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ブロック社、アフリカのビットコイン採掘企業に出資 仮想通貨利用が普及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アフリカのビットコイン普及

決済企業ブロック(旧スクエア社)は6日、アフリカの暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Gridlessのシードラウンドに参加したことを発表した。アフリカ市場でのビットコイン(BTC)採掘と再生可能エネルギーの需要安定を図る。

Gridlessは現在、東アフリカ(ケニア)の小規模なエネルギー発電機でサステナビリティ(持続可能性)の安定化が課題となっている拠点を支援してきた。調達した資金を活用して、今後は他拠点でのマイニング事業を展開していく。

今回、ブロック社やBTC企業に特化した投資ファンドStillmarkは総額200万ドル(2億7,000万円)を同社に出資。特に、小規模なエネルギー拠点では採算の見込みが低くなりやすいため、再生可能エネルギーの普及が課題となっているため、アフリカでのグリーンエネルギーの整備とビットコインマイニングの強化を行なっていく。

今回の資金調達について、GridlessのErik Hersman CEOは以下のようにコメントした。

アフリカは手頃な電力を必要としている。再生可能エネルギーのミニグリッド開発者を支援する我々の活動は、開発者がより速く拡大し、より持続可能な形でより多くの世帯へのサービス提供を可能にする。

今回の投資と、我々とともに協力してくれる優秀なパートナーのおかげで、必要な資本と戦略的支援の両方を手に入れ、事業展開を加速させることができる。

また、Twitterの前CEOであるジャック・ドーシー氏が率いるブロック社のビットコイン・マイニングおよびウォレット部門の責任者であるThomas Templeton氏は以下のようにコメントした。

弊社は、世界の再生可能エネルギーによるハッシュレートの加速を支援することに強い関心を寄せている。

Gridlessは、世界中のビットコイン採掘拠点と組み合わせて、ビットコイン・ネットワークがますますクリーンエネルギーを活用することを確実にするという我々のビジョンと戦略的に密接に連携することを意味している。ビットコインの通貨エコシステムの背後にある分散型インフラストラクチャの安全性を確保しながら、コミュニティの積極的な外部性を支援することができる。

マイニングとは

ビットコイン(BTC)など、コンセンサスアルゴリズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用する銘柄の取引を検証・承認すること。マイニングに成功すると見返りとして報酬が得られる。

▶️仮想通貨用語集

関連:初心者でもわかる、ビットコインのマイニング(採掘)とは 3種類の方法を解説

環境問題とビットコイン

再生可能エネルギーやグリーンエネルギーの普及における課題の1つには初期コストに対する継続した電力消費(需要)が釣り合わない問題が残っている。こうした場面で、継続した計算能力を実現する為に仮想通貨、特にビットコインのマイニングがグリーンエネルギーの普及に貢献するとの見方が強い。

2021年にはビットコインの電力消費量が国家レベルで比較すると世界30位にランクインする点や、一部の地域で地球環境への悪影響が懸念される火力発電を利用したマイニング活動が取り沙汰されたが、一般的なデータセンターと違い、災害時など電力網の需要に応じて即座に稼働を停止しやすい点もメリットの1つだ。

マイニングシェア1位の座が中国から米国に移り変わって以降、採掘拠点として頭角を表してきたテキサス州では21年2月の大雪で電力網が一時停止するなど、電力網の脆弱性が懸念されてきた。しかし、2022年6月には初夏の熱波などに応じて即座に稼働を停止できたマイニング拠点は評価が見直された一面もある。

関連:マイニングの環境問題が再浮上、批判の趣旨と今後の課題とは

アフリカのビットコイン動向

今回、Gridlessへの出資が発表されたのは今週5日から7日まで西アフリカのガーナで開催されている「アフリカビットコインカンファレンス(Africa Bitcoin Conference)」で発表された。

同イベントではライトニング・ネットワークを活用した決済企業ストライク(Strike)も6日、米国からアフリカへの低コスト送金を可能にする「Send Globally」機能の実装を開始。まずはナイジェリア、ケニア、そしてガーナの3ヵ国が対象となる。

新たな送金機能はアフリカの決済企業Bitnobとの連携で実現する。ライトニング・ネットワークを経由して、手数料なしでアフリカにいるユーザーの銀行口座に直接ナイラ、セディ、そしてケニア・シリングとして送金が可能となった。

Strike社はビットコインを利用した高速な決済に力を入れている企業。同社のCEOであるジャック・マーラーズ氏は2021年のエルサルバドルでのビットコイン法導入で尽力した人物の一人だった。

関連:「ビットコインがもたらす自由と金融包摂」Strike CEOが力説

ライトニングネットワークとは

ビットコインのトランザクション処理能力を解消するため、レイヤー2を利用したオフチェーン技術のこと。取引の高速化や手数料削減が実現すれば、少額決済が行えるようになるため、それによって新しい商品やサービスが生み出されることも期待されている。

▶️仮想通貨用語集

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの統計によれば、中東・北アフリカ(MENA)地域は世界で最も仮想通貨の取引量が急速に成長したことも確認されている。特に取引量が増加したのは世界14位にランクインしたエジプトで、法定通貨の急落や国際送金での仮想通貨普及が後押しとなった。

出典:Chainalysis

また、銀行口座を持たないアンバンクト層の人口が多いなど、金融包摂でも課題となっているアフリカでは、個人間でのP2P取引における仮想通貨利用が急増。1,000ドル以下の少額送金は世界で最も高い割合を記録している。

関連:世界最高のP2P取引率を誇るアフリカ、金融包摂で仮想通貨利用が普及

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