ビットコインの長期動向
バンク・オブ・アメリカの関係者は24日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)が避難資産になりつつあると指摘した。ゴールド(金)の相関性が再び上昇している傾向を要因として挙げた。
現在、BTCと金の40日間相関係数は「0.5」と中度の相関関係にあるが、相関係数が「0」だった今年8月と比較すると上昇傾向にある。
対照的に、米主要株式指数のNASDAQ(ナスダック)とビットコインの相関係数は今夏のピーク時には0.92まで上昇していたが、ここ数週間は減少傾向にあり、その分ゴールドとの相関性が増したとの見方もある。
金(ゴールド)は歴史的にリスク回避のための安全資産としての性質が認められるほか、米ドルなどの法定通貨が大量発行により希釈化される中、供給量の限定されるゴールドは、インフレヘッジのための代替(オルタナティブ)資産の一つとしても一定の需要を発揮してきた。
その点において、ビットコインも最大供給量が2,100万BTCと有限であることから、2020年頃には「デジタル・ゴールド」としての需要が保有理由として挙げられた時期もあった。
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長期保有は増加
オンチェーンデータ分析によれば、20,000ドルの心理的節目を前後しての推移が続くビットコインは、2021年以降に「6ヶ月間以上保有するBTCアドレス数」が過去最高に達した。
ブロックチェーン分析企業Reflexivity Researchの共同設立者であるWill Clemente氏は、ビットコインの供給量の内、最低6ヶ月間以上移動(=取引)していないBTCが過去最大規模となる約78%に到達したと説明。
世界的なマクロ経済の悪化や地政学リスク、緊迫化するウクライナ情勢をめぐり第三次世界大戦に発展するかもしれないという恐怖が蔓延し、それでも長期保有を続ける投資家の姿勢は「強い信念」を示していると分析した。
A new all-time high 78% of Bitcoin supply has not moved in at least 6 months.
— Will Clemente (@WClementeIII) October 23, 2022
Pretty remarkable in the face of the worst macroeconomic backdrop in recent history, geopolitical uncertainty, and WW3 fears. There is a group of seriously convicted HODLers out there. pic.twitter.com/JByK1TVR2k
HODLは元々、ビットコイン掲示板におけるHold(ホールド)の誤字が由来。仮想通貨界隈における長期保有(ガチホ)を示す用語として使われている。
HODL Waveとは
ビットコインの未使用取引アウトプット(UTXO)データを基に、ビットコインの長期保有状況を数値化した指標。ビットコイン供給量の内、どれほどのBTCがどれほどの期間HODLされているかを異なる色で表す。
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