仮想通貨VCにインタビュー
資産運用会社HashKey Capital(以下、HashKey)のパートナーであるXiao Xiao氏は、23年7月開催のWebXカンファレンスでCoinPostの取材に応じた。
グローバルな影響力を持ち、暗号資産(仮想通貨)領域に特化して資産運用を手がけるHashKeyは、デジタル資産とブロックチェーンのリーダーとして、機関、創業者、才能がブロックチェーン業界を発展させるために必要な支援を提供している。
同社は仮想通貨ファンドとして有数の規模を誇り、イーサリアム(ETH)の初期投資家でもある。ファンド設立以来10億米ドル以上の顧客資産を管理し、インフラ、ツール、アプリケーションに500件以上の投資を行ってきた。
これまで、ブロックチェーンエコシステム全体にわたる深い知識を活用し、創業者、投資家、開発者、規制当局をつなぐ強固なネットワークを構築している。
取材内容
- ―これまでの経歴は
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Xiao氏
投資の仕事に携わるようになったのは2015年で、最初は合併と買収(M&A)のチームでキャリアをスタートしました。VCの仕事をするようになったのは、2017年。新しいことやイノベーションに触れることができるので、VCの仕事の方が楽しく、初めは従来のVCに勤務していました。
その間にビットコイン(BTC)やブロックチェーン技術を知って興味を持ち、2020年にHashKeyに入社して、3年半ぐらい勤務しています。
- ―約2年間の弱気相場ではどのような事業を行なってきたか
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Xiao氏
我々は、弱気相場の間も積極的に投資していたと思います。しかし、ほとんどの他のVCは投資のペースを落としていました。
強気相場の時は、急ぐがあまり投資先の調査(デューデリジェンス)を十分に行わずに決断してしまって後ほどトラブルになることもあります。一方、弱気相場の時は、時間をかけて細かく調査を行う時間があります。
より低い評価額で投資を行うことが出来るのも弱気相場の1つの特徴です。
- ―規制面で優位性を持っている地域は
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Xiao氏
現時点では間違いなくアジアでしょう。アジアの規制は、米国や欧州よりも仮想通貨に肯定的だと思います。一方で、全ての地域の規制や環境が時代に応じて変化していくとも考えています。おそらく、(現在は否定的な)米国の規制も今後より明確になるでしょう。
- ―香港は仮想通貨取引を認めた一方、中国は否定的だが、どのように考えるか
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Xiao氏
香港とは異なり、中国本土は資本の移動に非常に厳格です。従来の金融規制についても中国と香港は異なっています。仮想通貨が中国で普及し、メインストリームになるのは現在も困難だと思っています。
- ―23年1月には政府系ファンドなどから5億ドルを調達した。機関投資家のトレンドは
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Xiao氏
年金基金のような機関投資家は、資産配分に仮想通貨を活用しています。投資のペースは遅くなっていても、1つの資産クラスとしてみています。FTX破綻のような事例があっても、Web3領域の可能性は依然探っていると思います。
また、ファミリーオフィスのような機関投資家は、個人投資家や厳格な金融機関よりも動きが早い。今もより多くのファミリーオフィスが仮想通貨領域に投資していると思います。
- ―仮想通貨事業に関わろうとしている機関投資家にアドバイスを
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Xiao氏
投資する際は、対象企業のコンプライアンスの構造を確認することが重要です。企業や資金、資産管理方法に注意を払う必要があります。FTXのような事例は二度と見たくありません。
プラットフォームが規制下にあっても、投資する前にダブルチェックする必要もあると思います。ライセンスが何も意味しないこともあり、オンチェーンの仕組みの方がライセンスより信頼できる場合さえもあるのです。
- ―VCのことを経済的に他者を食い物にする捕食者(プレデター)のように表現する人もいるがどう思うか
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Xiao氏
その認識は間違っていると言いたいです。たしかにスタートアップ企業にはプロジェクトを完全に分散化して、機関投資家を含めたくないと思っている企業もあるかもしれません。
しかし数年前までとは異なり、現在では事業発展のために機関投資家の資本などのリソースが必要不可欠であると認識しているはずです。一方、保有したトークンを投げ売りするようなVCもあるかもしれないので、VC側も運用方法をしっかり考える必要があるとは思います。
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