はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

強気転換のカギ握るステーブルコイン市場、「勢力図」に変化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDCの縮小

暗号資産(仮想通貨)市場で流通する、米ドル連動型のステーブルコインの勢力図が変わりつつある。

CoinPost提携メディアThe Blockの集計データに基づくと、ステーブルコイン全体の流通額は22年5月のピーク値26.6兆円(1840億ドル)に対して執筆時点で20.8兆円(1441億ドル)へ縮小(22%減)している。

原因としては、今年5月に発生したアルゴリズム型ステーブルコイン「テラUSD(UST)」崩壊の影響が最も大きい。

約2兆9,000億円ものステーブルコインの解体は市場外にも飛び火して、米規制当局にも注目された。アルゴリズム型ステーブルコインの規制案が持ち上がり、米ニューヨーク連邦準備銀行が関連する論文を発表するなど、規制上のリスクを高めている。

関連:米NY連銀、米ドルステーブルコインの金融リスクを考察

個別のステーブルコインの流通量推移を見ると、米サークル(Circle)社が発行するUSDコイン(USDC)の減少が最も顕著だ。USDCの時価総額は7月のピーク値7.5兆円から執筆時点に6.2兆円へ、約18%低下した。

USDC縮小のきっかけは8月初旬に始まる。米国財務省が仮想通貨ミキシングサービス「トルネードキャッシュ」を制裁対象者リストに指定したことを受けて、サークル社が同サービスに関連するアドレス上のUSDCを凍結した。規制に遵守した米企業が発行する、USDC運用上のリスクが高まった格好だ。

一方、流通量で最大(約10兆円)のステーブルコイン「テザー(USDT)」を発行するTether社は、トルネードキャッシュの関連アドレスを凍結しない方針を示しており、制裁措置の影響を受けていない。

関連:テザー社、トルネードキャッシュ関連アドレスの凍結を行わない方針

さらに、大手仮想通貨取引所バイナンスは9月初旬、ユーザーの流動性と資本効率向上を理由に、USDCを含む複数のステーブルコイン(USDTは対象外)を上場廃止にした。この際、顧客残高を自社ブランド「バイナンスUSD(BUSD)」に変換させた影響で、BUSDの流通量は過去1か月で10%増加、流通量を3兆円台に乗せた。

金利上昇とステーブルコインの需要低下

米国債利回りが、2022年の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め政策の影響で3.5%以上に上昇したことも、USDC縮小の一端を担う。

DeFi(分散型金融)レンディング最大手「Aave」では、ステーブルコイン全体の需要が低下しており、USDCを供給(ロックアップ)しても年利0.53%しか得られない状況だ。22年5月頃、ステーブルコインの年利はおよそ3.5%前後だったが、現状の水準はハッキングを含むDeFi運用上のリスクに対してリターンが見合わない。

6日にはDeFi大手Makerプロトコルを管理する「MakerDAO」が、ステーブルコインDAIの準備金から725億円相当のUSDCを使って米国債などに投資する計画が始まったばかりだ。

関連:MakerDAO、725億円を米国債等に投資

FRB金融政策の影響で、米国でドルの借入コストが増加し、仮想通貨市場に資金が流れにくくもなっている。

モルガンスタンレー銀行の仮想通貨調査リーダーSheena Shah氏が8月末の投資家向けレポートで指摘した内容によると、ステーブルコインは市場の流動性を高め、仮想通貨ベースのローン(レバレッジ)の増加を促進し、強気のモメンタムを形成する重要な指標となる。

同氏はまた、仮想通貨の冬の時代(ベアマーケット長期化)が緩和するには、機関投資家が仮想通貨エコノミーの上位2つのステーブルコインの償還を停止する必要があるとも述べた。

関連:MakerDAO、725億円を米国債等に投資

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/03 金曜日
17:37
積立NISAの次は?35歳会社員のイーサリアム投資相談
積立NISA実践中の35歳会社員が、次の投資先として注目するイーサリアムステーキング。月5,000円から始められる暗号資産投資の基礎知識、積立NISAとの違い、リスクと対策を専門家がわかりやすく解説。家族への説明方法も紹介
17:36
月2万円で始めるイーサリアム 35歳会社員の積立シミュレーション
月2万円のイーサリアム積立投資で5年後の資産はどうなる?35歳会社員が実際の数字でシミュレーション。頭金50万円のケースや価格変動パターン別の詳細な試算結果、始め方の3ステップまで具体的に解説します。
13:55
「ミームコインは仮想通貨への入り口として重要」=ギャラクシーデジタル考察
米仮想通貨金融大手ギャラクシーデジタルは最新レポートで、ミームコインはもはや単なるブームではなく、仮想通貨市場への新規参入者誘致に重要な役割を果たしていると指摘した。一方、ごく少数のトークンのみが生き残り、大半は衰退するなど、ギャンブル性が高いことには注意を促した。
13:30
アーサー・ヘイズ、「フランス債務によるユーロ増刷はビットコインを上昇させる」
著名アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、フランスの債務問題によるユーロ増刷が仮想通貨ビットコイン価格を押し上げると予想した。ドイツ・日本の資本還流の可能性も指摘する。
10:40
ビットコインに10月の季節的追い風、「アップトーバー」で高騰の可能性=アナリスト分析
ビットコインの10月高騰傾向「アップトーバー」に注目が集まっている。ブルームバーグ、ヤフーファイナンス、JPモルガンなどの分析をもとに、その背景にある季節要因や市場材料を解説。
10:02
スイ財団、エセナ、スイ・グループが独自ステーブルコイン「suiUSDe」「USDi」立ち上げへ
仮想通貨スイのトレジャリーであるスイ・グループと、スイ財団、エセナが協力し、独自ステーブルコイン「suiUSDe」「USDi」を発行する計画だ。特徴など詳細を解説する。
09:45
トークン化株式xStocks、「Wallet in Telegram」に対応拡大へ
トークン化株式のxStocksは、テレグラム向けの仮想通貨ウォレットWallet in Telegramに対応を拡大すると発表。10月の終わりから段階的にローンチする計画である。
08:45
イーサリアム「フサカ」、ホレスキーテストネットで稼働開始
イーサリアム開発者はホレスキーテストネットで次期アップグレード「フサカ」が稼働したと報告。10月14日と28日に他のテストネットで実施後、12月3日のメインネット実装を予定している。
08:10
ビットコイン12万ドル突破、米政府閉鎖で無政府資産として再評価強まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコイン市場は10月1日以降、上昇基調を強め、3日にはついに12万ドルを突破した。米政府の閉鎖および財政問題が続くなか、ビットコインの「無国籍資産」としての特性が市場で強く意識されている。
07:40
XRP財務戦略を拡大へ、ナスダック上場のVivoPowerが約28億円を調達
仮想通貨XRPの財務企業VivoPowerは、普通株の追加発行で約28億円の資金を調達したことを発表。調達した資金はXRP財務戦略の拡大と負債の返済に活用するとした。
07:40
デジタル証券とステーブルコイン連携、日本版トークン化MMF実現へ
三菱UFJ信託銀行子会社のProgmatが315組織による日本版トークン化MMFの検討結果を発表。ステーブルコインと連携し、ブロックチェーン上で証券取引から決済まで完結する仕組みの実現を目指す。国内デジタル証券市場は5,189億円規模に成長。
06:50
スペインBBVA銀、ビットコインとイーサリアムの24時間取引を開始
スペインの大手銀行BBVAが同国の主要金融機関として初めて24時間体制の仮想通貨個人取引サービスを開始。顧客はモバイルアプリを通じてBTCとETHの売買が可能となった。
06:20
ナスダック上場のフィテル、2.2億円相当のPUMPを購入 株価は下落
ナスダック上場の豪フィテル・コーポレーションがミームコイン発行プラットフォーム「パンプファン」のネイティブトークンPUMPを150万ドル分購入した。アークインベストが最近のレポートでパンプファンを高く評価している。
05:55
「金と比べて過小評価」、ビットコインの年末価格を16.5万ドルと予測=JPモルガン
JPモルガンのアナリストがビットコインの年末価格を16万5000ドルと予測。また、シティグループは13万3000ドルと予想。BTCは3日に12万ドルを突破した。
05:35
米CME、仮想通貨先物とオプションの24時間取引を2026年初頭に開始
米CMEグループが仮想通貨先物とオプション取引を週7日24時間体制で提供すると発表した。規制審査を経て2026年初頭に開始予定で、高まる顧客需要に対応。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧