開発過程をよりオープンに
分散型SNSプラットフォームの構築を目指すBlueskyは5日、コードの公開を行った。プロダクトは完成していないものの、オープンな形で開発を進めていく。
Today we're open-sourcing the Authenticated Data eXperiment (ADX) to begin working in public. https://t.co/lJY08TzRps
— bluesky (@bluesky) May 4, 2022
Blueskyは2019年にTwitter社が開始したプロジェクト。現在では、Twitterからは独立した形で分散型のオープンソースなSNSアプリの開発を行なっており、21年夏には匿名性に特化したジーキャッシュ(ZEC)のエンジニアだったJay Graber氏をプロジェクトのリーダーとして任命した。
プロジェクト自体は約17億円(1300万ドル)資金調達を完了後、22年2月にPBLLC(公益目的の合同会社)として開発陣が保有する形態に移行しており、Twitter社の子会社ではなくなった。ジャック・ドーシー氏や元Twitterのエンジニアなどが取締役会に着任している。
It’s been a long time coming, but the Bluesky PBLLC is now an independent organization formed to implement our vision! Stay tuned for updates. https://t.co/Qb6CE0JBPw
— bluesky (@bluesky) February 7, 2022
本日公開されたのはBlueskyのコードで、現在も開発中のスクリプトを公開することで、開発段階の可視化を目指す。同プロジェクトは「認証データ実験(ADX)」の題目で行われており、本格実装の前段階のプロダクトを今後も公開していく。
なお、公開されたサーバーやクライアントは現在も開発途上のものであるため、そのままコードを利用してアプリを独自で作るべきではないとBluesky側は警告。現在も研究開発を続けており、権力バランスの整った分散型SNSアプリの実現に向けて尽力していくとした。
重要度増す「言論の自由」
4月上旬に著名起業家のイーロン・マスク氏がTwitter株の購入を行なってから、SNSなどにおける言論の自由に対する注目度が高まりつつある。
実際、マスク氏がSNS上で「Twitterが言論の自由という原則を厳密に守っているか?」とアンケートした際には、ユーザーの70.4%が「いいえ」と回答していた。
The consequences of this poll will be important. Please vote carefully.
— Elon Musk (@elonmusk) March 25, 2022
Twitter社が政治的な偏見を持った形で情報の検閲を行なっていることに懐疑的な姿勢を示すマスク氏はこのような経緯もあり、買収に至ったと説明。「ツイッターは言論の自由のために、あらゆる人々を受け入れる広場であるべきだ」と述べている。
関連:イーロン・マスク氏、ツイッター社買収を提案した理由を語る
なお、国境なき記者団(RSF)は今週3日、第20回となる世界報道自由度ランキングを公表。
日本はエクアドル、ケニア、ハイチなどに次ぐ71位にランクイン。昨年の67位から悪化した格好だ。
英国は24位、米国は42位に名を連ね、1位はノルウェーだった。
国境なき記者団(@RSF_inter)が発表した第20回世界報道自由度ランキングは、無秩序な情報の氾濫によって二極化が進行、倍化したことを−−即ち、メディアの二極化が、国家内の分断だけでなく、国際的なレベルでの国家間の二極化をも激化させていることを明らかにしている。#RSFIndex https://t.co/KNuN0RYcPh
— 国境なき記者団 (日本語) (@rsf_ja) May 3, 2022
マスク氏の動向で注目を集めるTwitterとともに、開発が続くBlueskyなどの「オープンで分散化されたコミュニケーションのためのプラットフォーム」が今後より重要となりえるだろう。