はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム、ブロックのファイナライズに約30分間の遅延 クライアント多様性の重要性が強調される

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

合意形成層のファイナライズ

イーサリアム(ETH)のコンセンサスレイヤー(合意形成層)で、一時的にファイナライズ(確定)の停止、あるいは遅延する事態が発生した。この状況は、5月12日3時(日本時間)ごろに発生し、約30分後に回復している。

合意形成層がファイナライズを停止するとは、提案された新規ブロックの確定ができない状態を指す。ファイナライズとは、ブロックが全ネットワークに認められ、以降変更不可能になること。これができないと、ダブルスペンディング(同じコインの二重使用)の試みがあったり、ネットワーク内に異なる取引履歴が生じて分裂(フォーク)するリスクが高まる。

イーサリアムのビーコンチェーン コンサルタントsuperphiz.ethがツイートしたところによれば、合意形成層で不調が生じた理由は明確ではないが、基本的に合意形成層はこのような問題に対して強い耐性を持って設計されている。つまり、問題が発生しても取引は通常通りに実行可能で、問題が解決した後に、ブロックの確定(ファイナライズ)も再開されるという主旨だ。

データプロバイダのBeaconcha.inによると、イーサリアムのエポック200,552から200,554では、Attestations(認証)数が急激に減少した。イーサリアムにおいて、1エポックは6.4分であるため、3エポックは19.2分。Attestationsがゼロにならなかったという点は、ネットワークが全体として依然として機能し、特定のブロックの確定が遅れただけで、新しいブロックの生成や取引の処理が続けられたという事実を示している。

実際、その25分後、メインネットは再びブロックのファイナライズを再開したとの報告がある。Prysmatic Labsの共同創設者Preston van Loon氏によれば、問題に対処するため、一部のコンピューターソフトウェア(クライアント)が通常以上の負荷を受けて動作したことで、イーサリアムの取引履歴(チェーン)を正確に記録し続けることができた、と指摘した

イーサリアムの合意形成層とは

2020年にビーコインチェーンとして開始されたイーサリアムのオリジナルのProof-of-Stake(PoS)ブロックチェーン。2022年9月15日には、イーサリアムのProof-of-Work(PoW)チェーンと「マージ」。現在はイーサリアムの「合意形成(Consensus)レイヤー」として機能している。

関連:イーサリアムのステーキング報酬率が上昇、ミームコインブーム取引が要因か

クライアントの多様性

Blockworks Researchのシニアアナリスト Sam Martin氏は、一時的ではあるが大幅な検証者(バリデーター)の参加率が減少した結果、認証(Attestations)の数が急激に減少する事態が発生したとの見解を示している。

EthereumPools.infoはまた、「数エポックにわたり、我々が監視しているほぼすべてのプール/オペレータがオフラインになった」とツイートした。

Martin氏はまた、検証者が使用できるソフトウェア(クライアント)の多様性により、この問題が広範囲に広がったり、長時間にわたって続くことを防いだという意見を示している。

イーサリアムのブロックが一時的にファイナライズされなくなる一方で、実行レイヤー(エグゼキューションレイヤー)では通常通りブロックが検証され続けた。これは、イーサリアムの検証者セットの中でのクライアントの多様性の重要性を再度示す事例となった。

つまり、様々な種類のソフトウェアが使用されていたために、一部に問題が発生したとしても、他のソフトウェアによってネットワーク全体の機能が維持され、早期の復旧に貢献したという。

「クライアントの多様性」は、イーサリアムの取引を検証するために使えるソフトウェアの種類のことを指す。様々な種類のソフトウェアが使われることで、ネットワーク全体の安全性や安定性が高まる。

Diversfy Nowのデータによると、イーサリアムの取引を確認するソフトウェア(クライアント)の中で、’Lighthouse’と’Prysm’がほぼ同じぐらい(38%前後)使われていて、その次に’Teku(16.9%)’がある。しかし、’Nimbus’や’Lodestar’というソフトウェアはあまり使われていない。

Superphizは、ある特定のソフトウェア(クライアント)が全体の33%以上を占めていない場合、つまりソフトウェアの使用が適度に分散されている状態であれば、今回のような「ファイナライティの喪失」という問題は起こらなかった可能性が高いと述べている。

検証者(バリデーター)とは

バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。取引履歴を検証する役割などを持ち、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。

関連:待望のPoSへ、イーサリアム大型アップグレード第一弾「The Merge」を詳細に解説

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧