はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米WisdomTreeの短期国債ファンド、ブロックチェーン上で記録を保存

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

所有権の記録にブロックチェーン利用

米資産運用会社WisdomTree社は26日、米国の短期国債に投資するデジタルファンド「WTSY」が規制当局より承認され、有効となったと発表した。

WTSYは米財務省が発行する手形や債券などを対象とした、Solactive1-3年国債インデックスに連動し運用されるファンド。暗号資産(仮想通貨)に直接/間接的に投資するものではない事に留意するよう、WisdomTreeは注意を促している。

一方、WTSYが従来のファンドと大きく異なる点は、株式の所有権の記録保持の方法にある。証券代行会社は独自の株式登録記録を保持するのに加え、ステラまたはイーサリアムブロックチェーン上に、ファンドの株式所有権の二次記録を管理する。

WisdomTreeのデジタル資産部門を率いるWill Peck氏は、WTSYを「マルチチェーン機能を備えた斬新なファンド」と形容。このファンドで仮想通貨のような匿名性の高い取引はできないが、それぞれの投資家が自身のブロックチェーンウォレットに株式所有の記録を保持できるようになる点を強調した。

また、ステラとイーサリアムブロックチェーンの利用は、イノベーションの活用を通して、より良い投資家体験を向上させるための重要なステップであると同氏は述べ、WTSYで「仮想通貨特有のユーザー体験とユースケースの利点をある程度は達成できる」との考えを示した。

主流資産をブロックチェーンに取り込む

Peck氏は、多くの世界有数の金融機関が、トークン化された資産とデジタルファンドを従来の金融サービスの一部にしようとする動きがあると指摘している。

24時間体制での即時決済の確定や、アトミック決済(ソフトウェアで資産交換の確実性確保)、金融プロセスにおけるプログラム可能なトークンを活用したコードベースのルール執行など、同氏はブロックチェーン技術がもたらす可能性を強調。革新的な機能を実装するのには、時間がかかるため、WTSYで実現することは叶わないかもしれないが、その地点への到達を目指していると語った。

このようなファンドは、米国債など主流資産の将来のユースケースや流通の機会を引き出す可能性があり、主流資産を進化するデジタル・エコシステムに取り込むことができると考えている。

新たな金融アプリでアクセス

WTSYは、今年後半にローンチ予定のブロックチェーン基盤のデジタルウォレット「WisdomTree Prime」を通して購入することが可能だという。現在はベータ版のみだが、同社のサイトで順番待ちリストへの登録を受け付けている。

なお、ファンドの運用手数料は無料に設定。(関連企業の手数料は発生する見込み)

関連:米資産管理会社WisdomTree、個人向けの仮想通貨アプリをローンチへ

WisdomTreeのJonathan Steinberg CEOは、いずれ、すべての金融資産がブロックチェーン・インフラに移行すると予想しており、同社がその分野のリーダーになるつもりであると述べている。

米ナスダックに上場しているWisdomTreeは、伝統的な金融商品に加え、ビットコインファンドや仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)の運用(欧州のみ提供)などでも知られている。米国でのビットコイン上場投資信託(ETF)の実現へ向けて、米証券取引委員会(SEC)に申請しており、昨年12月に非承認とされるも、再度、申請書を提出した経緯がある。

ETFとは

「Exchange Traded Fund (上場投資信託)」の略。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。ビットコインやイーサリアムのETFがローンチされている国もあるが、米国では申請が承認された事例はない。

▶️仮想通貨用語集

関連:米SEC、WisdomTreeのビットコインETF判断を再延期

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/07 金曜日
11:41
仮想通貨市場の投資家心理は最低水準、10万ドル節目の攻防続く
ビットコインが6月以来初めて10万ドルを割り込み、10月高値から20%超の急落。長期保有者による416億ドルの大量売却と、ETFからの9億ドル流出で市場は動揺している。個人投資家のセンチメントは過去最悪レベルに落ち込む一方、Bitwise幹部は機関投資家の投資意欲は旺盛で、年末の最高値更新もあり得ると指摘した。
11:05
テザー、新たな提携でトークン化証券市場を加速
ステーブルコイン大手テザーが資産運用会社クレインシェアーズ、ビットフィネックス・セキュリティーズと戦略提携。トークン化証券市場は2030年に約1500兆円規模へ急拡大の見込み。
10:50
時価総額トップ100の仮想通貨の内の72銘柄、最高値から50%超下落
ギャラクシーのリサーチ部門は、時価総額トップ100の仮想通貨の内72銘柄の価格が過去最高値から50%以上下落していると報告。今後の相場の見通しに注目が集まっている。
10:25
「ビットコイン市場は脆弱な均衡状態に」Glassnodeが鍵となる価格水準を分析
Glassnodeが最新市場分析を発表。仮想通貨ビットコインは軽度の弱気相場にあると指摘した。ビットコインの持続的な回復あるいは下落に必要な水準を分析している。
10:05
JPモルガンのダイモンCEOがステーブルコイン事業参入を表明、他行との共同構築も検討
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOがステーブルコインの将来は不透明としながらも事業参入を表明した。他の銀行との共同構築も検討している。
08:35
アイルランド中銀がコインベース欧州法人に約36億円の罰金、3000万件超の取引監視を怠ったと指摘
アイルランド中央銀行がコインベース欧州法人にマネーロンダリング対策違反で約38億円の罰金を科した。取引監視システムの設定ミスで総額31兆円相当の取引が未監視だった。
07:45
年間10兆ドル超のステーブルコイン取引を扱う7団体、決済標準化コンソーシアムを設立
ファイアブロックスやソラナ財団など7団体がブロックチェーン・ペイメンツ・コンソーシアムを設立した。クロスチェーンのステーブルコイン取引を標準化し、従来の決済と同様の利便性を図る。
07:05
SBIデジタルマーケット、チェーンリンクと提携
SBIデジタルマーケットは、チェーンリンクと戦略的パートナーシップを締結。これからチェーンリンクの技術を活用して、TradFiとDeFiの橋渡しをすると説明している。
06:45
グーグル・ファイナンスが予測市場データなどを統合、金融情報機能を大幅強化
グーグルが金融情報検索にカルシとポリマーケットのデータを統合し、将来の市場イベントに関する質問に回答できるようになった。
06:25
トム・リーのビットマインが210億円相当のイーサリアムを追加購入、2600億円の含み損抱えるも買い増し継続
ビットマインが6日にも約1.4億ドル相当のイーサリアムを追加購入。17億ドルの含み損を抱えながらも下落局面での買い増しを継続。
05:50
JPモルガン、ビットコイン価格予測を17万ドルに引き上げ その条件は=The Block
JPモルガンのアナリストがビットコインの今後6カ月から12カ月の価格予測を17万ドルに引き上げた。レバレッジ調整の進展と金に対する相対的な魅力の向上が理由だという。
05:30
アークのキャシー・ウッドCEO、2030年のビットコイン価格予測を大幅下方修正 150万ドルから120万ドルに
アークインベストのキャシー・ウッド氏が2030年のビットコイン強気予測を150万ドルから120万ドルに引き下げた。ステーブルコインの急速な普及が理由だという。
11/06 木曜日
16:25
ソラナ特化型戦略企業「SOLプラネット」が設立される
ソラナブロックチェーンに特化した戦略企業「株式会社SOLプラネット」が2025年11月4日に設立。外資系金融出身の野坂幸司氏がCEOを務め、企業向けにコンサルティングからインフラ構築まで一貫したサービスを提供する。
15:57
イギリス・カナダが米国に追随、ステーブルコイン規制を推進
イギリスとカナダが相次いでステーブルコイン規制計画を発表。イングランド銀行は米国と足並みを揃えた規制枠組みの導入を表明し、カナダも法定通貨担保型発行者への規制強化を打ち出した。
13:50
仮想通貨「最後の1000倍成長チャンス」はプライバシー分野、ゼロ知識証明技術が実用化された今が転換点
ソラナHeliusのMert Mumtaz CEOは、仮想通貨ではプライバシー領域が最後に残った課題であり、市場が未開拓であるため、「最後の1000倍」であり、大きなチャンスが期待できると主張した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧