LidoのETH出金機能
リキッド(流動的)ステーキングの最大手プロトコルLido Finance(LDO)は28日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の出金プロセスで、NFT(非代替性トークン)を活用する計画を明らかにした。取得したNFTは転送できるため、ETHステーキング報酬の請求権が譲渡・売買可能になる。
また、同日Lidoは、イーサリアムのテストネット「Goeli」上で最初の出金テストに成功したことを報告した。LDOトークンは前日比13.38%上昇している(執筆時点:データ元CoinMarketCap)。
In addition to successfully testing Bunker mode over the weekend, Lido contributors have successfully tested the user flow for Ethereum withdrawals and will be demonstrating this (along with the UI) on today’sNOM call at 18:00 UTC. https://t.co/jkyOa8ECfP
— Lido (@LidoFinance) March 28, 2023
Lidoはイーサリアムのステーキング数全体の31%(564万ETH)を占める「リキッドステーキング」のトッププロバイダー(執筆時点)。原資(ETH)に対して1:1の割合で発行されるデリバティブトークン(stETH)を受け取り、DeFi(分散型金融)などで運用可能。stETHの償還時には、原資とともにステーキング報酬(ETH)を獲得できる。
イーサリアムは大型アップグレード「Shapella(上海+カペラ=シャペラ)」を4月13日(日本時間)に控えており、ロックアップされている1,798万 ETH(約4兆2,000億円相当)とステーキング報酬が初めて出金可能になる。
これに合わせて、Lidoもアップグレード「Lido V2」を実施予定であり、stETHをアンステーキングして原資とステーキング報酬を回収できるようになる。なお、現時点でstETHを市場で売却することもできるが、その場合ステーキング報酬を放棄することになる。
NFTでETHをクレーム
Lidoのプロダクト・マネージャーであるMariya Muzyko氏によると、LidoでステーキングされたETHの出金プロセスは「リクエスト」と「クレーム」の2段階構成となる。
ユーザーがLidoでETHの出金リクエストを実行すると、出金可能残高を示すNFTを取得。イーサリアムネットワークで出金状況によって調節される待機期間を経て、このNFTとETH原資+報酬を交換可能になる。デモ画面によると、ETH出金の待機期間は、およそ1日〜5日かかると想定されている。
LidoユーザーはstETHの償還プロセスで受け取るNFTを他のアドレスに転送でき、ETHステーキング報酬の請求権が譲渡可能になる。また二次市場で売却しても、Lidoはロイヤリティを取らない方針だという。
Lidoは3月15日、デリバティブトークン「stETH」とステーキングされているイーサリアム+報酬との償還開始目標を5月中旬としていた。
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