エルサルバドル政府 ビットコイン購入から1周年

一年目は含み損

21年9月7日、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領が政府として初めて暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を購入したことを発表してから、丸1年が経過。執筆時点に投資パフォーマンスは大幅なマイナスとなっている。

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公式データが公開されている訳ではないが、ブケレ大統領がツイッターで公表するビットコイン購入情報を集計する「Nayib Bukele Portfolio Tracker」によると、最初の取引は21年9月6日。BTC価格51,769ドル(746万円)で、国家予算から1,038万ドル(15億円)を投じて200 BTCを購入した。*円表記は現在の為替ベース

現在までにエルサルバドルは合計1.07億ドル(150億円)を投じて2,381 BTCを購入しており、平均取得単価は45,820ドル(660万円)である。

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執筆時点のBTC価格19,244ドル(277万円)に基づいて、2,381 BTCの資産価値は4,580万ドル(66億円)。

エルサルバドルのビットコイン投資パフォーマンスは-57.24%と見られ、全て保有し続けている場合、6,133万ドル(88億円)の含み損を抱えている計算となる。

1年間の取り組み

同国の全国紙La Prensa Gráficaは5日、「ブケレと矛盾するビットコイン価格」と題して、大統領の様々なビットコイン事業を列挙した。

エルサルバドルは2021年6月に米ドルと共にビットコインを法定通貨として認める「ビットコイン法」を可決。国家予算で買い増しをするだけでなく、「ビットコイン・シティ」の建設やビットコイン債券の発行なども計画した。

しかし、22年6月にはエルサルバドルの財務大臣が「今はビットコイン債を発行するタイミングではない」と発言。ウクライナ情勢や仮想通貨の価格変動を理由に挙げた。

当時、財務大臣はBTC投資の損失について「4,000万ドルは国家予算の0.5%に満たない程度」、「所有するビットコインの価値は4,000万ドル減少しているが、我々は売却はしていない。これはあくまで含み損である」と述べていた。

IMFや世界銀行、そして多くの国民も否定的だが、国外のビットコイン支持者との絆は厚いようだ。ブケレ大統領のツイッター宛には業界インフルエンサーから祝福のメッセージが寄せられている。

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ビットコイン債券の協力企業である、Bitfinexとテザー社の最高技術責任者Paolo Ardoino氏は、「一部の金融記者はこれを実験だ、失敗だと言っているが、彼らは主権国家が自らの未来を築く権利を認識できていない。彼らの未来は他と異なり、数学上のマネー、つまりインフレにならない通貨の上に築かれる」と指摘。イタリア出身である氏はローマは一日にしてならない、として「時間、愛情、努力、ビジョン、情熱が必要」と加えた。

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