はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

広がるNFTの利活用事例 野生動物の保護や世界的文化遺産の保全まで

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTを社会貢献に活用

ゲームやスポーツ、アート分野で主な活用事例が多くみられるNFT(非代替性トークン)だが、社会のさまざまな課題解決に向けた活動にも使われ始めている。

メタバースプラットフォーム「Upland」は22日、ユニセフ・ブラジルと長期的なパートナーシップを締結。ブラジルの青少年を対象とした教育や職業訓練、雇用機会拡大のため、Web3関連の教育プログラムを提供する。

Uplandは「現実世界にマッピングされたバーチャル不動産戦略ゲーム」で、米シリコンバレーに本拠を置く「Uplandme」が開発・運営している。ゲーム内のトークンを使用して、仮想土地を所有し、開発することができる。また不動産の売買や、バーチャルビジネス運営を通して収益を得ることも可能だ。

この教育プログラムのコンテンツは、ユニセフの「100万の機会(1MiO)」イニシアチブが監修し、Uplandが提供する。若年層(14歳から29歳)を対象に、バーチャル・コミュニティ主導の環境に対応する、以下のようなスキルの習得を目指す。

  • 基礎的なスキル:Web3、ブロックチェーン技術、スマートコントラクト、メタバースに関する基礎的な教育
  • 職業別のスキル:メタバース経済における機会の特定と、web3業界における新しい仕事や機会についての教育
  • デジタルスキル:Uplandメタバースでの働き方、不動産など、デジタル・コレクティブルの鋳造(ミント)方法、自己資本の拡大、コレクションの完成、チャレンジの成功、コミュニティイベントへの参加の方法
  • 起業スキル:メタ起業家として、Uplandメタバース上でビジネスを構築する方法
  • 応用の利くスキル:実生活にも応用可能な、不動産、利回り、ステーキング、トークン化などに関するweb3関連の教育

提携の一環としてUplandは、300万人をこえるコミュニティメンバーを対象に、ユニセフやクリスマスシーズン関連のデジタルグッズを販売する。

Uplandのバーチャル・リオデジャネイロには、ユニセフの名を冠した二つの建造物が建設され、季節にちなんだ屋外用デコレーションのNFTを生産。メタバースのユニセフショールームで販売される。このNFTはユーザーが所有する建物の飾り付けに使うことが可能で、収益はユニセフへ寄付され、教育プログラムの専用資金として使われるという。

Uplandの共同創業者であるIdan Zuckerman共同CEOは、「この4年間で、UplandユーザーがWeb3の知識を活かして、経済的な成功を収めたという話を何千件も目にしてきた」とコメント。新たな教育プログラムを通して、ブラジルの若者がチャンスを掴む可能性に期待をのぞかせた。

NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める

▶️仮想通貨用語集

文化遺産の保全

Web3を活用して、世界的文化遺産を共有・保全しようとするスタートアップもある。

米フロリダ州を拠点とする「Quantum Temple」は文化や伝統をNFTという形で記録し、それぞれのコミュニティを支援したいと考えるコレクターや旅行者にアピールするアプローチを採用。同社のNFTは人類学者によって、監督・検証されているという。

現在、開発中のプロジェクトはインドネシア・バリ島の文化遺産をモチーフにしたNFT。プロジェクトのアドバイザーであるSteve Lansing教授(文化人類学)は、NFTは「コミュニティが世界と遺産を共有する新しい方法」であり、「コミュニティとアーティストに直接利益をもたらす新しい収益源を生み出す」と述べている。

Quantum Templeのコミュニティメンバーとなるためには申請が必要で申請が許可されると、メンバーとしてNFT「Cosmic Egg 」が入手可能になる。Cosmic Egg所有者は、Quantum Templeのコミュニティ支援ファンドのガバナンス票の獲得や、公式イベントへの参加、NFTのドロップやエアドロップなどに優先的にアクセスできるなどの権利が与えられる。

野生動物の保護

絶滅の危機にあるゾウ、ライオン、チーター、サイなどアフリカの野生動物のNFTも登場した。

オランダを拠点とする分散型炭素クレジット取引所「Coorest」と自然保護コンサルティング会社PLCnetwork of the Southern Hemisphereが共同で、実在する個々の動物をトークン化し、種類、年齢や性別などの情報が含まれるNFTとして販売する。

NFTは動物そのものの所有権ではなく、その動物が生きていることを毎月証明する「生存証明」として活用される。

野生動物の保護には、多大なコストがかかるが、資金は限定的な場合が多い。このNFTの収益の70%は、動物保護区の支援に使われるとのことだ。また、NFTの所有者は、支援している動物に会えるよう、アフリカの野生動物保護区に招待されるという特典も用意されているという。

また、Coorestとブロックチェーンゲーム会社でNFTマーケットプレイスを運営する「VulcanForged」の提携により、野生動物NFTの保有者はNFTを売買したり、P2E(遊んで稼ぐ)ゲームで使用し報酬を得ることも可能だ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/13 土曜日
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
12/12 金曜日
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
14:57
米CFTC、ポリマーケットなど4社にデータ規制で柔軟対応
米CFTCが予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆2000億円)に達し、急成長が続いている。
13:55
コインベース、予測市場とトークン化株式ローンチ予定=ブルームバーグ
米最大手仮想通貨取引所コインベースが12月17日に予測市場とトークン化株式を発表予定。ジェミニのCFTCライセンス取得やDTCCのトークン化承認など、業界の競争激化と規制進展が加速している。
13:20
テラフォームラボのド・クォン創業者に懲役15年の判決 ステーブルコインUST崩壊背景に
テラフォームラボのド・クォン創業者に米国地裁で懲役15年の判決。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST崩壊により数兆円の被害をもたらしていた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧