はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

Web3の重要インフラ、SINSOのデータ指向のプログラマビリティとは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

データ指向のプログラマビリティ

SINSOは分散キャッシュネットワークとデータのプログラマム化(プログラマビリティ)に焦点を当てたプロジェクト。分散キャッシュネットワークはWeb3.0(分散型ウェブ)インフラの一つとして注目を集める分野だ。

Web3.0のユースケースは、DeFi(分散型金融)やGameFi(ゲーム+金融)、NFT(非代替性トークン)だけではない。コアなコンセプトは、「データ指向型世界」に基づいている。

ブロックチェーンのユースケースで求められる要素技術は、そのアーキテクチャの技術的な進化により変化してきた。飛行機が空力エンジンによってのみ支えられるように、宇宙空間へ飛ぶのであればロケットエンジンが必要になるのと同様だ。

データ指向型世界において、重要な基盤となるのがファイルコイン仮想マシン(FVM)の存在だ。

ビットコインでは成し遂げられなかった「チューリング完全」に準拠したことで、イーサリアムでは「イーサリアム仮想マシン(EVM)」と呼ばれる状態マシーンでプログラムを実行できるようになった。2015年の誕生から数年後、DeFi(分散型金融)の分野でその性能を発揮し、世界に衝撃を与えている。

そして2023年、ファイルコイン(FIL)は新たなデータ指向のパラダイムを形成しようとしている。ファイルコインは分散型ストレージネットワークとして知られているが、そのビジョンは広大だ。ファイルコインのビジョンを理解することで、SINSOのプロジェクトの理解が深まるだろう。

ファイルコインが変える環境

結論から言えば、ファイルコインは、「オフチェーンデータを統合した、チューリングコンプリートのコンピューティング環境」をもたらそうとしている。

イーサリアムの用途はDeFiや金融ユースケースに限ったものではないが、ファイルコインとの主な違いは外部データを取得できることにある。イーサリアムにもチェーンリンクなどのオラクルがあるが、為替フィードなど金融シナリオに偏っており、DeFi以外の領域は比較的弱くなる。

ファイルコインは人間社会の貴重なデータを永続的に保存するために構築されており、コミュニティは今、オフチェーンの大量の実データにスマートコントラクトを組み合わせた「プログラマブルストレージ」という、新たな分散型インフラストラクチャーの構築に注力している。

FVMはイーサリアム仮想マシン(EVM)と互換性を備えるため、dApps(分散型アプリ)への実装が簡単。さらに、ローカル環境に保存されたデータの検証証明を得るため、データ検証のオラクルを必要としない特徴がある。

この特性により、データ自体が取引の対象となり、データの一貫性と真正性を保護する必要がある場合、データ資産の運用に関する重要な問題を解決する。

ファイルコインは2023年第1四半期にも、独自のプログラマビリティを実現予定。これにより、デジタル経済が次のステージに移行し、新たなユースケースが模索される可能性がある。

FVMにより、ファイルコインの経済圏はさらに拡大し、ネットワーク参加者の価値をさらに引き上げ、ストレージスペースに対する市場の需要を喚起すると見られる。

多くの開発者がファイルコインネットワーク上で構築し、データにまつわる価値の創造と獲得に参加可能になる。ファイルコインのストレージサービスはより包括的になることが予測される。

SINSOの展望

SINSOは、ファイルコインの拡大により、これからのWeb3.0世界では「データ」自体が高額な資産として取引されるようになると予測する。来るべくデータ指向時代に備えて、SINSOではプログラマブルフレームワークやミドルウェアなどを提供している。

同プロジェクトチームは、ファイルコインの第1回Frontier Accelerator Campでトップ11チームとして頭角を現した。チームメンバーが医療ビッグデータに長年の経験を有していたこともあり、2021年のプロジェクト開始当初、SINSOはまずは医療分野にフォーカスしていた。

現在、SINSOはより一般的なWeb3.0基盤のアーキテクチャへと進化しているが、医療分野のユースケースは他を先行して生産段階に近づいている状況だ。

例えば、データ指向のプログラマブルフレームワーク「SINSO DAC」は、Web3.0プロダクトに適したミドルウェアシステムとされる。

SINSO DACを使ってデータ指向のDAO(分散型自律組織)を構築でき、実際にSINSOチームは、データDAOに基づいた医療データの分散型保険契約をリリース予定だ。

これまで「Google Health」やMicrosoftの「HealthVault」など、ビックテックが手掛ける医療情報管理プラットフォームは、主にデータの保護問題で停止してきた。しかし、SINSOの分散型アプリケーションはデータの仲介者が必要ないため、プライバシーの課題をクリアにしながら、医療に関する公共データの資産化や自動取引を可能にする。誰もが個人の健康データの生産者となることができる。

SINSOは2023年、データ指向のプログラマブルフレームワークやミドルウェアのロードマップに基づいて、満足のいく成果を挙げることに焦点を当てている。今後、グローバルパートナーとの提携関係を通して、より実践的な事例を適宜発表していく方針だ。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/02 水曜日
14:30
ソニー・シンガポール、オンラインストアでステーブルコインUSDC決済に対応
ソニー・シンガポールが仮想通貨取引所と提携し、オンラインストアでステーブルコインUSDCによる決済サービスを開始。シンガポール初の仮想通貨決済対応家電ブランドとなり、ソニーグループの分散型技術戦略と連動した取り組みとなった。
13:25
エリック・トランプ氏「仮想通貨事業参入のきっかけは不当な銀行口座閉鎖」
トランプ大統領の次男エリック氏は、大手銀行による突然の口座閉鎖が仮想通貨事業参入のきっかけとなったと明かした。同氏は、ブロックチェーン技術により今後10年で金融や銀行の在り方は大きく変わると予想している。
12:56
メタプラネット、ビットコイン追加購入で累計4,206BTCに
メタプラネットが4月2日に仮想通貨ビットコインを160BTC、約20億円分追加購入し、累計4,206BTCに保有量を伸ばした。2025年末1万BTC・2026年末2万1,000BTCを目指し、独自財務戦略を進める。
12:05
ビットバンク、村上信五さん起用の新CM放映開始へ
国内暗号資産取引所の大手ビットバンク株式会社は4月2日、バラエティ番組の司会などで活躍する村上信五さんを起用した新CM「Everybody bitbank」シリーズの放映を4月3日から開始すると発表した
11:44
米グレースケール、バスケット型仮想通貨ETF申請 XRP・ソラナ・ADA含む5銘柄で
米グレースケールがビットコイン他複数の仮想通貨に投資する「デジタル・ラージキャップ・ファンド」のETF転換をSECに申請した。承認されれば一般投資家にも開放される見込みだ。
11:00
「決済用ステーブルコインは利子提供不可」米ヒル議員が強調 コインベースらの嘆願却下
米下院金融委員長が決済用ステーブルコインの利子提供は認められない計画だと強調。コインベースなど仮想通貨業界からの要望を却下した。法案にも禁止条項が盛り込まれている。
10:30
国内上場のenish、1億円相当のビットコイン購入へ Web3事業強化で
株式会社エニッシュが1億円相当のビットコインを4月1日から4日にかけて取得すると発表。ブロックチェーンゲーム開発を手がけながら、Web3領域での事業展開強化と財務戦略の一環としてビットコインを活用へ。
10:15
バックパック、FTX EUの顧客へのユーロ返還手続きを開始
仮想通貨取引所バックパックは、FTX EUの顧客にユーロを返還するための手続きを開始。FTX自体は現金での返還をすでに開始しており、仮想通貨の買い圧につながるのではないかとの見方も上がっている。
08:20
バリュークリエーション、2度目の1億円分のビットコイン購入を実施
東証グロース上場のバリュークリエーション株式会社が3月31日、1億円で7.8BTCの追加購入を発表。3月17日の初回購入から2週間で2回目の投資を実施した。
08:15
ビットコイン一時50万円上昇、米経済指標とトランプ関税政策が影響|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時50万円の上昇となった。現在、市場の最大の注目材料はトランプ大統領による関税政策であり、ビットコインはリスク資産である米国株価指数との相関性が非常に高くなっている。
07:50
『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も
ビットコイン政策研究所が「ビットボンド」提案を発表。米国債の金利負担軽減と仮想通貨ビットコイン保有増加を同時実現する戦略で、2兆ドル規模で導入した場合、年間700億ドルの節約効果と推算。
07:20
ビットコイン購入準備のゲームストップ、2200億円調達済み
米ゲーム小売大手ゲームストップが15億ドルの無利子転換社債発行を完了し、ビットコイン購入計画を進行。マイクロストラテジーの戦略に類似する企業の仮想通貨投資の新たな展開に。
06:55
三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発
三井住友FGは、ステーブルコインの開発を行うことがわかった。仮想通貨アバランチを開発するAva Labsら3社と協業し、26年度を目処にした発行を検討している。
06:35
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画
トランプ家支援のAmerican Data CentersとビットコインマイナーHut 8が設立した合弁会社American Bitcoinが上場計画を発表。エネルギー・インフラとマイニング事業を二社統合モデルで展開していく。
06:12
ブラックロック、英で仮想通貨事業者認可を取得、ビットコインETF提供へ
世界最大の資産運用会社ブラックロックが英国金融行動監視機構から仮想通貨事業者として認可を取得。資産12兆ドルの投資巨人が欧州向けのビットコインETFを英国拠点から運営へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧