仮想通貨企業に投資か
テクノロジーに特化した投資企業「Aglaé Ventures」は、暗号資産(仮想通貨)のスタートアップ企業を対象にしたファンドをローンチする計画であることが分かった。関係筋の話として「The Block」が報じた。
ローンチの具体的なスケジュールは未定だが、1億ユーロ(136億円)から1.1億ユーロ(150億円)規模のファンドになると情報筋は説明。Aglaé VenturesはこれまでNetflix、Airbnb、Slack、Spotifyらに投資し、いわゆる「Web2.0」系企業への出資で大きな成功を収めており、次はWeb3企業に出資する機会を狙っていく模様だ。
今回のファンドが注目を集めている理由の1つは、ラグジュアリーブランドグループ「LVMH Moët HennessyーLouis Vuitton」の会長兼CEOであるベルナール・アルノー氏がAglaéを後援している点だ。具体的にはアルノー氏の投資手段として機能するAgache社がAglaéを支援している。
なお、Aglaéが仮想通貨企業に出資するのは、このファンドが初めてではない。今年6月に、仏デジタル資産企業のFlowdeskが、米コインベースらとAglaéが主導した投資ラウンドで、約40億円(3,000万ドル)の資金を調達したことを発表していた。
Aglaéは仮想通貨領域から人材も雇用しており、これから中央集権型や分散型に関わらず、Web3インフラ、レイヤー1やレイヤー2などのプロジェクトに投資を行っていく格好だ。
The Blockのデータによれば、仮想通貨のスタートアップ企業への投資額は、世界的に見れは減少に傾いている可能性があるという。22年2Q(4月から6月)にはスタートアップ企業の調達額は、同年1Q(1月から3月)と比較して22%減少。一方で欧州だけで見ると、同期間の比較で25%増加した。
欧州での資金調達
欧州でWeb3企業の資金調達が活発に行われていることは、別のデータでも示されている。投資データ企業「Pitchbook」の統計では、22年上半期における、欧州のWeb3企業への出資額は約3,000億円を記録した。
また、Pitchbookの統計からは、グローバルに見るとWeb3企業の資金調達額が2022年上半期だけで、約2.4兆円に到達したことも明らかになっている。Web3企業の資金調達額は2021年度全体で約3.6兆円だった為、2022年の上半期だけで見れば昨年を上回るペースで資金調達が進んでいることが窺える。
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