仮想通貨貸付サービスを注視
複数の州の米規制機関は、仮想通貨レンディング企業Nexoの利子付き口座サービスを有価証券とみなすと発表した。
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今回、同様の内容を発表しているのは、本記事執筆時点で以下8州である。
- カリフォルニア州
- バーモント州
- ワシントン州
- メリーランド州
- オクラホマ州
- サウスカロライナ州
- ケンタッキー州
- ニューヨーク州
カリフォルニア州の発表
カリフォルニア州の規制機関(DFPI)は26日、同社の利子付き口座サービスは、有価証券として登録がされていないと指摘。また、有価証券のサービスを提供する場合は、リスク開示などを行わないといけないが、Nexoは必要な義務を果たしていなかったことを問題視した。米国では、BlockFiやVoyager Digitalやセルシウスと同様の事例が続いている。
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DFPIによるとNexoは、仮想通貨を同社に預けると金利を受け取れるサービスを投資家に提供。年利で最大36%のサービスを提供しており、これは債券や銀行預金よりもはるかに高い金利だと指摘した。DFPIは、本サービスを提供する場合は事前に有価証券として登録する必要があると主張。有価証券として登録し、必要な情報を提供することは、投資家保護の観点から必要であるとした。
上述したVoyagerとセルシウスは今年、破産を申請。Nexoには今回、サービス提供の停止命令も出されている。
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レンディングとは
保有している仮想通貨を一定期間貸し出すことで、金利を得るサービスのこと。bitbankなどの国内企業もサービスを提供しているほか、DeFi(分散型金融)のプラットフォームでもサービスを利用できる。
▶️仮想通貨用語集
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今後の対応は
Nexoの共同創設者Antoni Trenchev氏は、CoinPostの提携メディアThe Blockに対し、以下のようにコメントした。
同様のサービスを提供する企業の破産や現在の市況を考えれば、規制機関の主張は理解できる。
国や州の機関と連携し、米国で規制に準じた商品やサービスを提供できるような方法を探っていきたい。
同業のBlockFiについては今年2月、米証券取引委員会(SEC)が、当時のレートで約115億円(1億ドル)の罰金を科したと発表。仮想通貨利子付き口座のサービスを登録することで和解したことが明らかになっている。
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