CoinPostで今最も読まれています

米最高裁、コインベースに対する集団訴訟2件を却下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

法廷ではなく民間仲裁による手続きへ

米国の最高裁判所は23日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースに対する2件の集団訴訟を却下した。

今回の訴訟の一つは、コインベースのユーザーであったAbraham Bielski氏を原告とするものだ。

Bielski氏は、2021年に詐欺師が同氏のアカウントから3万ドル(430万円)以上を盗み、この際にコインベースが同氏のアカウントに関する調査などを行わなかったことが、電子資金移動法違反だとして告発していた。

下級裁判所(控訴裁判所)は、この訴訟を進めることを許可したが、コインベースは、この件は法廷ではなく民間仲裁で処理されるべきと申し立てていた。今回、こうしたコインベースの主張が認められた形だ。

もう一方の訴訟は、コインベースの元ユーザーらを原告とするもの。コインベースが2021年に仮想通貨ドージコイン(DOGE)の形で賞金が提供されるキャンペーンへの参加費を、ユーザーをだまして支払わせたとして、カリフォルニア州虚偽広告法違反で訴えていた。

この件についても、最高裁は民間仲裁で処理されるべきとして却下した。

民間仲裁の方が、法廷で訴訟を続けるよりも安価で迅速に手続きを進めることができるため、一般的に被告となった企業は民間仲裁で処理することを好む。法廷での訴訟の場合には、多額の損害賠償判決が下されるリスクも大きくなる。

コインベースのコメント

コインベースの訴訟担当責任者Katherine Minarik氏は、判決について次のようにコメントした。

判事らは、本来、民間仲裁で処理されるべき訴訟が、長期にわたり費用もかかる法廷での手続きに進む場合、コインベースのような企業やその顧客が多大な負担を負うことを認識した。

また、コインベースのポール・グレワル最高法務責任者も、「最高裁判所の慎重な審理に感謝する。この判決は、私にアメリカの裁判制度を信頼させる事例の一つとなった」と述べている。

判決の背景

今回の判決で、判事らは5対4という僅差で訴訟を却下した。

裁判所は、訴訟を却下した理由の一つとして、コインベースのユーザー規約を挙げた。コインベースでアカウントを作成するとき、ユーザーは規約の条項に同意することになっている。

この規約には、仲裁条項が含まれており、契約に基づいて生じた紛争は仲裁を通じて解決されることになると書かれている形だ。

SECから提訴も

コインベースは、これまでも様々な訴訟に直面してきた。2月には、ニューヨーク地裁が、コインベースが未登録の有価証券を販売していると主張して原告が起こした集団訴訟を却下している。

関連米連邦地裁、コインベースに対する集団訴訟を却下 株価大幅高

また、現在は米証券取引委員会(SEC)が未登録証券の提供などでコインベースを提訴。コインベース側も、米SECに対して規制明確化の請願書への回答を求める限定的な訴訟を起こしているところだ。

関連バイナンスとコインベースのSEC訴訟はウォール街を利するのか

関連米SEC、コインベースの規制制定請願への回答拒否

SECとは

1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/30 火曜日
10:12
WebX2024、最大73%割引の開幕セール限定チケットは本日販売終了
CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」。最大73%割引のお得な開幕セールは2024年4月30日まで実施中です。
10:00
半減期後のビットコイン、過去と現在の特異点 Binance Japanセミナー
Binance Japan株式会社はオンラインプレスセミナーを開催。代表取締役である千野剛司氏が登壇した。「2024年ビットコイン半減期と暗号資産市場の展望」をテーマに、メカニズムや価格動向、今後の注目点をまとめた。
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア