NEARの分散型取引所
L1ブロックチェーンのニア(NEAR)基盤の分散型取引所「Orderly Network」は9日、シード投資ラウンドで約26億円(2,000万ドル)を調達したことを発表した。
Orderly NetworkはCeFi(中央集権型金融)レベルの執行能力を特徴とし、現物/先物の取引インフラを提供する。オーダーブックの効率性とオンチェーン決済により低レイテンシー(遅延)を実現すると共に、指値注文に対応でき手数料も低い。
また、デリバティブやレンディング等の外部dApps(分散型アプリ)がモジュールを介してアクセス可能な「共有アセットプール」を有す。この機能によりOrderly Networkは、NEARのDeFi(分散型金融)エコシステムにおける流動性基盤となることを目指している。
本プロジェクトは、業界大手の流動性プロバイダーWoo NetworkとNEARのインキュベーションプログラムを経て22年4月に設立された。Woo NetworkのBen Yorkeマーケティング・成長責任者は流動性の重要性について以下のように語る。
流動性へのアクセスを確保できないチェーンは、マスアダプションを目指すアプリケーションに対応できない。
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Orderly Networkの戦略
Orderly NetworkのシードラウンドはThree Arrows CapitalやPantera Capital、Alameda Researchを含む業界の主要なベンチャーキャピタルが共同リードインベスターを務めた。調達資金は採用、製品開発、パートナーシップ、エコシステムの拡大に向けて使用される。
また、流動性を高めるために「コミュニティ・レンディング・プール」を立ち上げる。投資家はマーケットメーカーに資産を貸出すことができ、シングルサイドの流動性提供で高利回りを享受できるようになる。
データサイトDefiLlamaによると、DEX(分散型取引所)市場のTVL(資産の預入総額)はCurve(91億ドル)、SushiSwap(90億ドル)、Uniswap(60億ドル)がトップ3を占めており、オーダーブックを持たずに仮想通貨同士のペアで構成される流動性プールでトークンの即時交換を実行する「AMM(自動マーケットメーカー)」が主流となっている。
Orderly NetworkはDeFiシーンでは少ないオーダーブック取引を提供し、Kronos Researchを含むプロのマーケットメーカーが流動性プロバイダーとしてサポートすることで初日からプロフェッショナルな取引体験を提供する。加えて、段階的に既存のブリッジを統合していき、最終的にほとんどの主要なレイヤー1ブロックチェーンとの資金移動を可能にする戦略を採る。
22年に入り、NEARエコシステム上のプロジェクトの資金調達が活発化している。4月にレンディングプラットフォームBastionはシリーズA調達ラウンドで11億円を調達。NEARのウォレットを提供するSender Walletも同月にバイナンスなどから資金調達を完了したことを発表していた。
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もし気になるクリプト企業など聞いてきてほしい質問があればぜひコメント欄で教えてください🫡
— 暗号アフロ(CoinPost編集者) (@crypto_afuro) June 10, 2022
ちなみに、次はNEAR Foundationなどへのインタビューを予定しています。