はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SECが2022年度の執行実績を発表 罰金総額は過去最高の8,900億円に 仮想通貨業界でも多数の執行例

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

記録を塗り替えた1年

米証券取引委員会(SEC)は15日、2022年度に行われた強制措置の実績を発表した。

執行件数は前年度比9%増の760件に及んだ。罰金、不正利得没収、予見利息などの執行命令金額の合計は約8,948億円(64億3,900万ドル)で過去最高額となり、前年度を67%も上回った。

執行部門の責任者であるGurbir Grewal氏は、同日の会見で「より効果的な抑止力を促進するため」22年会計年度の罰則を再調整したと発言。不正行為に対する処罰は、その行為をやめさせるために経済的に十分な痛みを伴う必要があると主張し、次のように説明した。

もし市場参加者が、SECから罰金を科されることを、ビジネスを行うためのコストとして織り込み済みであると考えるなら、罰金は効果的な罰でもなければ、抑止力にもならない。市場参加者は、証券取引法を遵守することが、違反するよりも割安であると認識する必要がある。

SECによる22年度の不正利得の没収は3,129億円(22億4,500万ドル)で前年度から6%減少した一方、民事罰金は5,845億円(41億9,400万ドル)で過去最高額となった。

Grewal氏は、このような罰金と没収金の比率の変化は「リスクとリターンの予測が数年前とは異なることを示している」と指摘。SECの抑止力の一例であると述べた。

米SEC(米証券取引委員会)とは

1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨関連の執行例

SECは22年度の証券市場における主要な執行措置について具体例を挙げて報告し、暗号資産(仮想通貨)関連では以下のような例を取り上げた。
  • NVIDIA(大手半導体メーカー):仮想通貨のマイニングが同社のゲーム事業に与える影響について、適切な情報開示が欠けていたと指摘。約7億6,800万円(550万ドル)で和解が成立。
  • 米大手取引所コインベース:プロダクトマネージャーによるインサイダー取引容疑、上場予定の銘柄情報を利用
  • Forsage (詐欺プロジェクト):420億円規模。ポンジスキーム(ネズミ講の一種)の疑いで関係者11人を起訴。うち2人は罰金支払いで和解が成立
  • BlockFi(仮想通貨レンディング):SECに未登録で仮想通貨融資商品のオファーと販売を行った。投資会社法の登録要件違反で起訴。SECへの登録と139億円(1億ドル)の罰金支払いで和解。

関連:米コインベースの元従業員ら3名、仮想通貨のインサイダー取引で逮捕

SECは声明で、同機関の執行部門が「急速に発展している暗号資産証券分野に引き続き注力している」と強調。5月に仮想通貨領域に携わる調査チームを20名増員し、チーム名をサイバー班から「仮想通貨及びサイバー班」に改称したことに言及した。

この執行部門の人員強化が、上記のような「重要な執行措置」につながったとSECは指摘した。

関連:SEC、仮想通貨領域の担当チームを増強 一部からは抵抗の声もへ

しかし、仮想通貨に対する規制の明確性を示さないまま、法的執行によって規制の前例を作ろうとするSECの姿勢については、批判の声も多い。

仮想通貨XRPの未登録証券問題をめぐるリップル社とSECの裁判では、米大手取引所コインベースが14日、法定助言書を提出。SECがリップル社に対し、違法な行為の公式な通知を長期間怠ったとのリップル社の主張を支持した。

同社のブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者によると、11月4日時点で既に12の企業や機関から法廷助言書が提出されており、裁判のこの段階では前代未聞だという。

関連:米コインベース「XRPの証券性について、SECは公正な事前通知を怠った」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/03 月曜日
13:40
欧州が仮想通貨・証券の統一監督機関設立を検討 米SECモデルに
欧州委員会が仮想通貨・証券取引所を一元監督する機関を構想している。米証券取引委員会をモデルにしており、ESMAの権限拡大案も検討していると伝えられる。
13:36
FTX債権者は仮想通貨上昇分の恩恵受けられずか 債権実質回収率の試算は9%~46%
仮想通貨取引所FTXの債権者は破綻時の現金相当額で弁済されるため、債権者はビットコインなどの上昇分を受け取れないことになる。債権者代表は、実質回収率は9~46%と推算した。
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。
09:00
Sui DEX「Momentum」、11月上旬にTGE予定 累積取引量250億ドル超でエコシステム基盤化
Sui最大のDEX「Momentum」、210万人のユーザーを獲得。投票型ガバナンスで投票者自身が報酬配分を決定し、プールの手数料を得る仕組みで流動性の安定化を目指す。
07:00
【流通額1億円突破】JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11/02 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、フランスのビットコイン戦略的備蓄法案提出やソラナETFの米上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
11:30
ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインは逆三尊形成中でギリギリの水準。来週のISM統計で景気減速が確認されれば12月利下げ期待が強まり、11.6万ドルのネックライン到達も。今後の展望を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本人新規登録停止に高い関心
今週は、日本初のステーブルコインJPYC始動、SBIインシュアランスグループによる株主優待へのXRP導入、仮想通貨取引所Bybitによる日本人の新規登録停止に関する記事が関心を集めた。
07:30
米国アルトコインETFの審査状況一覧 ソラナやXRP・ドージなど
ビットコインやイーサリアムに続き、ソラナやリップルなど多数のアルトコインETF申請が進行中。2025年の米国規制環境で加速するETF審査状況を整理しました
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧