ビットコイン上昇の要因
金融大手スタンダードチャータード銀行は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の価格が2024年末までに、10万ドル(約1,340万円)の水準まで上昇する可能性があるとの見解を示した。
今回の内容は、同行の価格予想が書かれたノートを入手した海外メディアが24日に報道。ノートで複数の根拠を挙げて、同行は仮想通貨の冬の時代が終わると述べた。本記事執筆時点のビットコインの価格は、2万7,450ドル(約368万円)である(コインベース参照)。
以下は、仮想通貨メディア「The Block」が掲載したノートのグラフ。各要因が重なるごとにビットコインの価格が上昇していくことが示されている。
同行はまず、米欧で起きた銀行業界の金融不安がビットコインの価値を向上させたと主張。分散型で信用を必要とせず、供給上限のあるデジタル資産として、ビットコインは「コアなユースケース」を再度確立するとみている。
他には順に、ビットコインの価格を押し上げる要因を以下のように挙げた。
- ビットコインのドミナンンス(市場占有率)の上昇(50〜60%へ)
- マイナーの利益の増加
- 米利上げ終了が近づくことによるリスク資産の安定
- 半減期(2024年3月予定)
- 規制整備、機関投資家の資金流入、取引高減少
最後の理由については、欧州の規制であるMiCAが、投資家の関心やボラティリティにポジティブな影響を与える可能性があると指摘。米国や英国も、規制整備で後に続くとみている。
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ビットコインの価値
23年のビットコイン価格は1万6,000ドル(218万円)台から開始。その後、米シリコンバレー銀行破綻等の影響で金融不安が広がり、避難資金の一部が流入するなどして、ビットコインの価格は今月、心理的節目となる3万ドルを一時超えた。
今回のスタンダードチャータード銀行の価格予想は様々な要因が重なって実現されるとの見立てだが、アルトコインの有価証券問題やステーブルコインの信用不安などもあり、ビットコインの価値が再認識されているとの見方は、すでに上がっていた。
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