穀物トークン担保ローン
スペインの大手金融機関サンタンデール銀行は7日、南米アルゼンチンで農作物トークンを担保とする新種類のローンを提供することを発表した。
農作物トークンは大豆やコーンや小麦といった穀物を裏付け資産として発行されるステーブルコイン。Agrotokenというアルゼンチン発のブロックチェーンスタートアップが発行するもので、1Agrotoken=1トンの穀物となり、米ドルにペッグされる。農家はAgrotokenでローン返済することもできる。
また、Agrotokenはイーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、アルゴランド(ALGO)でマルチチェーン対応のインフラを提供している。
サンタンデールはすでにAgrotokenとアルゼンチンの農家と2月に試運転を実施したと説明。トークン化された穀物は「PoGR)(プルーフオブグレーンリザーブ)」というシステムで検証され、「クリプトグレーン(暗号穀物)」としてローンの担保金として利用できる。トークンは農家自身のウォレットに直接ミント(発行)されるため、自己保管やDeFi(分散型金融)での運用も可能だ。
サンタンデールは昨年11月に、今後3年間にわたってアルゼンチンの農業セクターで260億円規模の投資を行なっていくことを発表したが、今回の穀物トークンによるローンの提供事業がその一環だ。
サンタンデール・アルゼンチンの農事産業責任者Fernando Bautista氏は発表で、「今回は金融プラットフォームがブロックチェーンと暗号資産を利用し、農産業の金融市場に拡大する初めての事例となった」とコメントした。