はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

DeFiプロトコルBancor、集団訴訟に直面 「永続損失保護」めぐり

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

損失保護機能をめぐる集団訴訟

DeFi(分散型金融)流動性ソリューションを提供するBancor(バンコール) の共同創設者らやDAO(自律分散型組織)は11日、投資家より集団訴訟を起こされた。

原告らは、米国テキサス州の地方裁判所に提出した訴状において、バンコールが「永続損失保護」という機能について投資家を欺いて損害を与えたとして、賠償金などを請求している。

また、バンコールは、表面上は自律分散型組織である「Bancor DAO」が運営しているとされているものの、実際には被告が資本、従業員、コードの管理など、バンコールのほとんどをコントロールしている状況だとも述べた。

被告としては、バンコールのGuy Benartzi共同創設者ら個人の他、BProtocol FoundationおよびBancor DAOを相手取っている。

自律分散型組織(DAO)とは

自律的に機能する分散型組織を指す。「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

▶️仮想通貨用語集

申し立て内容

今回特に問題とされている「永続損失保護」は、仮想通貨を流動性プールに預け入れた際に発生しうる損失を補償する保険機能だった。

2つのトークンをペアで流動性提供(ステーキング)する際、片方のトークンが高騰(急落)した際に、プール内のバランスを取るために保有割合が変動することがある。このため、ユーザー資産の額が預入時よりも低くなるリスクが生じる。

バンコールは、このリスクを補償する機能を2020年のバージョン2より打ち出しており、投資を引き寄せた。

さらに、2022年5月に立ち上げたバージョン3では損失に対する即時「100%の保護」や「どこよりも競争力のあるリターン」を約束していた。しかし6月には、引き出しの急増によりリスクが現実化。バンコールは損失保護を「一時停止」としている。

原告はこれにより、原告と同じ状況に置かれた他の投資家は、合計数千万ドル規模の損失を被ったと申し立てる格好だ。

バンコールは当時、損失保護を停止した背景について、「2つの大規模な中央集権的組織」の破綻が影響したと述べていた。

この時期には、旧テラエコシステムの崩壊をきっかけとして仮想通貨業界で債務不履行の連鎖が起き始めていた。仮想通貨レンディングプラットフォームのセルシウスや仮想通貨VCスリーアローズキャピタル(3AC)が財政上の危機に直面していた。

このため、バンコールからも急激な資金引き出しがあり、そのことで損失保護が不可能になったとみられる。

証券法違反でも提訴

以上に加えて、原告はバンコールの流動性プロバイダープログラムは「拘束力のある投資契約」だったとも主張している。このため、証券法違反や証券取引法違反についても提訴し、損害賠償を求めた。

原告は、次のように主張している。

証券法は、バンコールやその流動性プログラムで起きたような危険について投資家に警告することを目的としている。

バンコールの流動性供給プログラムは拘束力のある投資契約であり、米国法に基づく証券だ。

被告が証券として登録し、開示要件を遵守していれば、原告およびその他の投資家はバンコールのプログラムに投資せず、投資額の50%に近い損失を回避できただろう。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。
07:45
トランプ大統領、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者3名に恩赦
トランプ大統領は、アーサー・ヘイズ氏ら仮想通貨取引所BitMEXの3名の共同創設者に恩赦を与えたことがわかった。同氏らは、意図的にマネーロンダリング対策を導入せず銀行秘密法に違反したと告発されていた。
07:15
アバランチ現物ETF、米グレースケールも申請
VanEckの後に申請 米ナスダックは3月27日、グレースケールのアバランチ(AVAX)現物ETFに関する19b-4申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この申請は、既…
07:02
ブラジル政府高官「ビットコイン準備金は国の繁栄に不可欠」
ブラジル副大統領首席補佐官がビットコインを「デジタルゴールド」と評価し、国際準備金の5%をビットコインに投資する法案を支持する。
06:40
イーロン・マスク氏、人工知能開発のXAIがX社を買収と発表 企業価値16兆円超の巨大統合に
イーロン・マスク氏が率いるAI企業XAIが旧ツイッター社X社を全株式交換で買収。XAIを800億ドル、X社を330億ドルと評価する統合により、AIとソーシャルメディアの融合を目指す。
06:15
Bybitハッカー、40億円相当のイーサリアムを売却 ETH価格は前日比6%安
Bybitハッキング犯による40億規模のイーサリアム大量売却が仮想通貨に影響。ETHが前日比-6.3%。
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧