シンガポール中銀担当大臣、ステーブルコイン規制について見解

ステーブルコイン規制体制を検討中

シンガポール中央銀行(MAS)担当大臣は1日、無担保型ステーブルコインTerraUSD(UST)の価格崩壊と、同国のステーブルコイン規制について見解を述べた。現在、ステーブルコインの規制体制を検討しているところだという。

これは、Saktiandi Supaat議員の質問に対しての回答という形で提示されたものだ。

Supaat議員は、「USTのディペッグについてシンガポールの人々がどの程度影響を受けたか」、「LUNAの復興プランがシステミックリスク(金融システムに波及するようなリスク)を与えることはないか」「ステーブルコイン含む暗号資産(仮想通貨)規制見直しの状況」について大臣に回答を求めていた。

シンガポール通貨庁(MAS)とは

英語で Monetary Authority of Singapore。シンガポールの通貨当局であり中央銀行である。主に金融セクターの管理や通貨制度の維持を役割としている。

▶️仮想通貨用語集

MAS担当のTharman Shanmugaratnam大臣は「USTやLUNAトークンの破綻に始まる一連の出来事は、MASが繰り返し警告してきた仮想通貨投資に伴うリスクの高さを示すものだ」と答えた。一方で、影響は限定的としている。

MASが収集した統計によると、シンガポールの銀行は、仮想通貨エコシステムへのエクスポージャー(価格変動の影響を受けること)はわずかであり、現時点で仮想通貨市場の混乱が、より大きな金融システムや経済に波及することはほとんどないという。

また、ステーブルコインに対する規制アプローチを積極的に見直しているところだとして、次のように説明した。

現在、ステーブルコインはビットコイン(BTC)など他の仮想通貨とともに、決済サービス法の下でデジタル決済トークン(DPT)とみなされている。

同法に基づくDPTの規制体制は、主にマネーロンダリング・テロ資金調達やテクノロジー関連のリスクを対象とするものだ。したがって、取引の仲介を含め、そうしたリスクをもたらすDPT関連サービスは規制の対象となる。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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大臣は、MASが現在、裏付け資産についての規制やペッグの安定性などを含め、ステーブルコインの特性やリスクに適合する規制体制を検討しており、今後数か月以内には、一般公開する見込みであるとも続けた。

規制構想を明確化へ

シンガポールは1月より公共の場での仮想通貨関連マーケティングや広告の制限を行うなど、最近仮想通貨の規制を強化する傾向にあった。UST騒動を受けて、この姿勢はますます強まっている。

Shanmugaratnam大臣は7月にも、仮想通貨市場における追加的な消費者保護措置として、小口投資家の市場参加に何らかの制限を課すことや、レバレッジ使用に関するルールなどの導入を考慮しているところだと明かした。

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一方で、MASのRavi Menonディレクターは7月、「シンガポールをデジタル資産のハブにする」ためブロックチェーンや仮想通貨に対する規制構想を明確化していくと話している。

MASを含め各国の金融当局は、仮想通貨プラットフォームのマネロン対策などに重点を置いており、投資家保護や市場操縦対策、ステーブルコイン規制まで管理が行き届いていない状況だとも指摘した。

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