仮想通貨規制の新法案
ロシアの財務省は21日、暗号資産(仮想通貨)規制に関する法案を政府に提出したことを発表した。
今回の法案には、仮想通貨を禁止したい同国中央銀行の意見はまだ反映されていないと見られる。仮想通貨を規制した上で認可したい財務省は今回、投資家に事前にオンラインテストを受けてもらうことなどを提案した。
ロシアでは最近、仮想通貨規制を整備する動きが加速している。プーチン大統領が1月に、政府と中銀の双方が合意したルールを策定して報告するように求めたが、現時点では合意点がなかなか見つからない模様。規制内容を最終的に決定するには、今後も検討や議論が継続していくと見られる。
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今回提出された法案では、これまでと同様に仮想通貨を決済に使用することは禁止した。財務省の法案の主な内容は以下。
- 本人確認(KYC)を導入
- 仮想通貨企業に登録制を導入
- 仮想通貨取引の前にオンラインテストの受講を要請
この中で、特に注目を集めているのはテストの受講。このテストは投資家の知識を計るもので、リスクを回避できるか等を試す内容だという。テストに合格した人は、年間60万ルーブル相当(約85万円)まで取引が可能。不合格だった人は、5万ルーブル相当(約7万円)までの取引に限定される。テストの対象は個人投資家が中心になると見られ、適格投資家や法人は受講が不要となる模様だ。
マイニングについては、今回の法案では新たな内容は盛り込まれなかった。プーチン大統領は以前、余剰の電力があることや優秀な人材がいることから、ロシアはマイニングに強みを持つと発言している。
マイニングとは
ビットコイン(BTC)など、コンセンサスアルゴリズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を導入する仮想通貨の取引を検証・承認すること。ロシアは、中国が仮想通貨の取引やマイニングを禁止した後、米国、カザフスタンに次いで世界3位のマイニング大国となった。
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