CoinbaseがSECを限定提訴
米国の暗号資産(仮想通貨)取引所であるCoinbaseは24日、SEC(米証券取引委員会)を相手取り、限定的な提訴を連邦裁判所で行ったことを発表した。
この訴訟は、法的問題全体ではなく、特定の問題に焦点を当てた限定的なものだ。Coinbaseが2022年7月にSECへ提出した「仮想通貨業界に関する規制の明確化を求めるペティション(署名文書)」への回答を求めることが目的となっている。
厳密には、SECが既にペティションを拒否することを決定していると考えられるものの、その決定をまだ公式に公表していないため、Coinbaseは連邦裁判所への提訴を通じてSECにその決定を共有するよう求めている。
SECがペティションへの拒否を認めると、Coinbaseは法廷でその決定に対して異議を申し立てることができる。行政手続法(APA)に基づいて、CoinbaseはSECの決定に対して正式な設定で異議を提起し、ルール作成が必要であると主張することができる。
この訴訟は、SECがまだ法的見解を公開していない状態で強制執行措置を行っていることに対抗する措置となる。このプロセスを通じて、Coinbaseは仮想通貨業界における規制の明確化を求める機会を得ることができる。
Coinbaseは、米国がブロックチェーン技術によって実現される技術的変革をリードするためには、明確な規制が必要だと主張している。
行政手続法(APA)とは
1946年に制定、連邦行政機関のルール作成・審査プロセスを規定した法律。行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護を目的としている。
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Coinbaseのペティション
Coinbaseは2022年7月、「実行可能な規制の枠組みの開発」を求めるペティション(嘆願書)をSECに提出した。ペティションでは、証券として分類される仮想通貨は「安全で効率的な実務の指針となる新たな規則書を必要としている」と主張。また、「証券ではない仮想通貨は、このような規則の枠外にあるという確実性を必要としている」とした。
このペティションには、現在までに1,700以上の団体や個人がコメントを提出し、支持を表明しているという。
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しかし、SECは2022年のペティションに対して具体的な公的回答は出していないまま、仮想通貨業界の個人や組織に対する強制執行を相次いで行っている。3月にはCoinbaseにも「ウェルズ通知(Wells Notice)」を発行した。
SECの調査対象には、上場している仮想通貨やステーキングサービス「Coinbase Earn」などが含まれている。Coinbaseは取扱銘柄やサービスが合法であることを確信しており、訴訟も歓迎すると説明した。
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