はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨デリバティブ商品の拡大、仮想通貨市場への更なる巨大資金流入

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

相次ぐビットコイン派生商品
米SECによるビットコインETFの承認が降りない中、大手投資銀行による仮想通貨デリバティブ取引への参入が注目を集めてきています。近頃の相次ぐ大手金融機関によるビットコイン派生商品の提供予定に関する報道に、市場は好意的な反応を見せているようです。
ビットコイン派生商品による市場への資金流入の加速
ビットコイン派生商品の誕生は現在、規制の不確実性や、現物取引のカストディ面に対する不安要素などから未参入だった機関投資家が、安心して仮想通貨投資に参入できるような道筋を作ることに繋がり、新たな資金流入が加速する可能性があります。
デリバティブ取引とは
デリバティブ取引は、何らかの資産に係る数値に連動して価格が変動する契約で、高い収益性を追及する手法として考案されました。大きく分けて先物取引、オプション取引、スワップ取引の3種類に分類されます。

▶️ CoinPost:仮想通貨用語集

相次ぐビットコイン派生商品

昨年の飛躍的な成長とは対照的に、低迷が続く2018年の仮想通貨市場にあって、相次ぐ大手金融機関によるビットコイン派生商品(デリバティブ)の提供予定に関する報道に、市場は好意的な反応を見せています。

仮想通貨全体の時価総額は、先週、今年最低額を記録した後、現在は22兆円へと緩やかに回復しています。

仮想通貨市場の拡大に寄与する規制上の重要な転換点として注目が集まっていた、米国証券取引委員会(SEC)による、年内のビットコインETF承認の可能性が遠のく中で、機関投資家からの新たな資金流入につながると期待されているのが、大手投資銀行による仮想通貨デリバティブ取引への参入です。

先週、米シティグループによる「デジタル資産証券」(DAR=Digital Asset Receipts) と呼ばれる新しい仮想通貨デリバティブ商品の開発と、また同じく米モルガン・スタンレーによるビットコイン先物に基づくデリバティブ商品の提供が準備されていると、相次いで報じられました。

それに先立ち、投資銀行最大手であるゴールドマンサックスもビットコインのデリバティブ開発に意欲を見せていると、報道されています。

このような金融派生商品は、ビットコイン現物に対して「合成ビットコイン」と呼ばれ、ビットコインの信奉者層からは、軽侮の念を持って語られるようです。 

分散化することで個人が自身の財政をコントロールする力を取り戻すことを目指すビットコインが、大手金融機関によって提供されるデリバティブ商品によって、再び、中央集権的な支配を受けてしまうことを危惧する声も聞かれます。

しかし、現実的には、仮想通貨市場がこのような「合成物」であるデリバティブ商品から大きな影響を受けることは、昨年末のビットコイン先物の取引開始や、ETF可否判断のニュースが市場に与えた事例を見れば、明らかだと言えます。

ビットコイン派生商品による市場への資金流入の加速

一連の仮想通貨デリバティブ商品が提供されることにより、機関投資家からの新たな資金流入が見込め、仮想通貨への需要が増すことにより、資産価値が上昇すると考えられるため、すでに仮想通貨投資を行っている投資家にとっては、朗報と言えるかもしれません。

機関投資家にとってデリバティブ商品が魅力となる理由は、これらの商品が規制に準拠したものであり、大手金融機関が提供することで「お墨付き」を与えられたものと認識されることでしょう。

昨年末、ビットコイン先物というデリバティブ商品の取引が開始されたときと同様、「合成ビットコイン」は、現在、規制の不確実性や、現物取引のカストディ面に対する不安要素などから、参加できない機関投資家が、安心して仮想通貨投資に参入できるような道筋を作ることに繋がるのです。

ロンドンに拠点を置く仮想通貨投資会社、CoinSharesのリサーチ部門責任者であるChristopher Bendiksen氏は、仮想通貨デリバティブに対し、次のような見方を述べています。

”合成商品”は、基礎となる原資産との交換や決済が可能でないがゆえに、参入が制限されている資本に対する経路を開くことになる。 さらに、”合成仮想通貨商品”は、すでにカストディ機能が内包されているため、投資家自ら(仮想)資産を保管管理する必要がなくなり、技術的な障壁からも解放してくれる。

大手金融機関の仮想通貨に対するアプローチは、この1年で大きな変貌を遂げました。

ビットコインは詐欺」発言に始まり、「ビットコインはバブル」「仮想通貨に本質的価値はない」などの、非難が大半を占めていたアメリカの大手投資銀行は、今では、こぞって仮想通貨関連商品の開発に勤しむまでになっています。

私たちは、歴史的瞬間に生きているのでしょうか。  

ニュージーランドに拠点を置くブロックチェーン投資持株会社であるTechemy社 CEOのFran Strajnar氏は、次のように述べています。

Strajnar氏は、主要金融機関が仮想通貨スペースへの参入することによってもたらされる大きな恩恵は、利用可能な巨額な資本の急速な増加であり、長期的にみると、インフラやプロジェクト開発のための活発な投資が行われるとしました。

そして最終的には、仮想通貨が目指した、自由なグローバル通貨となる可能性も秘めていると同氏は指摘しています。

CoinPostの関連記事

機関投資家の資金流入へ|モルガンスタンレーがビットコイン先物に基づくデリバティブ提供
世界有数の金融機関モルガンスタンレーが、BTC先物に紐づくスワップ取引を計画中だと判明した。ゴールドマンサックスやシティグループに続き、機関投資家の仮想通貨参入準備が進む。
SBIホールディングスが米企業に出資、機関投資家向けの仮想通貨デリバティブ開発へ
仮想通貨取引所SBIバーチャルカレンシーズ(VCTRADE)を提供する「SBIホールディングス」傘下のSBIクリプトインベストメントは30日までに、米クリア・マーケッツ社に出資した。機関投資家向けに、仮想通貨のデリバティブ取引を提供するプラットフォームの開発を目指すとされる。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/01 火曜日
17:40
メタプラネット、ビットコインを696 BTC追加購入
メタプラネットが696BTCを追加取得した。キャッシュ担保付きプットオプションで第1四半期に7.7億円の収益を計上し、長期的なビットコイン蓄積と安定収益を同時に狙う戦略を公開した。
15:02
オリコン調査 ビットコイン取引所満足度ランキングbitbankが首位【現物取引】
オリコン顧客満足度調査2025で暗号資産取引所を徹底比較。現物取引ではbitbankが2年連続の総合1位を獲得し、手数料・システム安定性で3年連続首位となった。GMOコインはステーキング・レンディングで高評価。6,260人の利用者の声から見る信頼性の高い取引所選びに。
14:15
エックスモバイルがWeb3参入 暗号資産モバイルサービスを今年度中に開始
マジモバ・ホリエモバに続く展開 格安携帯電話サービスを提供するMVNO「エックスモバイル」は1日、暗号資産(仮想通貨)を含むWeb3事業への本格参入を発表した。今年度中に、ブロ…
13:45
テザー、1Qに8888BTC追加購入
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第1四半期に約1,100億円相当のビットコインを追加購入。総保有量は92,647BTCとなり世界第6位のホルダーに。
13:10
イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上
仮想通貨イーサリアムのDencunアップグレード後、L1の手数料収益が大幅に低下。ガス代削減という目標は達成したものの、ETHのインフレ課題が浮上していることを解説する。
12:11
トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で
4月2日のトランプ関税発表を控え、ビットコイン市場は複雑な状況に直面している。一方ではETFへの資金流入が9営業日連続で続き回復の兆しを見せる一方、マイニングコストは87,000ドルまで上昇。さらにハッシュレートは史上最高の8億5,000万TH/sを記録するという矛盾した状況だ。市場のリスク回避姿勢が強まる中、投資家とマイナーの動向から見える業界の今後を分析する。
11:25
ヘデラ関連企業ハッシュグラフ、企業向けネットワーク「HashSphere」発表
仮想通貨ヘデラ関連企業ハッシュグラフは、プライベートな許可型ネットワークHashSphereを発表。開発目的や想定するユースケース、今後の開発計画が明らかになった。
11:00
米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
米国のトミー・タバービル上院議員が退職金プランでの仮想通貨投資を許可する金融自由法案を提出。旧バイデン政権の規制に対抗し、トランプ大統領の仮想通貨支持政策を後押しする内容に。
10:10
REDXがBingXへの上場発表 モバイルサービス「REDX MOBILE」でユーティリティ拡張へ
ブロックチェーン×エンターテインメントを融合させたWeb3プロジェクト「REDX(レッドエックス)」は、2025年4月1日より、トークン還元型の次世代モバイルサービス「REDX…
10:00
トランプ大統領の仮想通貨活動に共和党内から異例の苦言
米下院金融サービス委員会のヒル委員長が、トランプ大統領の仮想通貨事業がステーブルコイン規制議論を複雑化させていると発言した。民主党からの批判を招いていることが背景だ。
08:40
トランプ家、ビットコインマイニング事業参入 Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立
Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立 米国の上場企業Hut 8(ハット・エイト)は、ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプ氏とドナルド・トラ…
08:01
ブラジル金融当局、主要年金基金の仮想通貨投資を全面禁止
ブラジル国家通貨評議会が年金事業体による仮想通貨投資を禁止。高リスクを理由に規制強化する一方、英国のカートライト社や米国複数州の年金基金はビットコイン投資を進めており、国際的な規制姿勢の違いが鮮明に。
07:30
ブラックロックCEOが見解、ビットコインが米ドルの支配的地位を奪うリスク
ブラックロックのCEOは、米国の債務が増加している現状に警鐘を鳴らし、債務を制御できなくなれば、ドルの準備通貨の地位が仮想通貨ビットコインのようなデジタル資産に奪われるリスクがあると指摘した。
07:00
ビットコイン、S&P500との相関性低下か クジラ数は3ヶ月ぶりの高水準
仮想通貨ビットコインはS&P500が下落する中でプラス推移し相関性の低下を示唆。1,000BTC以上保有のクジラウォレットは3月から11増加し1,991に到達。Cryptoquantアナリストは2020年の強気相場と類似したパターンを指摘した。
06:30
2880億円規模のビットコイン買い増し、ストラテジー社
米ストラテジー社は3月31日、22,048の仮想通貨ビットコインをさらに追加購入したことを公表した。今回の購入規模は2880億円相当のもので、このニュースが好感されビットコイン市場は一時83,757ドルまで反発。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧