2度の障害発生
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンは13日、約1時間に渡りブロックの確定(ファイナライズ)が一時的に停止した。これは、24時間以内に2度目の技術的問題で、12日にも25分間にわたってファイナライズが停滞していた。
seems like eth has lost finality again pic.twitter.com/40PJPPES4k
— lightspeed mert | helius.xyz (@0xMert_) May 12, 2023
「ファイナライズの停止」とは、新規に追加されたブロックが公式に確認され、その内容が不変となる過程が一時的に中断する状況を指す。通常、このブロックの確定過程は約15分を要すると、イーサリアム財団は説明している。
ファイナライズが進まない場合、様々なリスクが生じる。その中には、一つのイーサリアム(ETH)が二度使われる「ダブルスペンディング」と呼ばれる不正行為が含まれる。さらに、ブロックの確定が滞ると、ネットワーク内の取引記録が不一致となり、その結果、ネットワークが分岐(フォーク)する可能性が高まる。これらの問題は、ブロックチェーンの信頼性と安全性に直接影響を与える。
技術的問題の具体的な原因は明らかではないが、イーサリアムの開発者らは、イーサリアムがこの種の問題に強い耐性を持つ設計になっていることを強調している。つまり、取引は通常通り行われ、問題が解決した後にはブロックのファイナライズも再開されるということだ。
一部のユーザーが懸念を示している中で、イーサリアムのコア開発者であるEric Conner氏はネットワークが「ダウンしたわけではない」とツイッターでコメントし、一部のクライアントに存在したバグは既に修正されたと説明している。
今回の問題の一因として、過去の状態(古いビュー)を保持しているノードが証明を行った結果、ネットワーク全体の負荷が増大し、一部のノードがネットワークから離脱した可能性が考えられる。イーサリアムでは、証明が古いビューに関連していた場合、その時点の状態を再生成して検証する必要があり、これはシステムに負担をかける可能性がある。この問題に対応するため、イーサリアムのクライアントの一つであるPrysmでは新たな修正がリリースされた。
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今後の見通し
記事執筆時点では、イーサリアムのブロックのファイナライズは再開している。イーサリアムの貢献者であるSuperfiz氏は、2つ目の波は過ぎ去ったが、3つ目の波が来る可能性もあると指摘。しかし、取引は通常通りに実行され、問題が解決した後にはブロックのファイナライズも再開すると語り、ユーザーに安心感を与えた。
Today the Ethereum mainnet experienced its first ever inactivity leak.
— Ben Edgington (@benjaminion_xyz) May 12, 2023
Unsure what that means? Everything you never wanted to know is right here: https://t.co/OFf9aSKBCL
Superfiz氏はその後、インアクティビティリークに関する投稿をリツイートした。これは、イーサリアムがネットワークの安全性を確保するためのシステムである。具体的には、「インアクティビティリーク」というシステムは、ノードがオフラインになったり、ネットワークの維持に必要な活動を行わなかった場合、そのノードが保有するETHが徐々に減少するという安全装置だ。これにより、ノードがネットワークの維持に積極的に参加するインセンティブが生まれる。
このシステムは、それぞれのノードが活発にネットワークに貢献することで、イーサリアムのネットワーク全体の安全性と効率性が維持される。一部のノードが機能しなくなったとしても、このシステムがあるためネットワーク全体が停止するリスクを最小限に抑えることができる。
ConsenSysのTeku Eth2クライアントのプロダクトリーダー、Ben Edgington氏によれば、イーサリアムは初めてインアクティビティリークを経験した。
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