はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米BNYメロン「機関投資家の76%が仮想通貨を保有、または保有を検討している」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル資産への関心

米大手信託銀行のBNYメロンは、デジタル資産への投資に関して、運用資産(AUM)1兆ドルを有す国際的な資産運用会社271社を対象とした調査レポートを公開した。意識調査は2022年5月下旬~6月にかけて実施された。

BNYメロンは、「従来の機関投資家の意識は変化しつつあり、彼らはポートフォリオの3分の1まで、デジタル資産で構成される世界を想像する準備ができている」と統括。

その一方で、運用に関する規制が明確でないため、「ブロックチェーンネイティブのサービスプロバイダーを利用することに抵抗がある機関が多い」と報告。

「伝統的な資産とデジタル資産を組み合わせたハイブリッド・ポートフォリオをサポートする必要性」が高まっているとして、「伝統的なレールを持つTradFi(伝統金融)」が担うべき課題と述べた。

BNYメロンは10月11日、機関投資家対し、仮想通貨のカストディサービスを正式に開始していた。

関連:米BNYメロン、仮想通貨保管サービスを開始

現状の課題

出典:BNYメロン

レポートによると、バイサイドの機関投資家(生損保や信託銀行、投資顧問など)の多くが、顧客の需要に応えてデジタル資産市場に参入するようになっている。

さらに、271社のうち76%が、「直接暗号資産(仮想通貨)を保有、もしくは検討している」と回答。50%が「間接的なエクスポージャーを得ている」と回答した。現時点ではポートフォリオにおいて仮想通貨が直接占める割合は1.5%程と少額にとどまるが、今後2~3年以内に2.8%と2倍程度まで拡大する見通しもある。

なお、回答者の86%が、仮想通貨投資について長期保有を行うことを前提とした投資手法「バイアンドホールド」を示唆している。

一方でレポートは、「伝統的な金融機関による保管・取引執行サービスが不足している」現状の課題点を浮き彫りにした。回答者の69%は、十分な資本力があり、カウンターパーティリスクの低い「伝統的な金融機関」としかデジタル資産を取引しないと述べている。

特に、回答者の19%は、コンプライアンスチームが仮想通貨ネイティブのサービスプロバイダーを承認さえしないと回答。一方で、機関投資家の70%が「カストディや取引執行などのサービスを提供する信頼できるプロバイダーが現れれば、デジタル資産の運用を拡大する」と期待を覗かせた。

出典:BNYメロン

関連:米ナスダック、仮想通貨カストディをローンチ計画

ステーキングとトークン化資産

出典:BNYメロン

利回りを求める機関投資家の間で、DeFi(分散型金融)のニーズが高まっている。特にステーキングのサポートが重要なサービスと挙げられ、半数近く(48%))の機関投資家がTradFiの利用を希望する一方、47%がリスクの観点から「デジタルネイティブ企業は利用することはない」と回答した。

また、回答者の大多数(88%)は、ステーブルコインとも呼ばれる現金のデジタル表現に抵抗がないと回答した。

なお、機関投資家の間で特に関心を集めている(全体の91%)のが、「トークン化資産への投資」だ。

回答者の97%がトークン化資産は「資産運用に革命をもたらす」「業界にとって良いことである」と主張。価値移転による摩擦改善(84%)、投資家のアクセスを向上させる(86%)、その他、決済時間の短縮、流動性の向上などの利点が強調された。

出典:BNYメロン

レポートによると、現在、香港とシンガポールが「トークン化資産への投資」における世界的なリーダーとして台頭。両国は早期からトークン販売(Initial Coin Sales)の規制整備に取り組み、セキュリティトークンが証券制度の管轄下に置かれている。BNYメロンは以下のように続けた。

香港はアジアを代表する債券ハブであり、発行額は日本を除いて第3位と評価されている。

10月31日には、シンガポール最大手の商業銀行であるDBS銀行が、トークン化されたシンガポールドルの発行テストを行うと発表した。

関連:シンガポール政府とDBS銀行、デジタル通貨によるクーポン配布を実験

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/07 月曜日
16:00
Binance Japan千野剛司社長が語る日本市場戦略|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のプラチナスポンサーとしてブース出展を決めた、世界最大級の暗号資産取引所Binanceの日本法人が、国内最多60銘柄の取扱いを達成。千野剛司社長がWebX 2025への期待と日本市場での展望を語る。
15:57
メタプラネット、約345億円でビットコイン追加購入 保有量15,555BTC
メタプラネットが345億円でビットコイン2,205BTC追加購入。累計保有量15,555BTCで世界上場企業5位に。555ミリオン計画の進捗と株価への影響、今後の戦略を詳しく解説。
13:57
ヴィタリックらがイーサリアムのトランザクションごとのガス上限を共同提案 DoS攻撃対策と安定性向上目指す
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏と研究者のトニー・ワースタータ氏は、ネットワークのセキュリティと安定性向上を目的として、トランザクションごとのガス使用量にプロトコルレベルの上限を導入するEIP-7983を提案した。
12:21
イーロン・マスク、新政党でビットコイン支持示唆 法定通貨への懸念表明
イーロン・マスク氏が新政党「アメリカ党」でビットコイン支持を表明。「法定通貨は絶望的」と発言し、暗号資産への姿勢を鮮明に。トランプ氏との対立から第3政党設立へ。2026年中間選挙で限定的な議席獲得を目指す戦略も明らかに。
12:15
UAE当局、トンコインによるゴールデンビザ取得プログラムを否定=報道
アラブ首長国連邦当局がトンコインのステーキングでゴールデンビザを取得できるプログラムを否定した。当ビザの要件で仮想通貨投資家は対象外と表明している。
12:07
ビットコイン高値圏で推移、取引所の流入・流出比率は3年ぶり低水準に
ビットコインは109,060ドルで小幅上昇。取引所流入・流出比率が0.9まで低下し、2023年弱気相場以来の最低水準を記録。昨年11月の米大統領選以降、約20万BTCが取引所から流出し、残高は280万BTCと7年ぶりの低水準となった。これは投資家の長期保有志向の強まりを示しており、短期投機から長期価値投資へのシフトが鮮明になっている。
09:22
米シークレットサービス、過去10年間で犯罪関連の仮想通貨580億円相当を押収
米シークレットサービスが過去10年間で4億ドル相当の仮想通貨を押収した。米国では豚解体詐欺による銀行破綻も発生しており捜査当局は仮想通貨が関連する犯罪への対処を進める。
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次レポート:1600万円台を窺う展開、トランプ減税法案通過で相場底堅く推移|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)対円相場は1600万円を窺う底堅い展開。トランプ減税法案上院通過で1520万円台で下げ渋り、ADP雇用レポート下振れによる早期利下げ観測で1570万円台に回復した。bitbankアナリスト長谷川氏は下降チャネル突破も11万ドル乗せに苦戦と分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BitwiseのBTC20万ドル到達予測維持に高い関心
今週は金融アドバイザーの推奨ポートフォリオ、Bitwiseのビットコイン20万ドル到達予測維持、アリゾナ州知事による押収仮想通貨の準備基金法案への拒否権行使に関するニュースが最も関心を集めた。
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧