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ウクライナNGO、ロシア侵攻受け仮想通貨の寄付が急増

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨寄付が急増

ロシアが軍事侵攻を進めるウクライナでは、暗号資産(仮想通貨)による寄付が急増している。ウクライナ軍を支援するNGO「Come Back Alive」が受け取った寄付額は24日だけで約40万ドル(約4,620万円)に達した模様だ。

ブロックチェーン分析企業Ellipticは今月8日にも寄付の増加を報告していたが、22日頃からさらに急増したことが確認された。

参考として、2021年のウクライナ軍を支援する団体へのビットコイン(BTC)寄付総額は57万ドル(6,600万円)前後だった。

露プーチン大統領は24日、緊急演説でウクライナ東部における「特別軍事作戦」の開始を宣言。事実上の侵攻を開始しており、地政学リスクとして仮想通貨市場へも影響が波及した。

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ロシア軍の侵攻を受け、ウクライナ政府は24日、寄付の募集をツイッターでも発表。しかし、寄付の受付方法に関する注意書きとして「PayPalやビットコインといった銀行送金以外の方法で国防省に寄付することは、法律で禁止されている」と記していた。

Come Back Aliveは寄付を受け付けるにあたり、ビットコインウォレットのアドレスも公開。ウクライナ政府のツイートには「寄付をしたいからビットコインのアドレスを教えて欲しい」や「NFT(非代替性トークン)で寄付はできないのか」といったコメントが寄せられている。一方で「価格変動が大きいため、仮想通貨で寄付は受けるべきではない」とする意見も上がった。

NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽など幅広く技術がされており、アート作品のNFTが高額で購入される事例も多く確認されている。

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Ellipticを取材した仮想通貨メディア『Decrypt』によれば、Come Back Aliveに対する24日の寄付の件数は約370件。寄付の金額は平均で1,000ドル(約11万円)から2,000ドル(約23万円)だったという。

寄付を受け付ける背景

旧ソ連の崩壊以後、政治および経済的混乱が続いたウクライナでは、ロシアによる2014年のクリミア侵攻に国軍が対処できないほど軍備が衰えていた。その際に、兵力や装備、武器、医療品などを提供したのが、個人からの寄付金で資金を調達したNGOや有志団体だったという。

ウクライナ政府やウクライナ軍を支援するNGOや有志団体への資金提供手段として、ビットコインがこれまでも活用されてきた。Ellipticは以前から各団体が保有するウォレットを特定して、追跡している。

8日の発表では、これらの団体が総額57万ドル(約6,580万円)相当の資金を受け取ったことを突き止めたと説明。その大半が昨年寄付されたもので、2020年の仮想通貨による寄付は6,000ドル(約69万円)に過ぎなかったが、ロシアとの対立が先鋭化したこともあり、2021年には900%以上増加した。

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なお、在日ウクライナ大使館によれば、ウクライナ中央銀行も援助のために特別口座を開設。米ドルとユーロ、そして英ポンドで寄付を受け付けている。

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