10月にレポート提出へ
主要20ヵ国(G20)の国際金融監督機関である金融安定理事会(FSB)は11日、暗号資産(仮想通貨)規制に関する公式声明を発表した。直近のステーブルコインを交えた騒動を踏まえ、「時宜にかなった国際的な法的枠組みの策定が急務である」と指摘した。
金融安定理事会は仮想通貨相場を揺るがした直近の騒動は国際的な仮想通貨規制と監督の必要性を示したと説明。また、仮想通貨特有のボラティリティや脆弱性、そして伝統金融システムとの増加し続ける相互接続性を強調する事例だったと述べた。
その上で、仮想通貨の根本となるブロックチェーン技術独自の性質と機能を考慮しつつ、伝統金融と同様の法的な枠組みが必要だとした。
また、ステーブルコインと呼ばれる暗号資産も規制に準拠する必要があると批判。既存の法律を適用させ、リスクを適切に管理すべきだと提言している。
結論としては、国際的、そして国家レベルでの効果的な規制と監督が必要だとコメント。包括的かつ、時宜にかなった国際基準の導入を支援するためには、FSBメンバーがFATFの定める国際基準(登録、ライセンス、AML/CFT、トラベルルールなど)を導入していくべきだと論結した。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している暗号資産を指す。BTCやETH、XRPなど従来の仮想通貨とは異なり、米ドルなどに価値(1ドル)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによる担保型のステーブルコイン(USDT・USDC)や、DAIやUSTといったアルゴリズム型のステーブルコインもある。
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なお、FSBは22年10月に開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議でさらなるレポートを提出する方針を表明。ステーブルコインや暗号資産に関する規制・監督に関する提言を含む、公開されたコンサルレポートを提出し、規制や監督方針に関わる国際基準の策定に貢献する見込みだ。
業界の債務不履行・清算騒動に反応
FSBが間接的に言及しているのは仮想通貨業界全体を襲った相次ぐ企業・プラットフォームの債務不履行騒動だ。
5月上旬にディペッグしたテラUSD(UST)の急落とテラ(LUNC)の急落を皮切りに、セルシウスやスリー・アロー・キャピタルなど、大手プラットフォームが連鎖的に破産へ至った。
特に、アルゴリズム型のステーブルコインUSTの急落は、同銘柄を利用したDeFi(分散型金融)プラットフォームAnchorに資産を預入していた投資家に大打撃を与えた。
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