- LIQUIDの進捗と将来のビジョンを表明
- 日本発の仮想通貨QASHとLIQUIDプラットフォームについて、QUOINEの柏森CEOが新たな発表を行なった。大きな期待を寄せるDLT構想やメインネット実装にも言及、ユーティリティトークンから純粋仮想通貨への移行を目指すとした。
- 免責事項
- 記事内容は、YouTube公式配信の内容をCoinPost編集部で見やすくまとめたものであり、発言内容には意訳が含まれます。関連銘柄に投資などされる場合は、ご自身で内容をよく精査の上、ご判断ください。
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- DLTとは
- DLT(分散台帳技術)は、Distributed Ledger Technologyの略。 ブロックチェーンの機能を派生し、共有台帳という特徴のみを抽出して一般化した概念のこと。
LIQUIDプラットフォームの進捗と将来のビジョン
QUOINE社のCEO(最高経営責任者)を務める柏森氏は7月11日、QUOINEの新サービス「LIQUIDプラットフォーム」に関する進捗報告と、視聴者とのAMA(Ask Me Anything)を、YouTube配信で実施しました。
YouTube配信を実施するなど、日本人投資家向けにも積極的に発信し始めた背景として、日本発の大型ICOである”QASHトークン”購入者に対して、「適時開示で正しい情報を提供し、保有者を保護する責任がある」と説明。
これからも仮想通貨の健全な発展のため、世界各国の規制当局と足並みを揃えつつ、ベストプラクティスを目指す。と決意表明を行いました。
リブランディング
柏森CEOは、仮想通貨QASHの名称を変更する予定であることを発表。
「QASHという名称には愛着もあるが、現金を意味する(cash)と紛らわしい面もある。タイミングを見計らって、各名称をLIQUID(リキッド)に変更・統一していきたい」と述べました。
仮想通貨名やロゴなどを変更した、主要アルトコインのNEOやLISKなどと同様、実質的な「リブランディング」に該当すると思われます。
謝罪と訂正(7/13:追記)
QUOINEの会社名には、変更はありません。一部情報に誤りがあり、大変申し訳ございません。
- 通貨名:QASH→LIQUID
- 技術名:QASHブロックチェーン→LIQUID DLT
We are merging our exchanges into #LiquidbyQUOINE and rebranding our entire service as Liquid. That means the #blockchain and the $QASH token will all be renamed. The $QASH token will become the Liquid token, launched with the new platform.
— Mike Kayamori (@MikeKayamori) 2018年7月11日
仮想通貨「QASH」の将来性
名称変更する理由の一つとして、QASHを現在の”ユーティリティトークン”という区分から、”純粋仮想通貨”へと移行させたいと言及。
然るべきタイミングでオープンソース化することで、 QASHの価値は企業を超えた開発コミュニティに託すことで、「デベロッパーコミュニティが、第二ステップとして大きく飛躍、進化させて行くのが最も理想だ」としています。
その上で、最終的にはQUOINE社のスタンスとして、コミュニティのサポート(財団)といった形での関わり方が理想的であると発言しました。
LIQUID DLTのポテンシャル
さらに、リキッドDLTのポテンシャルについて、「調査・研究を進めたが、リキッドプラットフォーム以上に大規模になる可能性がある。」と言及。その理由について、以下のように述べました。
世界GDPの中でも最大のインダストリ(産業)は金融市場であり、グローバルエコノミーの約30%が金融サービスで構成されているとされる。金融サービスに特化したパブリックな分散型台帳は、現時点では存在しておらず、我々は”その中でも、フィンテック分野に特化したDLT”を作成予定だ。
リキッドのDLT、及ぶトークンはより大きくなって行く。自然人も法人も、特にフィンテック分野は栄枯盛衰でいつかは、競合に抜かれたり寿命などで終わりが来る。世の中には、100〜200年継続するファミリービジネスもあると思われるが、その時限も法人とカップルされているので、自ずと限界はある。
そのため、QASHに関しては然るべきタイミングで、オープンソース化して「デベロッパーコミュニティ」への依存に移行することで、コアになっているリキッドトークンは、QUOINEという制約から放たれた形で”永続的な、さらなる価値の上昇”が見込めるようになると考えている。例えば、世界有数の企業である米Amazonも、フィンテックスタートアップとして黎明期に、新サービスの「AWS(Amazon Web Services)」を開発し、スタートアップのベンチャー企業にフォーカスしてグローバルに売り込んだからこそ、今の規模感と時価総額がある。
信頼性と拡張性に優れたクラウドコンピューティングサービスで有名なAWSは、今や世界中の大企業から官公庁まで導入し、Amazonの利益の大半を占めるほどに成長している。
当社も有望なフィンテックスタートアップ企業向けのDLTを開発・提供していきたい。QUOINE社自体が金融のフィンテックであるため、機能や改善内容などソリューションへの理解が深く、必要なものを実装していける。
リキッドDLT作成にあたり、必要な機能を実装していける開発チームを確保して研究を進めており、コンセンサスプロトコルのテストを経て、ようやく実践で使用される、より拡張性の高いDLTの目安がついた。
リキッドというトレーディングプラットフォーム自体を、ハイパフォーマンス(高性能)かつローレイテンシー(低遅延)な「リキッドDLT(分散型台帳)」に載せたいと考えており、つまり我々がリキッドDLTの最初の顧客として、ゆくゆくは、dAppsの会社としてプロダクトに載せていく事になるだろう。
長期ビジョンとしては、世界中の人たちに金融サービスを提供していくミッションがあり、現時点では構想段階なので今後の検証も必要になるが、金融サービスのベースとなるモバイルに特化した「バンキングプラットフォーム」自体も、「リキッドDLT(分散型台帳)」に載せたいと考えている。
現在の既存の銀行や金融機関の場合は、ブロックチェーンやDLTは一部実証実験の段階に留まる。その根っことなる「勘定(バンキング)システム」の構築は、5〜10年かけて4000億円かけて行っていくということだが、時代がアジャイルとなり分散化されていく中で、そのコアとなる金融システムがセントラライズ(Centralize)のままでいいのか?という部分があり、我々としては、ディセントラライズド(Decentralized)なものを目指したい。
今までは、リキッドと言えばトレーディングプラットフォーム(取引所)としての側面が強調されていたが、将来的にはQASHがユーティリティーから純粋仮想通貨に変化(*後述)することで、大きく期待するリキッドDLTを加えた”三位一体”でフィンテック業界に貢献していきたい。
ロードマップ
事業の遅れが出る可能性や当局との調整もあるので、あくまで努力目標としつつ、サービスローンチの目安も改めて掲げました。
- リキッドプラットフォームのα版リリース(2018年8月末〜9月)
- リキッドプラットフォームのβリリース(2018年内)
- テストネット実装(2019年)
- メインネット実装(2019年)
仮想通貨業界における現状の問題点
柏森CEOは、アメリカの証券取引委員会(SEC)を発端とする、仮想通貨の「有価証券問題」など、今後世界的に規制される可能性があると指摘。
海外(米国など)では、仮想通貨の種類は以下の3種類に大別されているとしており、将来を見越した有価証券問題対策も兼ねていることを示唆しています。
1:純粋仮想通貨
代表的なのは、BTC(ビットコイン)。
発行体が存在せず、特定の企業などの中央集権がコントロールしていないからこそ、貨幣及び通貨としての代替価値がより高いとされる。
2:ユティリティ型トークン
特定のサービスにアクセスするためのトークン。
ユティリティ(有用性)の価値と、ユティリティトークンの価値は連動する。ユティリティ自体の価値が上昇しない限りは、トークンの価値も上昇しない。
3:セキュリティ型トークン
いわゆる有価証券型で、企業のキャッシュフローの現在価値が、トークンの価値に反映されるもの。
コモディティに区分されるため、投資家保護の観点から適時開示や監査報告などを行う義務が生じるほか、金商法業者でないと有価証券の取り扱いに対応できない可能性があるなど、認可が必要になると考えられる。
AMA内容
AMA(Ask Me Anything)とは、株主総会での質疑応答のようなもので、仮想通貨のトークン保有者の疑問に対して、事業に集中するため現時点は「パブリックスピーキング」は敢えて控えているという柏森CEOが、直接回答する形で進行しました。
その内容を一部抜粋して掲載します。
- ―CCの盗難の件で、仮想通貨業界の発展が半年遅れると言っていたが、その真意は
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仮想通貨市場が盛り上がっていた矢先(2018年初)にコインチェックのハッキング事件があり、このような巨額の盗難事件などがあるとマーケットは一旦沈む。メディアも厳しい論調に変わり、規制当局や投資家心理もより慎重になるからだ。
巨額のBTC消失で2014年2月に破綻した「Mt.GoX」事件では、発生後に1年半〜2年ほど市場全体が一時的に低迷した。今回は、(仮想通貨市場全体の価値が上昇し、トークンエコノミーとして確立されてきたため、一概に同様とは言えないが、)半年〜1年ほど停滞する可能性もあると認識している。もちろん、そうならないことを祈っている。
- ―ホワイトペーパーに記載のある、銀行免許取得について
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将来的には、「金融商品取引法」の免許を取得していきたい。
ただし、グランドデザインは描いているが、先日金融庁より業務改善が下されており、まずは実効性のある経営基盤・管理体制の構築が先決であり、安心・安全な取引所を作るために、この半年間に最優先で行う予定だ。グローバルで経営を行なっているので、相応のグループガバナンスを要求されることになる。その後にどうやって、攻めの経営をするかは今後説明したい。
Some people question or criticize Japan as being too conservative, but that is incorrect. Japan is the leader in crypto and other regulators will follow. Best practices in Japan will become the global best practices as well. Japan is simply ahead of the world.
— Mike Kayamori (@MikeKayamori) 2018年7月7日
- ―米Ripple社とXRPのように、名称を分ける必要はないのか
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トレーディングプラットフォームがリキッドなので、名称は統一したほうがいいと考えた。次世代の金融サービスを色々やってきたいと考えている。
また、イーサリアム(ETH)のERC20ベースで作られたQASHトークンは、「リキッド」に名称が統一された後もERC20であり続けるため、保有者が何かしなければならないわけではない。
改善計画を確実に実行し、その上で大きく成長していくための基盤を強化していくことになり、トークン保持者に対して、事業や進捗の説明責任をきっちり果たしていく。
- 免責事項
- 記事内容は、YouTube公式配信の内容をCoinPost編集部で見やすくまとめたものであり、発言内容には意訳が含まれます。関連銘柄に投資などされる場合は、ご自身で内容をよく精査の上、ご判断ください。