CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨事業者に出金要請相次ぐ、清算問題がユーザーのパニック誘う

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

流動性問題が各所に飛び火

ビットコイン(BTC)が2万ドルを取り戻し、暗号資産(仮想通貨)市場のボラティリティも一旦縮小傾向にある中、Three Arrows Capitalの債務問題が融資企業にもたらした流動性危機に対する市場の警戒感は依然として高いようだ。

ケイマン諸島に拠点を置く仮想通貨取引所Hoo.comは19日、顧客資産の出金対応が24~72時間遅れることを報告。「最近の市場変動により業界の一部の大手機関が清算され、流動性が枯渇。これがユーザーのパニックを招き、大量の出金要請を誘発する別の問題が生じている」と述べた。

また、多くのユーザーの出金資産を処理する上で、マルチシグ(複数署名)ウォレットなどの調整に時間がかかっていると説明。その後のツイートで、Hoo取引所は一部資産の通常の出金対応が可能になったと報告している。

また、17日に毎月約20万円(1,500ドル)の出金制限を設け、報酬分配を一時停止することを発表していた仮想通貨の貯蓄口座と融資サービスを提供するFinbloxは、20日に進捗動向を報告している。

FinbloxはThree Arrows(3AC)の投資先であり、一部では借入先であったとも伝えられている。Hoo.comとは異なり、3ACの債務不履行がFinbloxの流動性に直接影響を与えた可能性も示唆されている。

当社は、Three Arrows Capital(3AC)と市場全般をめぐる最近の動向によって生じた、流動性の状況に対処するため、利用可能なすべての選択肢(法的手段を含む)を積極的に追求している。

先週、3ACは相場の大幅急落で計520億円(4億ドル)もの証拠金が清算されたことが報じられると、その後も複数のレンディング・プロバイダーで債務不履行に陥っているとの疑惑が生じていた。

20日の報告でFinbloxは、想定されるあらゆるシナリオと、顧客資金の流動性に与える潜在的影響を調査・評価していると説明。通常の出金対応再開に向けて可能な限り努めていると加えた。

レンディングとは

保有している仮想通貨を一定期間貸し出すことで、利息を得る仕組みのこと。中には顧客の預金を運用し、獲得した収益の一部を仮想通貨預金者に支払うことで高金利をユーザーに約束する事業者もいる。ここでは、そうした事業者に関連する出金停止処置が問題視されている。

▶️仮想通貨用語集

関連:FTXサムCEO、仮想通貨下落の要因と企業救済について発言

BabelやCelsius

17日に顧客資金の出金停止を発表していた仮想通貨貸借プラットフォームBabel Finance(香港)は、20日に流動性の改善状況について続報を出している。

Babelは主要取引先と「一部の債務の返済期間について予備的合意に達した」ため、会社の短期的流動性の圧力が緩和されたと説明。しかし、出金再開の時期については明かされていない。

仮想通貨の貯蓄口座と、融資サービスを提供する業界大手企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)は13日、「極端な市場変動」を理由に顧客資産の引き出し、スワップ、口座間の送金の一時停止を発表していた。

Celsiusも20日にブログを投稿し、「出金凍結について、規制当局や関係者と引き続き協力し、解決策を見出していきたい」と述べたが、出金再開の時期については言及しなかった。

出金を停止してから1週間が経過しているが、同社は「前例のない課題を克服し、コミュニティに対する責任を果たすことに集中するために」、TwitterスペースとAMA(Ask Me Anything:なんでも聞いて)を一時停止していると加えた。

関連:相次ぐ出金停止の事例、仮想通貨融資大手Babel Finance

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/29 水曜日
21:01
IOTA財団がUAEアブダビ当局と提携、エコシステム成長を促進
仮想通貨IOTAの研究・開発を行うIOTA財団は、UAEアブダビで、金融センターADGMと協力し、プロジェクトを成長させていくと発表した。
18:00
預けるだけで仮想通貨が増える?|CoinTradeのステーキングを解説
出典元:CoinTrade 2023年11月、ビットコイン(BTC)が年初来高値を更新したことをうけ、仮想通貨(暗号資産)業界は盛り上がりを見せています。 一方で「仮想通貨には…
16:28
米財務省 仮想通貨業界への調査権限拡大を議会に要請
米財務省がハマス制裁の一環として仮想通貨業界への調査権限を拡大へ。過激派組織のデジタル資産利用に対抗するための新たな法案を議会に要請し、アンチマネーロンダリング規制を強化する動きを加速。テロ資金の流れを追跡し、国際的な安全保障を高める目指す。
15:33
Coinbase顧客にBybit関連の「召喚状」通知、CFTCの動きに焦点
仮想通貨取引所Coinbaseが規制当局の召喚状について顧客に通知。Bybitの利用歴のあるCoinbase顧客に関する情報提供をCFTCが求める。Bybitは米国サービスを否定もVPNアクセスの可能性あり。Bybitは仮想通貨取引量トップ3で2,000万ユーザーを達成。
14:54
「中国の信用拡大はビットコインへの資本流入を促す可能性がある」ヘイズ氏
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、中国における信用拡大が世界市場に波及し、結果的にビットコインなどのリスク資産全般への資本流入を促進するとの見解を披露した。
14:00
SNS連携のWeb3ウォレット「TIPWAVE」公開
NextmergeがX(旧Twitter)やDiscordユーザーに便利なWeb3ウォレット「TIPWAVE」を発表。SNSとの連携で暗号資産(仮想通貨)とNFTの利用が簡単に。ソーシャルメディアアカウントに対するNFT配布も可能になる。
12:40
ビットコイン投資商品9週連続の純流入、21年11月の「強気相場」以来最大規模に
暗号資産(仮想通貨)市場では、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物OIがバイナンスを上回る規模を拡大。CoinSharesのデータではビットコインETPなどの投資商品に21年11月以来最大の資金流入を観測した。
11:30
Jドーシー氏、ビットコイン採掘分散化推進の「OCEAN」に投資
ムーモリン社のビットコインマイニングプロジェクト「OCEAN」が620万ドル調達。ジャック・ドーシーも支援し、ブロック報酬をマイナーに直接分配する革新的なアプローチを採用。暗号資産(仮想通貨)ビットコインの分散化と発展に寄与。
10:45
香港行政長官、Hounax詐欺事件について発言
香港の行政長官や規制当局責任者は、仮想通貨取引所Hounaxの詐欺事件について発言し今後の姿勢を示した。また香港警察が事件概要を説明している。
09:50
チェーンリンク、ステーキング機能をアップグレード
チェーンリンクは、ステーキングの新バージョンを仮想通貨イーサリアムのメインネットにローンチしたことを発表。特化する目標や移行スケジュールを説明している。
08:30
ドル円一時147.3円 コインベース株大幅高、米FOMC理事ハト派転換か
コインベースやビットコイン採掘関連株などはFOMC理事のハト派的な発言を受けて大幅に上昇した。今夜は米7-9月期四半期実質GDP改定値が発表される。
07:45
アニモカブランズ、TONネットワーク最大のバリデータに
香港のWeb3大手アニモカブランズは28日、TONのエコシステムに投資し、L1ブロックチェーン「TON」の最大のバリデータになったと発表した。
06:50
CZ氏、バイナンスUSの取締役会会長を退任
仮想通貨取引所バイナンスの米国部門バイナンスUSは、CZ氏が同社の取締役会の会長を退任すると発表。退任はCZ氏が決断したという。
06:10
米SEC、2つのビットコインETF上場申請でパブコメを募集
米SECは新たに、Franklin TempletonとHashdexの仮想通貨現物ビットコインのETF上場申請について、パブリックコメントを募集すると発表した。承認が近いとの意見も。
05:45
バイナンス、イーサリアムフォーク銘柄のパーペチュアル取引を提供
海外版仮想通貨取引所バイナンスは28日、新たに銘柄のパーペチュアル(無期限先物)取引を開始した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア