CoinPostで今最も読まれています

FTX、破産法適用を申請 対象はFTX Japan含む130社超

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FTXが破産申請

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは11日、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)にもとづいた破産申請を行ったことを発表した。

破産申請の対象になるのは約130社で、取引所のFTX JapanやFTX US、姉妹企業のアラメダリサーチなどが含まれる。FTXのサム・バンクマン=フリード氏はCEOを退任し、ジョン・J・レイIII氏が同職に就任。世界の利害関係者のため、これから状況を精査し、負債の整理などを進める。

関連12日朝の金融市場短観|FTX破産法申請 仮想通貨市場乱高下

関連仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

チャプターイレブン11は、日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行うことを目的とする。アラメダリサーチの破産申請書類によると、今回の債権者の数は合計で10万超。負債は100億ドル(約1.3兆円)から500億ドル(約6.9兆円)に上るが、流動性の低い資産を含む資産も100億ドルから500億ドルあるとしている。

新たにCEOの職に就くレイ氏は、米エネルギー企業エンロンの破産を監督した経験を持つという。今回の破産申請について以下のようにコメントした。

チャプターイレブン11を即座に申請することは、我々が現状を精査し、利害関係者の資産回復を最大化するために適切な手段であると考えた。

FTXグループは、共同で有効に活用できる、価値のある資産を保有している。

そして、全従業員、顧客、債権者、株主、投資家、政府機関らに、透明性高く綿密に手続きを進めることを約束すると説明した。

なお、以下の4社は破産申請の対象にならないとしている。

  • LedgerX LCC
  • FTX Digital Markets Ltd.
  • FTX Australia Pty Ltd.
  • FTX Express Pay Ltd.

仮想通貨ユーザーへの教訓

FTX/サムの転落劇は、アラメダリサーチの財務状況の漏洩に端を発する。FTXは大手仮想通貨取引所バイナンスに買収による支援を求めたが、バイナンスは調査(デューデリジェンス)を行い、ユーザー資産の管理方法や米規制機関の動向に関する報道も加味した結果、買収はしないと決定した。

関連バイナンス、FTXの買収は行わないと正式発表

バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは12日、今回の教訓として、以下のような企業や取引所、プロジェクトの利用は避けるように注意を促している。

  • 利益を生まない
  • 独自トークンを売ることで生き残っている
  • ユーザーがトークンをロックすることに対し、高いインセンティブを設けている
  • 独自トークンの総供給量は多いが、循環している数量が少ない
  • ローンを行なっている

出金について

今回のチャプター11の手続きは、仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の例から見ても、長期に渡ると見られる。そのため、FTXやアラメダによるトークン資産の投げ売りへの懸念は後退した格好だ。

関連マウントゴックス、債権者が弁済情報を登録する新機能をリリース

関東財務局から行政処分を受けたFTX Japanは11日、日本円の出金サービスを再開。仮想通貨の出庫サービスについては、再開できるように取り組んでいるとした。

関連鈴木金融相、FTX Japan顧客資産の国外流出に警戒感示す

11日の20時現在で、1499回の日本円の出金を処理。今週末もオペレーションチームによる日本円出金サービスの監視を予定していると説明している。

また、FTXはバハマにおけるKYCを済ませたユーザーのみを対象に出金を再開したようだが、現在も対応を継続中。FTX USも、イーサリアム(ETH)の出金が一時停止するなどの報告があったが、のち再開したという。

FTXとは

「SBF」の通称で知られるサム・バンクマン=フリード氏が率いている仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。

▶️仮想通貨用語集

関連日本進出した最大手仮想通貨取引所「FTX」とは |主な特徴とサービスを徹底解説

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/16 月曜日
11:00
仮想通貨ウォレット「BOSS Wallet」でのステーブルコインUSDTの保管方法を解説
ステーブルコインUSDTは、BOSS Walletのような仮想通貨ウォレットでチェーンに関係なく保管できます。この記事はBOSS WalletでのUSDTの保管の仕方についてご紹介します。
10:00
ユーザーファーストの分散型仮想通貨ウェアウォレットBOSS Walletとは
BOSS Walletは、ユーザー中心の分散型仮想通貨ソフトウェアウォレットであり、単一の秘密の復元フレーズで複数のウォレットを作成可能にしています。本記事は特徴や使い方を解説します。
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。
06:15
米マイクロストラテジー、18300BTCのビットコインを追加購入
米マイクロストラテジーは13日、仮想通貨ビットコインを追加購入したことを発表した。
09/13 金曜日
15:00
ヴィタリック・ブテリン氏、L2プロジェクトの分散化を促す基準適用を宣言 
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、L2で分散化に関する一定の基準を満たさないプロジェクトについては、来年からは公に支持することはないと宣言。同氏が定義した分散化の三段階で「ステージ1」に達していないプロジェクトは「失敗」とみなすと述べた。
13:40
SWIFT、現実資産(RWA)トークン化分野で新たなソリューションを開発
SWIFTがトークン化資産と法定通貨の相互運用性を高めるソリューションを開発中。CBDCやステーブルコインも利用予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア