CoinPostで今最も読まれています

ChatGPT開発のOpenAI社CEOが岸田首相と面会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

岸田首相と面会

AI言語モデル「ChatGPT」を開発した米OpenAI社のサム・アルトマン最高経営責任者は10日、首相官邸で岸田文雄首相と面会。ChatGPTについて意見を交換した。

アルトマン氏は首相との面会で、ChatGPTを活用することの利点やマイナス面の軽減、「日本が採用することで、得られる素晴らしさ」などについて話し合ったという。

同氏はその後、自民党の会合に出席。日本にOpenAI社のオフィスを開設し、日本語サービスの拡張を検討する意向を明らかにしたという。アルトマン氏は記者会見で、同社の言語モデルが、日本語とその文化的ニュアンスに対する習熟度を高めるように努力すると述べた。

もっと長い時間をかけて、素晴らしい才能のある人々と関わり、日本の人々のために卓越したものを作りたいと考えている

日本への提案

アルトマン氏は同日、自民党の「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」(以下、AIPTと表記)の会合に出席した。AIPTの事務局長を務める塩崎彰久議員がツイッターで明らかにした。

塩崎氏によると、アルトマン氏は日本に対し、以下の七つの点について提案した。

  1. 日本関連の学習データのウェイト引き上げ
  2. 政府の公開データなどの分析提供等
  3. LLM(大規模言語モデル)を用いた学習方法や留意点等についてのノウハウ共有
  4. GPT-4の画像解析などの先行機能の提供
  5. 機微データの国内保全のため仕組みの検討
  6. 日本におけるOpenAI社のプレゼンス強化
  7. 日本の若い研究者や学生などへの研修・教育提供

AIPTは3月末、「AI新時代における日本の国家戦略」と題したホワイトペーパーを公開。国内におけるAI開発基盤、行政でのAI利活用、民間でのAI利活用、AI規制について、提言をまとめている。

ホワイトペーパーでは、日本独自のAIモデル開発について「短期的に競争力を有する独自の基盤モデルを国内リソースのみで開発するのは困難」との見方から、「先行している海外の基盤モデルAIを土台とし、またはパートナーシップを組む形で、国内でも基盤モデルを用いたさまざまな応用研究・開発を加速させるべき」としている。

OpenAI社CEOとの会合はこの流れを汲むものとみられる。

高まるChatGPTへの懸念

一方、ChatGPTに対して、世界で個人情報保護に関する懸念が高まっている。

イタリアでは、データ保護機関が、EU(欧州連合)の一般データ保護規則(GDPR)違反の疑いがあるとして、3月31日、ChatGPTの利用を一時禁止する措置をとった。ChatGPTではクレジットカード番号(下4桁)や住所を含む一部の顧客情報の漏洩が発覚。調査が開始された。

当局は、AIがアルゴリズムを学習する際に個人データを大量に収集・保存することに法的根拠が欠如していると批判。ユーザーへの事前の情報提供も不十分であると主張している。

ロイターの報道によると、ドイツ、フランス、アイルランドがイタリアに追随する可能性があるという。

関連:イタリア当局がChatGPTに一時制限、データ保護違反と対策不足の疑いで調査開始

カナダでは、個人情報保護委員会(CPC)が4日、「ChatGPTが同意のない個人情報の収集、使用、開示している」との苦情を受け、OpenAI社に対して調査を開始したと発表した。

さらに、公正取引を監督・監視する米国連邦取引委員会(FTC)でもChatGPTは問題視されている。

FTCに提訴された文書で、AIの倫理、社会的影響、プライバシー問題に対処する非営利研究機関「AIデジタル政策センター(CAIDP)」がChatGPTをプライバシーと公共の安全に対するリスクだと主張。透明性、公平性、明確性を求めるFTCのガイドラインに準拠するまで、今後のAI言語モデルのリリースを凍結することを求めている。

関連:カナダ当局 「ChatGPT」開発会社OpenAIを調査

日本は世界のトレンドに逆行か

世界でChatGPTへの逆風が強まる中、アルトマンCEOが訪日。岸田首相との面会や、与党自民党の会合参加を果たした。

岸田首相は、アルトマン氏との面会後、新たな技術におけるプライバシーや著作権に関するリスクが指摘されている状況について同氏と話し合い、「国際的なルールづくり」についての考え方について意見を交換したと語った。

松野博一官房長官は記者会見で、「『チャットGPT』に限らず、昨今のAIをめぐる技術革新は、さまざまな利点がある一方、新たな課題が生じるとの見方もある」と強調する一方、政府内でのChatGPT利用の可能性について次のように述べた。

政府としては、引き続き関係省庁で連携し、AIに関する動向の把握に努めつつ、機密情報の取り扱いや情報漏えいの懸念への対応についても必要な検討を行う。その上で懸念点が解消された場合は、国家公務員の業務負担を軽減するための活用の可能性などを検討していきたい。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/03 日曜日
11:30
米経済減速続けばビットコイン上抜けは時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
3.8万ドル付近を底堅く推移する今週のビットコインチャートを図解。国内大手取引所bitbankのアナリストが今後の展望を読み解く。オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|マイクロストラテジーのBTC買い増しに高い関心
今週は、マイクロストラテジーが仮想通貨ビットコインを買い増ししたニュースや、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏がビットコインなどの資産への投資を推奨していることを書いた記事が関心を集めている。
12/02 土曜日
16:25
エルサルバドルのブケレ大統領、2024年再選を見据え職務離脱へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン支持者で知られる、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領が総選挙キャンペーンのため職を離れる。再選を目指す中で、国内政治のチェック・アンド・バランスの弱体化と、国際関係への影響を探る。
14:00
2024年に半減期を迎えるビットコインは約1800万円到達、Matrixport分析
Matrixportによる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格予測を深掘り。2024年に1835万円到達の可能性、歴史的なデータ分析、マクロ経済要因と地政学的影響を詳細に解説。ビットコイン投資の未来を探る。
13:00
米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」
ステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社は、公開書簡を米議員らに提出。テロ資金など不正金融への関与はないと強調した。
12:00
イーサリアム運用で高利回りを実現、Cegaのデュアルカレンシー戦略とは?
セガ・ファイナンスが新しいオプション戦略「デュアルカレンシー」を発表。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム、stETH、USDCホルダーに向けて、年利22%以上の収益を提供。この戦略は、リスクを最小限に抑えつつ、市場での高い固定利回りを実現する。
10:45
コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、イーサリアムL2「Base」に関する展望について話した。独自トークンや取引高速化について説明している。
09:55
コインベース・マイニング株大幅高、ビットコイン年初来高値更新|2日金融短観
本日のNYダウは+294.6ドルと続伸し、債券市場は反発した。この日にパウエル連邦準備制度理事会議長の発言からトーンダウンが示唆され2024年にFRBが利下げに動くとの観測がますます広がった格好だ。
08:30
Starknet独自通貨の無料配布、スナップショット実施済み
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」は今週SNSで出回っていたSTRKトークンのエアドロップのスクリーンショットの真贋を確認し権利獲得にあたるスナップショットはすでに実施されたことを明かした。
07:20
ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケールレポート
仮想通貨運用会社グレースケールは、2023年11月版の市況レポートを公開。2024年は複数の条件が重なることによって、ビットコインの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。
06:50
ビットコインETFの上場申請めぐり今週3社目のSEC面談、専門家が承認楽観視
米SECは、GBTCから現物型ビットコインETFへの転換申請について、今週29日に申請側のグレースケール(2度目)と会議を行ったことが判明した。仮想通貨ビットコインは年初来高値を更新した。
06:00
ソラナDEX「Jupiter」、仮想通貨JUP無料配布の事前確認ページ公開
ソラナ基盤の分散型取引所アグリゲーター「Jupiter Exchange」は独自トークン「JUP」の無料配布(エアドロップ)計画について、事前確認の公式ページを公開した。
12/01 金曜日
17:41
「暗号資産の投資状況と確定申告」に関する調査、年内取引で約7割が利益
Aerial Partnersが2023年の暗号資産取引調査結果を公開。ビットコインなどの現物取引だけでなく、PoS銘柄のステーキング利用度が高まりつつあり、利益を出している投資家増加に伴い「確定申告」の必要性も上がっている。
16:03
米投資会社タイガー・グローバル、BAYCやOpenSea投資の評価額を大幅下方修正
タイガー・グローバル・マネジメントが、有名なNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」(BAYC)と主要なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaへの投資により、大幅な含み損を抱えていると報じられた。同社の直近の投資動向と報告内容についてまとめる。
16:00
「ビットコインがもたらす革命をSNSへ」Nostrasia特集を配信
第10回のGM Radio:Beyond The Priceは11月22日に公開。今回は11月に東京などで開催されたイベントNostrasiaを特集した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア