支払い手段としてのビットコイン
米ブラジルの連邦下院議会に10日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)などの仮想通貨を、支払い手段として法的に認めるための法案が提案・提出された。
もし可決された場合、同国市民は、ビットコインなどで合法的に支払いが行えるようになる可能性がある。
今回提出された民事訴訟法第835条の追加案は、仮想通貨を通貨そのものではないとしつつも、「金融資産、交換または支払いの手段、商品・サービスへのアクセス手段、投資として使用することができる」と定義。法的に認められた金融資産として扱う。
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また法案には、裁判所が仮想通貨を没収するための権限を強化する内容も含まれている。現段階の内容では、司法当局が個人の秘密鍵にアクセスすることは禁止されており、債務者は裁判所が保有するウォレットに仮想通貨を送金することが想定されている。
取引所などに仮想通貨が保存されている場合は、裁判所が口座内の仮想通貨を凍結することが可能だ。
大都市リオでは固定資産税が支払い可能
ブラジルは、政府や行政レベルでも比較的、仮想通貨に対して肯定的な姿勢を示している国。
同国の大都市リオデジャネイロでは、23年から仮想通貨での固定資産税(IPTU)の支払いを受け付ける方針。また規制に関する準備も進められており、4月には仮想通貨関連サービスの提供に関してガイドラインを付与する規制法案が、上院議会にて可決された。
金融領域も仮想通貨に積極的で、大手証券会社のXPは5月、米大手証券取引所ナスダックの技術を用いて、デジタル資産の新しい取引プラットフォーム「XTAGE」を構築すると発表している。
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