はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、390億円規模の詐欺プロジェクトForsageを摘発

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

390億円規模の詐欺プロジェクト

米証券取引委員会(SEC)は1日、約390億円(3億ドル)規模の暗号資産(仮想通貨)詐欺プロジェクトForsageを摘発したことを発表した。関係者11人が訴えられ、そのうち2人はすでにSECと和解し罰金を支払うことに同意している。

Forsageは、2020年1月にVladimir Okhotnikovら4人によって創設されたもので、分散型スマートコントラクトプラットフォームを名乗っていた。

個人投資家がイーサリアム(ETH)、トロン(TRON)、バイナンスブロックチェーン上のスマートコントラクトでP2P取引できるようにしていたが、SECによると実際はポンジスキーム(ネズミ講の一種)だったという。

Forsageへの参加者が、別の参加者を勧誘してイーサリアムをForsageに入金させることで報酬を得られる仕組みが備わっていた。また、新しい投資家から入金された資産を、初期の投資家への支払いに充てていたとされる。

ポンジスキームとは

自転車操業のこと。「出資金を運用し、利益を配当金などで還元する」と説明しながら実際には運用せず、後から参加した出資者の資金を運用利益として偽装する手口。

▶️仮想通貨用語集

訴状によると、Forsageの創設者4人は、ロシア、ジョージア、インドネシアに居住していたことが確認されている。SECは、ウェブサイトやSNSでプロジェクトを宣伝するために創設者らに雇われていた米国在住の3人と、米国内の宣伝グループをしていた「Crypto Crusaders」のメンバー数人を訴えた。

このうち2人はすでに、容疑を認めることも否定することもなくSECと和解し、訴えられた内容について永久に禁止されることや、罰金の支払い、不正に得た利益の返却などに同意したという。

米SECの暗号資産・サイバー犯罪部門責任者Carolyn Welshans氏は、「スマートコントラクトやブロックチェーンで詐欺スキームを行うことで、連邦証券法を回避することはできない」とコメントしている。

規制当局は以前より警告

Forsageは2020年時点から、マルチ商法であると指摘されていた。同年7月にはフィリピンの規制当局が公式に警戒を呼びかけている。

Forsageのスマートコントラクトは投資契約と同義であり、未登録で有価証券を提供していると判断し、さらに報酬システムがネズミ講に類似していると判断していた格好だ。

関連強気相場の原動力?「イーサリアム基盤のForsageは典型的なマルチ詐欺」

2020年9月にはフィリピン証券取引委員会が、2021年3月には米国のモンタナ州証券保険委員会が、Forsageを詐欺と認定し、営業停止処分にしている。しかしそれにも関わらず、被告はYouTube動画などで同プラットフォームが詐欺であることを否定し、宣伝を続けていた。

Forsageの規模

訴状によると、Forsageは、米国その他の国で数百万人の個人投資家をプロジェクトに加入させており、現在までの取引額は3億ドル以上にのぼっていた。

また、2021年にコーネル大学、ロンドン大学の研究者らが行った調査によると、Forsageのユーザーアカウントの大半(88%)で損失が発生していた。

一方で、コントラクト運営者らは100万ドル以上を獲得しており、ネズミ講の頂点に立つ他の数少ないアカウントも巨額の利益を得ていたという。

詐欺師は主にロシアに拠点を置き、被害者はナイジェリア、アフリカ南部、フィリピン、ベネズエラ、インドネシア、インドなど世界各地に散らばっているようだと分析している。さらに、研究者らは調査時点で、Forsage創設者らがイーサリアムブロックチェーン以外でも同様な詐欺プロジェクトを開始していることも発見していた。

また調査文書は、詐欺師らが「オープンソースコード」や「取引の透明性」といった用語を用いて正当性を主張し、充分な知識を持たないユーザーをプロジェクトに勧誘していた実態にも触れている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/09 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルの770億円調達やジーキャッシュ高騰の背景分析など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
週明けから急落のビットコイン、相場復調の前提条件は?|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン相場は続落の見通し。AIバブル崩壊や景気後退懸念から1560万円周辺まで下落。ただし短期筋の97%が含み損となっており、下値余地は限定的との指摘も。bitbankアナリストが今後の展望を解説。
11:00
週刊ニュース|金融庁の仮想通貨ETF関連デリバティブ国内提供への見解に高い関心
今週は、暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供に対する金融庁の見解、ビットコインの10万ドル割れ、仮想通貨の最新市場分析に関する記事が関心を集めた。
11/08 土曜日
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧