが、同時にスケーラビリティ(拡張性)などの制約も課題だと指摘している。

その上で、「もしDLTプラットフォームが今後も存在するとしたら、その送金メカニズム上で、決済手段として使用できる最良の貨幣は何か」と問いを立てた。そして、その答えがステーブルコインになるとは考えにくいという。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

ステーブルコインが最良ではない理由

研究者らは、ステーブルコインが最良の決済手段とならない理由として、次のような項目を挙げた。

  • 安全なステーブルコインは流動性を制限する
  • 流動性を制限しない種類のステーブルコインはリスクが高い
  • デジタルマネーの効率的な形態はすでに存在している

まず、最初の項目については、最近、政策立案者の一部は、流動性のある資産に100%裏付けされたステーブルコインのみが、安全に運用できると考えている傾向があると指摘。

完全に裏付けを行うことにより、ステーブルコインの信用リスクや流動性リスクを抑制することができる。ただ一方で、そのような規制要件を満たすためには、金融機関は、他の用途にステーブルコインを利用できなくなる。その結果、流動性が制限されてしまう可能性があるという。

さらに、このように流動性を制限しない場合、つまり裏付け資産の不確実性が高まる場合には、ステーブルコインの信頼性が低下し、交換媒体としての機能に課題が生じかねない。

最後の項目として、研究者らは「デジタルマネーの効率的な形態」はすでにあり、それを新たな環境に適応させればよいと提案。次のように述べている。

前世紀の中央銀行の活動によって、銀行と決済システムは十分に機能するようになった。それを利用して、トークン化された預金を発行してはどうだろうか。実用的な詳細については工夫が必要だが、トークン化預金の原理は簡単だ。

銀行の預金者が、自分の預金をDLTプラットフォーム上で流通するデジタル資産(トークン化された預金)に変換するのである。トークン化された預金は、通常の預金と同様に、預金者の商業銀行に対する債権となる。

研究者らは、このように、預金をトークン化することの利点についても列挙した。

まず、金融政策の有効性を維持し、銀行が実体経済へ融資することにも関わりを保てる。また、既存の決済インフラを利用してトークンで物品やサービスの購入を安全に行えること、預金保険に保護されていることなどを挙げている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/11 木曜日
18:32
NYSE、サトシ・ナカモト像を設置 ウォール街の変化示す
ニューヨーク証券取引所がビットコイン創始者サトシ・ナカモトの像を設置。設置者のトゥエンティワン・キャピタルは約4万BTC保有で世界3位。伝統的金融が仮想通貨を受け入れる象徴的出来事に。
17:56
テザーとHoneyCoinが提携、アフリカでUSDT決済を拡大
テザーはHoneyCoinと戦略的提携を発表し、アフリカでのUSDT決済拡大を目指す。HoneyCoinはQRコードや専用端末に対応したPOSネットワークを導入し、加盟店が直接USDTを受け取れる仕組みを構築。まずケニアでサービスを開始し、他市場へ展開予定。現地通貨の変動リスクを避けたいユーザーの需要に応え、アフリカにおけるステーブルコイン普及を加速させる。
17:15
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始。販売所・取引所・つみたてに対応し、1万円購入で抽選1万円分のSOLが当たるキャンペーンも実施中。
16:47
ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用
ブータンの特別都市GMCが、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER」をソラナ基盤で発行。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなる。
16:33
仮想通貨取引所ジェミニ、CFTC承認で予測市場参入へ
仮想通貨取引所ジェミニがCFTCから予測市場運営の承認を取得。関連会社ジェミニ・タイタンを通じて二者択一式イベント契約を提供する。カルシとポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化している。
14:58
仮想通貨業界トップ、米CFTC新設諮問会議に参加へ
米CFTCが「CEOイノベーション評議会」を設立し、クラーケンやジェミナイなど仮想通貨業界トップが参加。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論。仮想通貨担保のパイロットプログラムも開始。
14:06
レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説
レイヤーゼロ(LayerZero)の仕組みやZROトークンのバイバック、スターゲートを使ったブリッジ方法を初心者向けに解説。Stargate買収の背景やリスクまでわかりやすく紹介します。
12:05
イーロンのスペースX、146億円相当のビットコイン移動 IPO関連か?
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約146億円相当のビットコインを移動した。10月から毎週大規模な送金を継続しており、IPO計画との関連が注目されている。
11:49
トム・リー氏、「イーサリアムは既に底打ち」 先週690億円相当を購入
ビットマイン会長トム·リー氏が、イーサリアムは既に底入れしたと発言。同社は先週、約4億6,000万ドル相当のETHを購入し、10月以来最大規模の買い増しを実施。今後10~15年間、ビットコインよりもイーサリアムの将来性に期待を寄せている。
11:49
FRBの慎重姿勢でビットコイン反落 2026年の利下げは限定的か
FRBは25bpの利下げを決定したが、パウエル議長の慎重姿勢を受けビットコインは下落した。2026年の追加利下げは1回との見方が広がる中、グラスノードのデータは実現損失が1日5.5億ドルとFTX崩壊時並みの高水準を示す。機関投資家の本格参入で4年サイクル終焉論も加速。
11:04
米大手9行が仮想通貨企業を排除 通貨監督庁が是正へ
米通貨監督庁(OCC)は、JPモルガンなど大手9行が2020-23年に仮想通貨企業を含む合法事業者へのサービスを業種理由で制限していたと発表。「金融の武器化」と批判し、違法行為には司法省照会も検討。トランプ政権下で「デバンキング」問題の是正が加速。
11:00
ビットコイン9.4万ドル急騰からの反落、FOMC利下げ後に軟調な動き|仮想NISHI
FRBの25bp利下げを受け、ビットコインは一時9万4000ドルまで上昇したものの、その後反落。X-Bankアナリストの仮想NISHI氏によると、デリバティブ市場でのロング解消による売り圧力が現物買いを上回っている。欧米機関投資家のクリスマス休暇入りを控え、年末にかけて軟調基調となるリスクを指摘。
09:19
ストラテジー社、ビットコイン保有企業の扱いめぐり書簡 MSCI指数除外案に反対表明
ビットコインを蓄積するストラテジー社がMSCIの指数除外案に反対意見を提出。仮想通貨保有50%以上の企業を除外する提案に対して、様々な観点から異論を唱えている。
09:11
Superstate、株トークン化の新サービスをローンチへ
Superstateは、株式をトークン化する新サービスを発表。上場企業が仮想通貨イーサリアムやソラナのブロックチェーン上で株式を新たにトークン化して、投資家に直接発行することができる。
07:40
ビットコインの買い増しなどを計画 米Strive、最大約780億円を調達へ
米Striveは、最大約780億円相当の株式を発行・販売する契約を締結。調達資金は仮想通貨ビットコインの買い増しやビットコイン関連商品への投資などに使用すると説明した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧